現代とは異なる高度に科学が発達した世界…そこでは現実世界を平行世界(パラレル)と呼び、現代社会の生きる気力を無くして倒れかねない人達を、電力を生きる気力に変換して充電する装置「リフレッシャー」を使用して、回復させることを事業とする「ネオジム総合充電社」という会社が存在していました。

その会社に勤め充電する業務を担ったOL達、通称:充電ちゃんと呼ばれる彼女たちが、我々の世界であるパラレルに赴き今日も人知れず気力が減退した人々を充電して回っているのでした。互いの世界の物理法則の違いのよるものか、パラレルでは彼女たちは物理的な干渉を受けにくく、自由に空を飛べたり壁を通り抜けることも可能だったのです。

そんな彼女らの内の一人「ぷらぐ」は現実世界の協力者「閃登」と出会い、同僚である「アレスタ」と共に要充電対象者をそれぞれの方法で見つけ、対処していく内に3人とも今までの充電ちゃんのやり方に疑問を持っていくようになっていくのでした。

あらすじ

第2巻はバンド仲間と合流して打ち合わせをする閃登目線から始まります。遅れてきたバンド仲間の一人「貴志」をストーキングするがごとく壁を通り抜けてきたぷらぐを、恒例の挨拶(?)になりつつある、バットでフルスイングして打ち落とす閃登。フィクションの存在であることが分かっていてもまるで蚊やハエの様な扱いを受けるぷらぐが可哀想でなりません。

対象のことをよく知り、適切なタイミングで充電することで効果が高まることを確信しているぷらぐは、閃登にストーキングで知った貴志の家庭の事情を話します。それを知った閃登はバンド仲間を救うため自らそのタイミングを作ろうと志願し、みごとその状況を作り上げることに成功し、ぷらぐも閃登に感謝するのでした。

そんな感じ会うたび会うたび、バットで殴られたり悪態をつかれながらも様々な形で自分を助けてくれた閃登に深い興味を抱き、ぷらぐはより閃登という人間を知ろうと徐々に近づいていきます。感謝の気持ちという単純な動機だったのですが、彼に近づくにつれこれから大きく事態が変わっていくことになるのです。

感想

閃登とアレスタと初顔合わせと設定解説

すっかり協力関係を築きつつある「ぷらぐ」と「閃登」。お話として「要充電対象者」に充電するというのを1話毎に繰り返しても漫画的には成立するのですが、間間に後日談的なエピソードが入っていて飽きさせない話の展開になっているのが良いですね。2巻では1巻で充電した閃登の父と妹はこねの後日譚、そして萌え系アニメや漫画のお約束である水着回(充電エピソードであるもののオチはややギャグ風味)、そしてアレスタと閃登の出会いが描かれます。ちなみに閃登はアレスタにもバット殴打の洗礼を浴びせてくれます。

今までノリで叩かれていたぷらぐですが閃登がアレスタと出会った際事情を説明するという形で、アレスタも含めて「何故か充電ちゃんを視認できる」こと、「自分が触れた物なら本来触ることが出来ない人工物でも充電ちゃんに干渉できる」こと等を読者にも設定及び伏線として解説しています。またここで「生物・自然物なら充電ちゃんは触れられる」といった説明があり、今までぷらぐが人間にぶつかったり、踏まれたりした場面の整合性も語られているので、おや?と思っていた私も納得することが出来ました。

そしてお色気漫画を得意とする作者の面目躍如とも言うように、1巻では少なめだったサービスシーンが2巻では随所に盛り込まれています。水着回、閃登の妄想の中のスクール水着姿のはこね、スタイル抜群のアレスタが魅せるインシュレータースーツ姿の「乳尻太もも」(ぷらぐは胸が控えめなのでインシュレータースーツでもあまりサービスには…)。要充電対象者の女の子のあざといパンチラと良い目の保養になることは作者に代わって私が断言しておきましょう。

キャラ描写と行動にちぐはぐ?唐突すぎる展開

水着回で要充電対象者と判定された典型的オタクの男性が美少女フィギュアを手にナンパ(?)を繰り返しているのですが、充電の切っ掛けを作るために近づいた閃登は、男性の大切な美少女フィギュアを迷わず海に投げ捨てます。まぁやや不良気味の閃登君という設定から特別奇異な行動でもないのでしょうが、大切な物を躊躇無く投げ捨てる様はその後描かれる人の機微を察知する能力を発揮する閃登君となかなか繋がってくれません。人の心情が分かっていてそのような行動をとるということ自体に嫌悪感を持つ人もいるかもしれません。

閃登がその後アレスタと出会うのですが、いきなり殴りかかって以降も適当な扱いをするぷらぐとは対照的にしっかりしているアレスタには礼儀正しく振る舞います。このあたりも閃登の行動基準が定まっていないように感じられて、読者としては少し戸惑ってしまいました。あとアレスタに自分の持っている特殊な性質(充電ちゃんが見える、充電ちゃんに触れられる、持っている人工物も干渉する)といった説明の後、それらしい話の展開もなく閃登とアレスタの突然要充電者の捜索対決になるところも唐突すぎて、私のようについて行けない人が出るかもしれません。

そしてぢたま某氏の本領とも言える「失禁や放尿シーンの描写」で一番最初に描かれたのが「オタク男性が強面の閃登にビビって失禁」でした。何が悲しくて萌え漫画の中で男性の失禁シーンが見たいのかと!多分描いている本人も男性の台詞を借りて「男の失禁シーンなんて萌えるワケないじゃん!」と漫画内に書いているとおり不本意だったのは疑いのないところです。その後の話でぷらぐとアレスタが閃登にバットで殴られたシーンで失禁している「らしい」描写が見られたので私は許しました(笑)

2巻最後のシリアス展開、ぷらぐの信念による行動

なんだかんだと書きましたが、充電エピソードとそれぞれのキャラクターを深めるエピソード、そして読者サービスもちょうど良いバランスで描かれているので基本的には話はマンネリにならず、楽しく読むことが出来る巻でした。そしてこれから話が進行して行くにつれ必要になっていく設定の説明などもアレスタ加入といったタイミングで自然になされる展開などは物語性の高い漫画を描いてきたぢたま某氏の手腕が遺憾なく発揮されていると思います。

1巻では少なめだったサービスシーンも十分に配されており、読者の目を楽しませてくれます。コミック書き下ろし用カラーイラストはインシュレータースーツ姿で胸から下を全部剥いたアレスタがコンセント型のリフレッシャーで大事な部分だけを隠して顔を赤らめている姿が描かれていて、非常に「えっちなのはいけないと思います」と某メイドさんがいわんばかりの素晴らしいイラストになっています。この本編と全く関係ないイラストがコミックス内で間違いなく露出度が高く毎巻の楽しみになるのは請け合いです。

そして漫画に最後に収録されているお話は突然シリアス展開になります。ネオジム総合充電社の会議から始まり幼い子供が要充電対象者になったにもかかわらずその子供が充電を生来的に受け付けない性質のためサンプル調査のために専用機材を開発し、アレスタが「救助」でなく「専用装備の実験」をおこなう任を負うことになります。ドライで論理的なアレスタは会社の仕事と割り切りますが、それが出来ないぷらぐはなんとかその少年を助けられないかと、アレスタを強請って自分がその仕事を受け持とうとするのです、果たして少年は救われるのか?その内容は2巻を購入してお確かめ下さい。

まとめ

2巻では充電ちゃんが所属する「ネオジム総合充電社」やそこに所属するぷらぐやアレスタを含めた「充電ちゃん達」が改めて末端の社員に過ぎないことをアピールし、それを統括する上司の存在さらにその上司がつぶやいた「漏電ちゃん」というワードを持って次巻に期待を膨らませるようなエピソードで終わっています。またアレスタが閃登にバットでフルスイングされたことで目覚めた性癖(?)も今後どう発展していってしまうのか楽しみで…心配でなりません。

ぢたま某氏は「まほろまてぃっく(作画担当)」「ファイト一発!充電ちゃん!!」「Kiss×sis~弟にキスしちゃダメですか?」と出しているコミックがことごとくアニメ化されており、内容と作画のクオリティの高さからも評価されている漫画家さんとなりつつあります。私自身は「聖なる行水」の頃からのファンであるので、こうして有名になっていったのは非常に感慨深いものがあります。連載時期の重なったKiss×sisより、私は物語性の強いファイト一発充電ちゃんの方が好きなのでこうしてお勧めしている次第です。

急転直下で物語が進行せず、徐々に伏線を張っていき少しずつ回収していく読んでいてちょうど良いペースで進んでいく充電ちゃんシリーズは、私の中で確固とした「隠れた名作」の地位を確立することになっていったのですが、内容と露出の高すぎるコミック版書き下ろしカラーイラストのせいで、知人などに表立って紹介することは絶対にできない作品でもあるのです(笑)私のレビューを読んで気になった方は、是非新刊でも中古でも良いので2巻までは買ってみて読んで欲しいなと思っています。

オススメ度
★★★★★★★★★☆ ★9