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すっかり安定した『みりたり!』第4巻では様々な場所を舞台として話が展開されるようになります。これまでは巻ごとに舞台設定を変更してきましたが、本巻はどこかへ出かける頻度の多い巻です。舞台設定に縛られない話が詰まった巻と言えるかもしれません。

外出するということは舞台設定をそれぞれ別々の場所で自由に設定できるため、話には豊かなバリエーションが出てくるようになります。もちろん共通の場所では無いため常に新しい状況を作り上げる必要があり、そういう意味ではアイデア勝負な話が多い巻です。

もちろん新キャラクターも登場します。特に作者お気に入りという新登場の女の子は果たして今後出番があるのか気になるところです。そんなこんなでいつものメンバーの色々な面を垣間見ることができる『みりたり!』4巻について見ていきましょう。

あらすじ

すっかり宗平の家に馴染んだルトガルニコフ中尉とハルカ少尉。その姿は特殊部隊をこなす軍人ではなく普通の女の子で、家ではテレビを見てぐだぐだするなどして過ごしています。そんな中ハルカ少尉のお気に入りのアニメ『マジカルエミル』のコスプレコンテストが開かれました。

『マジカルエミル』の良いファンのハルカ少尉は自慢のコスプレで挑みます。またワガママボディのアリア大佐も加わり仕舞いにはルト達の敵国に属するシャチーロフ軍曹も乱入することになるのです。果たしてコスプレコンテストの優勝商品「マジカルスターロッド」を手に入れるのは誰なのか。

降りしきる雨の中現れた美少女に突然銃を突きつけられる宗平やプールに降下作戦をして怒られるルトなど見所満載の4巻となっています。ハルカ少尉の水着が流されたりアリア大佐の積極的なボディタッチもあるので紳士諸君の期待は裏切られないでしょう。

感想

舞台設定を柔軟にすることで話のバラエティーが豊かになった!

『みりたり!』はいわゆる日常系の漫画ですが、本巻では舞台をころころと変更していく作りとなっています。日常系と言えば同じ場所で同じような毎日が繰り返されたり、多少場面を変更するだけで基本となる舞台設定はそうそう変わらないものです。ですが本巻ではコスプレコンテストへ行けばプールにも行きますし、戦車の中やネトゲの世界にまで行ってしまいます。これまでほぼ場面と言えば家の中だった本作において意欲的な試みと言えるでしょう。

恐らくこうしたいくつもの舞台設定を用意することは難しいはずです。同じ舞台を流用することができず、1から環境を作ってあげなければ話が回りません。ですがそれだけの苦労をした結果は目覚しいもので、これまでの『みりたり!』とは一味異なる印象を読者に与えてくれています。より活発に動くキャラクター達は見ているだけでも楽しいですし、場面場面に応じたセクシーな衣装も着てくれるので紳士としては見逃せません。やはりエロは偉大で、描写されるたびにありがたいものです。

特に意外性があったのがネトゲを舞台とした話です。ルトは日本に来てぐうたらしているだけかと思ったらネトゲに嵌まりに嵌まり結構な上級者となっていました。そしてネトゲのギルドを舞台とした共闘、反乱などを描いているのです。ネトゲ中毒者と呼んでも良いような存在となったルトが一体どうやってネトゲと縁を断つのかは大きな見どころとなっています。このように様々な舞台設定があるおかげで今までよりもよりストーリーがバラエティ豊かなものとなっているのです。

日常性を薄めシチュエーション重視になることの功罪

舞台設定を頻繁に変更するということは日常性が薄まるということになり、舞台設定中心の話が展開していくことになります。舞台がいつもと違うのにいつも通りの話を展開することは難しいわけです。そのためどうしてもシチュエーションに話は引きずられて行きます。違う言い方をすれば「特定のシチュエーションをテーマとしていつものキャラクターが活躍する」となるでしょうか。こうした状況になるとキャラクター描写は難しくなり、いわゆる「あるある」なネタが多くなるのです。

例えばハルカ少尉の水着が流されるというのは萌え漫画の定型のようなもので「あるある」と言えるかもしれません。ですがありふれた展開だからといって『みりたり!』を攻めるのはお門違いです。水着が流された後の展開を見てみれば分かりますが、きちんと『みりたり!』らしいものに仕上がっています。というかむしろハルカ少尉の表情をよくご覧下さい。最高ですね。つまるところ、良くあるお話でもそっくりそのまま描くのではなく、その作品内で解釈すれば十分に読者をひきつけることは可能というわけです。

巻ごとに舞台設定を変更したり本巻では舞台設定を頻繁に変更したりと、日常系萌え漫画特有のマンネリと『みりたり!』は戦っているような印象を受けます。そして本巻での試みは成功していると言えるでしょう。もしシチュエーション中心の話を読んで「ありがちだなー」と思ったのならその先をよく見て下さい。そこには『みりたり!』の世界だけでしか味わうことのできない芳醇な萌えが隠されているのです。萌えというのは自ら手に入れるぐらいの気概を持って入手したものほど強く輝きます。

どのキャラクターにもある唯一無二の魅力

女の子が色々な事をする光景というのは最高です。現実では色恋沙汰1つ無い荒涼としたウェイストランドが広がっていたとしても『みりたり!』世界の中では色んな女の子が色んな魅力を発揮しています。本巻ではそんな女の子達の魅力が詰まっているので存分に楽しむことができるでしょう。これまでセクシーな描写の無かったルト中尉。好意を寄せる相手というよりは親戚の女の子という感じでしたが、ある話で首輪をつけられてしまうときに彼女の新しい魅力が開花します。

首輪をつけられて羞恥心でゾクゾクしてしまうルト中尉はとても…たまらないものがあります。それまで一切そういった描写の無かった彼女が見せたナイスな描写です。オチはいつものルト中尉という感じですが、ここで見せた一瞬の表情はただただありがたいとしか言う他ありません。また、先ほどから述べているプールでハルカ少尉の水着が流されるという出来事ですが、この場面で恥ずかしがっているハルカ少尉もプライスレスです。感謝の正拳突きをしないではいられません。

それから何と言ってもアリア大佐です。アリア大佐は宗平の事が好きで好きでたまらないので積極的にどんどんアタックしていきます。一度本国への帰還命令が出されたときは余りのショックで狼狽したりしていましたが、クラコウジア軍の雑誌の巻頭カラーを飾るピンナップ撮影のときに宗平へ体をこれでもかと言わんばかりに押し付けてくるのです。恋する乙女の激しい猛攻に宗平はなすがまま、積極的過ぎる女の子の魅力がよく描かれています。『みりたり!』に登場する女の子は誰もかわいらしいのでつまり最高ということです。

まとめ

本巻は場面設定を頻繁に変更するという手段で内容を豊かにすることに成功しています。シチュエーションをテーマとしているためあるある系の展開が多くなりますが、それぞれきちんと『みりたり!』的解釈が施されているので楽しく読むことができるでしょう。もし「あるある」と思ってそこで評価を下げるのはただただもったいないことなので良く読み込んで欲しいところです。かわいいキャラクターが色々な舞台設定に登場するという時点で感謝しかありません。

それからついにルト中尉にセクシーな描写がされたことはひょっとしたら大イベントと言えるかもしれません。それまでカラーイラスト以外では性のにおいが何一つしなかったルト中尉の羞恥心に溢れた表情はレアそのものなので、この場面を楽しむためだけに本巻を手に入れる価値はあるでしょう。ただ本当にルト中尉のそういった描写は珍しいので明確なセクシー描写は以降もされていません。ですがある理由で目隠しをして椅子に縛り付けられている様子はアブノーマルなものだったりします。

実のところ、アブノーマルな性癖は本作の全体を通奏低音のように流れているように思えます。露出、羞恥、マゾ、サドなど、そっくりそのままそういった要素を描くことは稀ですが通常の萌えとは異なるセクシー描写が多いのです。言うなればアブノーマル萌えといったところでしょうか。特に羞恥は素晴らしいですね。羞恥心に悶える女の子さえ居てくれればそれで満足、人生が満ち足りるという紳士諸君にとって『みりたり!』第4巻は必携です。『みりたり!』の中でも実にありがたい巻となっています。

オススメ度
★★★★★★★★★☆ ★9

記事担当:くもすい

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