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背の高い大きな女の子はお好きですか?「富士山さんは思春期」は「漫画アクション」で連載され、背の特別高い中学生の女の子富士山さんと背の低い中学生の男の子カンバの恋愛青春模様を描いて話題になったラブコメ作品です。作者は現在「猫のお寺の知恩さん」でブレーク中のオジロマコト先生です。

ヒロインの中学二年生、富士山牧央(ふじやままきお)は身長181センチもありますから、そこらへんの大人の男の人よりも大きいです。背の高い女の子ってどちらかというと学生時代はからかわれ気味でしたよね。萌えという視点からも、小柄な女の子のほうが好きな方のほうが多いと思います。大女は嫌いだ!見たくない!ええ、わかりますとも。

だがしかしっ!それは「富士山さんは思春期」を読んでからにして貰いましょう。作者の富士山牧央への偏執的と言いますか、フェティシズムと言いますか、徹底的な描写を見てからにしてもらいましょう。小柄な女の子ではもう満足できなくなっている自分に気付くことでしょう。

あらすじ

身長160センチの中学二年生上場優一(カンバユウイチ)は身長181センチの富士山牧央に「俺たち付き合わね」と言ってしまう。富士山さんの答えは?(第1話)バレーボール部の倉庫でカンバは富士山さんと一緒になる。(第2話)

カンバは富士山さんと携帯番号を交換しようとするが、なんと富士山さんは携帯を持っていないのだった。(第3話)カンバと富士山さんは神社で待ち合わせをして話をする。富士山さんが制服の下に着込んでいたものとは……。(第4話)花火大会の待ち合わせをしたいけど、富士山さんは携帯を持っていない。カンバが思いついたいい目印になるものとは一体?(第5話)

プールでも富士山さんの大きさはよく目立つ!(第6話)祭りで富士山さんを見つけたカンバは二人で金魚すくいをする。(第7話)打ち上げ花火を見ていたカンバだったが、富士山さんと手が触れ合っていて……。(第8話)

感想

新感覚巨女ヒロイン富士山さんの魅力に溺れよ!

萌え漫画のヒロインにはある程度パターンがあります。巨乳、ツンデレ、ロリ、母性、スレンダー、いい肉付き……。そういう属性もある程度の範囲の中におさまっていて、著しく外れると読者からそっぽを向かれてしまいます。大女?論外です。最近の漫画で大女でヒットしたのは進撃の巨人ぐらいじゃないですか(違う)。「富士山さんは思春期」のヒロインは中学二年生で身長181センチある大き過ぎる女の子です。ギャグ調で描くならありかもしれませんが、この作品はリアル調に人物を描いています。

一般の人達の趣味から外れたヒロインを描くってことは凄い冒険なのですよね。ところが作者のオジロマコト先生は貫いた。「大きい女の子は素晴らしい」「大きい女の子はかわいい」「大きい女の子お尻の素晴らしさはいかんともしがたい」そうした強い衝動に突き動かされて描かれているのがよくわかるのです。富士山さんのビジュアルは、「よつばと」の風香をもっとでかくした女の子をイメージするとよいでしょう。時折使われる漫画表現から、あずまきよひこリスペクトがあると思われます。

中学生女子でこれだけ身長が高いとからかわれたり、いじられたりするものですが、それに対する富士山さんの反応が素敵です。自分は大きい女の子だとちゃんと認めているのですよね。彼女が身長に対してどれくらいコンプレックスを抱えているかは1巻ではそこまで読み解けませんでした。というのも、この漫画は富士山さんに関してはモノローグを使わず表情だけで表現するという高度な縛りをもうけているようだからです。僕は1巻を読んで大きな女の子は素敵だと思いましたね。特に尻。だらしない大きな尻。オジロマコト先生はこの尻を描くために漫画を描いているのだ!そう確信させられました。

ストーリーが面白いマンガではないのです

「富士山は思春期」はかなり独特な間を持った漫画です。はらはらドキドキのストーリーを楽しむものではありませんし、ラブコメも急展開に度肝を抜かれたりするような感じではありません。やっぱり、思い浮かぶ時間の流れや空気感は「よつばと」なのですよね。各話のあらすじを書いてみたのですが、「プールに入った」「金魚すくいをした」「富士山さんが携帯を持っていなかった」「神社で待ち合わせをした」とか一言で済んでしまうような話が多いです。

過剰な説明は一切しませんし、富士山の内心がモノローグで語られることもありません。これってハードボイルド小説の文体に似ているんですよね。内心は書かずに、全て行動で表現していくというものすごくストイックな小説作法のことです。日常系と言いたいところですが、流行の「きらら日常系」の世界観とも全然違いますね。似た雰囲気の漫画を思い浮かべるとやっぱり「よつばと」なんですよね。とは言っても「よつばと」ともかなり違った描き方がされています。

「よつばと」もかわいい女の子達が登場する萌え漫画ですが、あの漫画から感じられるエロスってものすごく健全な感じがするのですよね。「富士山は思春期」も多くのシーンは健全なのですが、富士山さんをねちっこく描くことが多くて、パンチラ、ブラチラ、上尻チラ……と富士山さんのフェティシズムな魅力をこれでもかっていうくらいに描写しているんです。富士山さんのそこはかとないエロスを楽しむべきなのか、富士山さんとカンバの甘酸っぱい青春劇を楽しむべきなのか、一巻の時点では僕も楽しみ方に迷ってしまっています。まぁ、どっちも楽しめばいいんですけどね。

富士山さんとカンバの関係性は?

富士山さんがでかくて、カンバが小さい男の子なので凸凹コンビのカップルということになります。富士山さんが恵まれた体を持ち過ぎていて高校生ぐらいに勘違いしてしまうのですが、二人とも中学二年生なんですよね。女の子の付き合っているとからかわれるような年頃です。それも、大女の富士山さんと付き合っているだなんて周りに知られたら物凄く恥ずかしいと思っているのですよね。だから、カンバは富士山さんと付き合っていることを内緒にしているんです。女の子としてはちょっと嫌かもしれませんね。

そもそも、カンバは富士山さんではなく学園のマドンナ青木恵子を狙っていたのでした。(盗撮的な意味でだけど)だけど、なんだかんだあって流れと勢いで富士山さんに「お俺たち付き合わね?」と言ってしまいます。で、富士山さんの答えなのですが即答で「いいよ」なのでした。富士山さんの内心が語られないのでよくわかりませんが、前からカンバのことをいいと思っていたのでしょうか?流れで告ってしまったカンバのほうが驚いてしまっています。

カンバは第一話で富士山さんの容姿の魅力と、内面の魅力にやられてしまっています。もう目が離せない状態なんですよね。気になって気になって仕方がない。でも、一方で大女を好きになるなんて特殊な趣味のやつだとか、一般的に背の高過ぎる女の子が男性に好かれないという常識との間で葛藤することになります。この漫画が一体どういう方向に進んでいくのかを僕なりに予想してみると、「カンバが自分が富士山さんが好き過ぎるということを自覚して、それを堂々と言えるようになるまでの物語」になるのではないかと思います。

まとめ

「富士山さんは思春期」を読んでまず思ったことは、作者のオジロマコト先生、滅茶苦茶絵が上手いということです。絵の上手さにも色々あって、「ワンピース」的な絵の上手さと「スラムダンク」的な絵の上手さは全然違います。オジロマコト先生の上手さはスラムダンク的で、リアル調で上手いのですよね。アフターヌーン的と言いますか、美大出身漫画家的と言いますか……。そして、調べてみて驚いたのですが、オジロマコト先生は女性なのだそうです。

富士山さんの尻やら乳やらへのフェティシズム溢れる描き方から、てっきり僕は男性漫画家さんだと思い込んでいました。確かに男性キャラの描き方を見ると女性漫画家の可能性も考えられるのですが、これだけ執拗に富士山さんの尻を描く人が女性だとはおみそれしました。昔は男性漫画家はこういう作品を描く、女性漫画家はこんな作品を描くと分けることができていましたが、今の時代ではわからなくなってきています。推測だけで漫画家の性別の話をすると痛い目を見る時代ですね。

さて、タイトルに「思春期」と入っていて恋愛や性の目覚めが一つのテーマになると思うのですが、富士山さんとカンバは一体どこまで進むのでしょうか?一応、中学二年生ですから、セッ○スまではいきませんかね。少なくともキスはするとは思うのですが、それはどのくらい先のことなのでしょうか?1巻では富士山さんの一人ヒロイン状態でしたが、2巻以降、カンバを惑わせるような新ヒロインが登場するのでしょうか?それとも学園のマドンナ青木さんとの接触が生まれる展開になるのでしょうか?富士山さんの尻描写に注目しながら次巻に進みます。

オススメ度
★★★★★★★★★☆ ★9

記事担当:カオス

主に青年誌のラブコメ・エロコメを好む30代男子。「変女」推し。

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