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その圧倒的”尊さ”は二巻も健在!白くて華著で大人っぽい女子小学生”柚子森さん”こと柚子森楓と、彼女の一挙手一投足に翻弄され悶絶し続ける女子高校生”野間みみか”の日常を描いた漫画『柚子森さん』の第二集となっています。

嵐をも乗り越えた柚子森さんとみみかの関係は止まること無く、ノーブレーキで突っ走っていきます。そのぶっちぎり度合いは見ていて快感なほどで、見ているこちらが振り落とされそうになるほどです。その大胆な展開は止むことがありません。

突き進んでいく二人、果たしてその行く末はいったいどうなるのか…?それが大いに気になる所ですが、柚子森さんとみみかのドキドキとするような関係性は、二巻でも大いに享受することができます。ありがたいですね。

あらすじ

雷がとにかくダメな野間みみか。嵐の夜が到来して駄目駄目になりかけたところで、救いの手を差し伸べてくれたのは柚子森さんでした。柚子森さんはその小さい手をみみかに差し伸べて、雷の恐怖が和らぐように、優しく包み込んでくれます。

その”嵐の夜”・”ふたりきりのみみかと柚子森さん”という構図の上に更に柚子森さんがみみかを優しく包み込む光景は非常に有り難いものでした。そんなこんなで嵐の夜を(主に柚子森さんのおかげで)乗り越えられたみみかと柚子森さんでしたが、そんな二人に待ち受けるのは新たなる刺客が……?

そんな二人の前に現れたのはみみかの幼馴染で、”しーちゃん”こと志摩 栞でした。しーちゃんはみみかがたいそう惹かれている柚子森さんに興味を抱いているようで……? 3人目の登場にいったい二人の関係はどうなってしまうのか?

感想

更に突き進んでいく二人の関係性

二巻冒頭、嵐の夜のシーンはこの作品では比較的珍しい前後編となっていて、それまで急激な速度を持って進んでいたこの物語が、いったん立ち止まるのです。そこでゆっくり、じっくりと二人の関係を魅せます。雷に怯えて毛布に包まる野間みみか、そんな彼女の恐怖が和らぐように、その小さい手で優しく、耳を抑える柚子森さん。このシーンがまさに『柚子森さん』における柚子森楓と野間みみかの関係性を示しているシーンだといえます。

その折、柚子森さんがみみかに向けて発した言葉に胸がいっぱいになって、涙をぽろぽろこぼしてしまうみみか。その姿が真に迫っていて、胸を打たれてしまいます。そんなみみかの姿を見て、改めてみみかを優しく包み込む柚子森さん。その光景はとても幸せなもので、この時間がいつまでも続けばいいのにな、と思わされてしまうこと限りなしです。二人がとても魅力的に描かれているので、二人が生き生きとしているだけで幸せに思えるのです。

そうして、二人の関係性はひとつの到着点を迎えたかのように見えるのですが……ここで新たな刺客、”しーちゃん”こと、みみかの幼馴染で親友の志摩栞が戦線に駆け込んできます。彼女の登場によってみみかと柚子森さんの関係性は……?というのが二巻の重要なファクターであります。この展開も『柚子森さん』らしいアクセル全開・フルスロットルで突っ走ってくれるのです。読んでいて爽快感がありました。この部分に関しては自分の目で確かめて頂きたい。

“大人っぽい”柚子森さんのさらなる一面

二巻では一巻に比べて、柚子森さんが掘り下げられることになります。大人っぽく、凛としている柚子森さん。その柚子森さんが抱いているみみかへの思いも、二巻で明らかになるのですが、それがとてもいじらしく、愛おしく感じられます。そして、そんな柚子森さんの思いを受け取ったみみかは、これまで通りのヘタレで意気地なしで、柚子森さんに翻弄され続ける女子高校生ながらも、柚子森さんを守ってあげよう、という気持ちになるのです。

そう、柚子森さんはあくまで小学四年生なんですよね。頼りになるけれど、やはり物理的に小さいし、それを抜きにしてもどこか守ってあげたくなる、そういうことなのです。基本的には柚子森さんにリードされる高校生のみみかですが、ここぞというときは立場が逆転する……のかもしれません。今はわかりません。また、本当に作中でそのときがくるのかはわかりませんが、柚子森さんとみみかの関係性のひとつのファクターとなるのでしょう。見守りたいです。

柚子森さんとみみかの感情の揺れ動き方がとても丁寧に描かれており、どちらも懸命に生きているのでとても応援したくなります。二巻で描かれる、感情が溢れている二人(みみかは一巻から溢れ出しっぱなしでしたが)はとてもかわいらしく、よんでいるこっちまで心を揺さぶられます。本人たちはどう思っているかはわかりませんが、読者からすると、柚子森さんの魅力を引き出しているのはみみかで、みみかの魅力を引き出しているのは柚子森さんだ、と思わされます。

核心をついていく展開と小気味良いコマ割り

漫画を読んでいて、あっこの作品はこのテーマを描いているな、と感じることってありますよね。そんなときってその”テーマ”なら避けられない物語上のお題目ってあると思うのです。恋愛なら……告白とか。この『柚子森さん』はそのテーマに対するお題目に対して、どんどん核心をついていく展開を繰り広げてくれるのです。この漫画を読んで「えっそこまでいく!?」と何度思わされたことか思い出せません。それくらいガシガシとアクセル全開で進んでいく漫画なのです。

二巻では更にそれが顕著です。あまりにも爆弾展開がおおいため、自分の目で確認してほしいという考えのもと、あまり内容を書き連ねることはしませんが、そのフルスロットルで轟音を鳴らしながら突き進む物語は、とても爽快感をもたらしてくれます。そしてこの漫画は読者の(ここはどうなるのかしら?)という予想・期待に答える形で、更にその上をとんでいくような展開をもたらしてくれるのが素敵です。この展開でもついてきてくれる、と読者を信頼しているということでしょう。

そしてその突き進む展開を支えるのが、この作品ならではの小気味よいコマ割りです。じっくりと描かれる部分はじっくりと細かいコマで描写し、テンポよく突き進むところはテンポよく大きなコマでガツーンと突き飛ばす。こうなると、読んでいて次のページがどんなコマになっているのか全く予想がつきませんし、また、読んでいて飽きさせない仕組みにもなっています。二巻中盤でもコマ割りに意表を突かれ、「やられた!」と膝を打たされました。

まとめ

『柚子森さん』は一巻もとても勢いのある漫画でしたが、このペースでどこまでいけるのか?と思うところがありました。しかし、二巻でさらに物語が加速しており、恐ろしさあさえありました。二巻はひとまず、物語上はとても綺麗に終わるので、とりあえず一巻二巻を一セットにして読んでみてほしいという気持ちがあります。とりあえずここまで読んで!というやつです。二巻だけだから勧めやすいですね!二巻まで読めば二人のドキドキするような日常が手に入るのですから。

これまで散々、物語に勢いがある!とか述べてきた身で恐縮なのですが、やっぱりこの作品はとにかく柚子森さんとみみかが魅力的で可愛らしいところが強みなのだとおもいます。可愛らしい絵柄で描かれる柚子森さんとみみかの生き生きとした日々は私達の日々にも潤いをあたえてくれます。自分としては、しーちゃんも好きなキャラクターだったので、二巻でスポットライトがあたったことが嬉しいです。そんな人、他にもいないでしょうか?

二巻はあまりにもハラハラドキドキするような展開が多かったですが、ひとまずの物語は二巻で色々と一段落した感もあり、逆の意味でこれからはいったいどうなっちゃうんだろう?と思っちゃいますよね。けれど、これからも柚子森さんとみみかがドキドキと尊い日々を過ごしてくれるのなら、こちらとしてはそれだけで幸せなのかもしれません。現実の日々を過ごすなかでふと、こんなとき柚子森さんとみみかはどうしてるだろう?と思いを巡らせるのもまた幸せだと思うのです。

オススメ度
★★★★★★★★★★ ★10

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