秘密のレプタイルズは、少し変わったペットを題材にした漫画です。ペットと聞けば、犬や猫や鳥などが思い浮かびますが、この漫画では爬虫類や両生類などの珍しいペットが取り扱われており、その生態や飼い方などが詳しく紹介されています。

トカゲや蛇やカエルはどちらかと言うと嫌悪感を持っている人が多く、受け入れられ辛い生物です。普通に見たり触ったりするのはもちろん、ペットとして飼うなんて以ての外。残念ながらそういった意見が多くを占めてしまうでしょう。

1巻では色々な動物の紹介や、飼育方法まで詳しく説明されており、元々興味がある人は飼いたい欲が更に強くなりそうです。先程言った否定的な周りの目に対するストーリーも描かれているので、すごく濃い内容になっています。

あらすじ

外回り営業の最中、上司の無茶な要求にやる気を失った海原入鹿は、ペットショップ「アニマーレ」で一風変わった女性店員の長良永と出会います。爬虫類を心から愛している彼女との出会いが、入鹿の運命の歯車を回し始める。

そんな長良からペットとしてメジャーな犬や猫を勧められる訳もなく、トカゲや蛇、カエル、亀などの珍しいペットを紹介されます。最初は嫌がっていた入鹿もそれらのペットと触れ合っていくうちに良いなと思うようになります。

長良から「最強のカード」であるレオパードゲッコーを紹介されます。長良に勧められるがままに餌を与えてみた入鹿は「可愛い光線」に撃ち抜かれてしまい、そのまま購入することに。これを皮切りに、入鹿のペットライフが始まるのです。

感想

ようこそ、魅惑の爬虫類の世界へ

漫画作品でまず目が行く所は絵ですが、この作品はクセの少ない絵なのですごく読みやすく、動物の絵も気持ち悪さが一切ないので苦手な人でも気にならないのではないでしょうか。登場人物の個性が強く、長良さんや純白さんといったペットショップ店員達がただの動物紹介要因としてだけではなく、ギャグ要員でもあるので、すごく上手くキャラクターを活用して面白いです。キャラデザインもすごく好みなのでこれからの新キャラにも期待しています。

詳しすぎる程に色々と説明が書かれているので、まるで図鑑や入門書を見ている気になってきます。爬虫類については漠然と可愛いなとは思っていましたが、爬虫類を飼育するという考えはありませんでした。この作品を読んでいると自分も飼ってみたいと思えてきます。そう思えるのは作者の動物愛が伝わってきているからでしょう。実際に作者の方も色々な動物を飼っているらしく、その経験が作品の説得力に繋がっているのだと思います。

入鹿に様々な動物を勧めて物語の進行役になっている長良さんですが、初登場時は冷たい表情だったので、無感情タイプのキャラクターなのかなと思いましたが、実際は事ある毎に顔芸を晒すおもしろヒロインでした。1巻だけでも喜怒哀楽の表情はもちろん、アヘ顔やギャグ顔など何でもありなので見ていて飽きないです。長良さんのスタイルが良いのと着ている服のせいで若干のエロさを感じるのも見る人にとってはポイントではないでしょうか。

実際の飼育はそんなに簡単ではないのでは?

この作品を読んでいると、それはもう作者の動物愛がこれでもかというくらいに伝わってきます。そしてこれを読んで実際に飼い始める人も中にはいるのでしょう。それは非常に良い事だとは思いますが、読んでいて少し不安材料になる疑問を感じました。レオパードゲッコーを紹介している時に、虫が苦手な人でも人工餌があるから大丈夫だというシーンがあります。私も興味が湧いたので、このグラブパイという人工餌について少し調べてみました。

すると、問題なく食べる個体と人工餌に慣らそうとしても全く慣れずに食べない個体がいるとの事。もし人工餌を食べない個体だったら結局虫を与えなければならないようで、そうなった時に虫嫌いの人はしっかりと飼育できるのでしょうか。購入時に店員さんにしっかりと確認すればそのリスクは回避できるのかもしれませんが、作中ではその事についての注意書きはありませんでした。ペットにとって餌は欠かせない非常に重要な物ですから、しつこいくらいに書いてほしかったです。

爬虫類を紹介する上で、飼育方法とメリットはこれでもかと伝えているのに、上記した餌の件はあからさまなくらい簡素でした。なので違和感がより際立ってしまっていて、重要な注意点を隠しているようにも見えてしまいます。明らかにマイナーペットを布教する目的が感じられ、飼育を始めろオーラも凄いのでメリットを語ったら同じくらいのデメリットも語ってほしいです。蛇足ですが、グラブパイを調べていると、実際に食べている動画があったので見ていたら、危うく可愛い光線に撃ち抜かれそうになり、即決した入鹿の気持ちが理解できました。

1巻でまさかの登場ロリ長良さん!

色々な意味で残念な長良さんですが、見た目は美人です。そんな長良さんのロリバージョンが早くも登場しました。と言っても過去の話は、爬虫類が周りからどんな目で見られるかを描いたものなので、素直に楽しめませんでしたが・・・。確かに嫌われ者のペットがバレたらこのくらいの嫌悪感は示されるのかもしれませんが、あまり現実的に感じませんでした。子供とはいえ女子がトカゲやカエルを飼っているのはさすがにバレないようにすると思いますし、大人なら言うまでもありません。

そう考えると、漫画的な展開の為に用意したベタなストーリーだと思えてしまい、前半の説得力のある動物愛とのギャップもあって、共感はできませんでした。この過去の話は、作者自身の愚痴であるとも受け取れたので、その点も楽しめなかった要因です。しかし、その流れでのロリ長良さんと大人長良さんの泣き顔ダブルパンチの破壊力が凄まじく、それだけでも読んだ甲斐がありました。長良さんは胸に穴が開いている例のセーターを後ろ前に着ていますが、背中の穴から紐が見えないのはそういう事なんですかね?

主人公をはじめ、登場人物にはそれぞれ持ちネタのような物があり、主人公の入鹿はツッコミ、長良さんは親父ギャグ、純白さんは行き遅れ、等です。最初はキャラが濃いなと笑えたのですが、出て来ると必ずのように同じネタに走るので流石にしつこいと感じますね。入鹿のツッコミはしっくりと来ない物ばかりで特に浮いています。動物のウンチクや、知識量には圧倒されますが、その他の漫画的な部分がイマイチというのが1巻の感想です。

まとめ

いわゆる作者の趣味漫画なので、内容は恐ろしい程に濃く、玄人が読んでも納得のいく1冊なんだと感じます。図鑑や入門書を読んでいるかのようだと言いましたが、実際に入門書代わりにするには向かないでしょう。人工餌の件もそうですが、全くの素人やビギナーがほしい情報は、飼育した時の失敗談や先輩のアドバイスです。楽しい部分だけを見せて「簡単でしょ?」と言われていざ飼うと、想定外の落とし穴に落ちるのは目に見えています。

私は文鳥だけですが、12年ほど飼育した経験があり、飼う前に図鑑や入門書を読み漁りました。それでも、飼い始めてからのギャップに戸惑う事がいくつもあったので、漫画という媒体を通じて、素人の目から見ても明らかに入門書には載っていないような情報を扱ってほしかったです。ともあれ、今まで興味が無かった人に魅力を伝えるという点では最高の作品だというのは間違いありません。私も1巻を読んで飼ってみたくなり、色々と調べたくらいですから。

2巻に求めるものは、気になった点が改善されている事と、より珍しいペットの紹介です。マイナーペットではありますが、トカゲやカエル、蛇などは、ペットとして飼われていると認知されている生物でしょう。そんなの飼う人いないだろというような生物や、そもそも存在を知らないような生物の紹介があれば良いですね。作者の圧倒的すぎる知識量や動物愛から、ひたすらウンチクを語ったり、紹介をするだけの方向性でも面白そうです。

オススメ度
★★★★★★★★★☆ ★9