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桐谷さんちょっそれ食うんすか!?は、最近ではよくある食事物の漫画です。主人公が美少女の食事物は、もはや世に溢れすぎていると言っても過言ではありません。しかし本作は、そんなありふれた作品とは一味違います。

料理をして食べるだけの漫画かと思いきや、ギャグ色もかなり強く、どちらがメインなのか分からないくらいのパワーがあります。どこか懐かしい感じの絵柄もその作風にマッチしていて非常に読みやすく、つい読み返したくなります。

桐谷さんは男女からの評判が良い美少女で通っていますが、食への興味が常軌を逸している上に、ギャグ、顔芸、下ネタ何でもありです。ただ可愛いだけじゃないクレイジー女子高生のゲテモノ食生活という新世界を刮目せよ。

あらすじ

桐谷翔子は小さな頃から食用旺盛な女の子。そんな彼女が女子高生になってますます食用旺盛に。ただ食欲があるだけではなく、飼育小屋のうさぎや鶏、爬虫類や虫まで何でも食べようとする、この上ない雑食美少女なのです。

そんな桐谷さんが普通の食材で料理する訳もなく、カエルから始まり、蛇やサソリなどの、普通は食べないような変わった食材を片っ端から食べていきます。教師の榊先生も巻き込んで、部活動として部の設立を企みます。

保健体育の授業で、まさかの食材を食べようと思いつきます。珍しい食材なので、どうやって手に入れるか思案する桐谷さん。そんな中、とある男子がその食材を持っているとの事。迷いなくその男子に交渉に行く桐谷さん。桐谷さんちょ男子からそんな物もらうんすか?

感想

カエルをシメる女子高生は好きですか?

この作品の最大の特徴は、ただの料理漫画ではなく、ゲテモノ料理漫画というところです。芋の茎を加工した食材も出てきますが、基本的には食べたくないような生物が登場します。そして、それを食べたがっているのが女子高生という何ともギャップのある展開。第1話の食材はカエルなのですが、女子高生がカエルなんて見た日にはワーキャー騒いで一悶着があるものですが、桐谷さんは何の躊躇も無く、机の角に叩きつけてシメます。そんな豪快ところが桐谷さんの魅力です。

桐谷さんに巻き込まれる形でゲテモノを食べるハメになった先生ですが。ただのツッコミ要因かと思いきや、味付けのセンスが無い桐谷さんに調味ダレや、食べられる野草を提供したりと、しっかり料理に参加してきます。嫌がりながらも何だかんだで昔なじみの桐谷さんを気遣う先生が、その優しさも相まって、すごく良いキャラクターに仕上がっています。桐谷さんと先生をメインとして話が進んでいくので、2人共に魅力があってとても楽しいです。

そんな2人のテンポの良い掛け合いも、この作品の魅力です。隙あらばボケ倒す桐谷さんに対して完璧にツッコミまくる様子は夫婦漫才のようで見ていて飽きないですね。料理している時もしていない時も常に漫才をしていますが、笑いどころの押し付けのような空気感が無く、丁度良い脱力感があるので、見ていてしんどくなりません。クドクドと余計な演出も無いので、作品の勢いとスピード感が圧倒的で、スラスラ読めてクスクス笑える、そんな作品です。

女子高生という肩書きに期待してはいけない

みんなの憧れの女子高生という設定の桐谷さんですが、現実はゲテモノ食いのクレイジー女子高生なので、正統派を期待していると間違いなく肩透かしを食らいます。絵は間違いなく可愛いいし、食べる時の表情は若干のエロさを感じますが、よくある食べた瞬間に女の子がアヘ顔を晒すような漫画ではありません。風邪で学校を休んだ先生の御見舞に、ホラー顔で汗と涎を垂らしながら現れるような漫画です。それでも、食欲と元気いっぱいの彼女の姿は見ていると元気になれます。

タイトルで少しハードルが上がっている部分があり、読む前のイメージとしては、明らかに誰も食べないようなものが食材として登場するのかと思っていましたが、実際は食用の物ばかりです。カエルや蛇なんかは結構お手軽に食べられるので、食材にインパクトが欠けます。まだ1巻だから抑えているのかもしれませんが、作者がゲテモノビギナーらしいので少し不安が残るところです。しかし、ギャグ作品としても十分過ぎる面白さなので、問題は無いのかもしれません。

虫食くらいのインパクトがほしいなと思っていましたが、1巻ですでにサソリが出ていました。しかし、サソリはあまり虫っぽくないのと、コミカルな絵柄でグロテスクさがなかったので、もう少しパンチが効いたのが見たいです。桐谷さんならどんな虫も平気で食べそうですが、食べるのを嫌がるパターンや、料理したけど不味かったなどの変化球もほしいです。話の流れが毎回同じタイプなので、そういった変化が無いと食の部分に飽きがきてしまいます。

これを見てどうしろと?作者の謎の気遣い

扱っている食材がアレですが、料理漫画なので作る過程の描写がキチンとあります。そして当然と言わんばかりに、材料や調味料の詳細な分量まで載っているので、料理本としてもキッチリと機能してしまっているのです。基本的にゲテモノ料理にも関わらず、当然のように載っているものですから、それ自体がシュールなギャグのようになっており、奇妙な笑いを誘います。しかし好奇心を刺激され、ちょっと作ってみたくなるのも事実なので、若干の悔しさがあります。

レシピが載っているので、実際作ろうとした時に、材料は手に入るのかと思い少し調べましたが、1巻に収録されている分は、ほとんどネットで調達可能でした。一番手に入りにくそうな「ババア」ですら通販があったので、少し驚きです。桐谷さんが作中で、シメ方や、皮の剥ぎ方、捌き方、味と食感も詳細に語ってくれているので、食べられそうな物があれば作ってみるのも良いかもしれません。芋の茎を加工した芋茎はゲテモノではないので、普段から食べている人も多そうです。

1巻での登場人物がちょっと少ないなと感じたので、2巻では新キャラに期待したいですね。しかしキャラクター数が少なくても全く寂しさを感じないのは、桐谷さんと先生のお陰なのでしょう。それに周りも良いキャラをしています。特に桐谷さんの兄は妹以上にぶっ飛んでいたので、再登場が待たれます。そして意外な事に、桐谷さん以外の女性キャラは電話越しと1コマだけ出てきた教師のみです。ムサ苦しさを感じないのは、桐谷さんがほとんどのページに出てきて強烈に活躍してくれるからでしょうね。

まとめ

偶然に無料試し読みで知った作品なのですが、1巻を読んで大正解でした。よくある第1話だけ力を入れているパターンかと思いきや、面白さが途切れることなく最後まで楽しめました。読み終えた後、すぐにまた最初から読み返した作品は本当に久しぶりです。しかし購入する際は必ず試し読みして下さい。読む前に表紙だけを見ると、桐谷さんが割りとまともな人に見える罠があるので、表紙詐欺にあう可能性があります。少なくとも私は試し読みで表紙と中身のギャップに驚きました。

絵柄に関してですが、あまり上手ではないとの評価が出てくると思います。実際そうなのですが、絶妙な芋っぽさと妙に味のある絵で、この絵柄だからこそ面白さが何倍にも増幅されているのでしょうし、変に小綺麗にならないでほしいですね。終始ふざけ倒している桐谷さんは、料理をする時にはポニーテールにするのですが、髪を縛る萌えポイントが高いカットもさり気なく入れてくるのが憎らしいです。登場する食材の味についてもしっかりと取材をしているようなので好感が持てます。

1巻が素晴らしかったので2巻でもこのままの勢いを維持してほしいですね。期待する事は新キャラの登場と、既存サブキャラの活躍でしょうか。学級委員の小清水は1話しか出てきていませんが、かなり面白いキャラクターでした。クラスメイトのトシちゃんは一見地味ですが、クラス内で豚の睾丸を配ろうとしているあたり地味にクレイジーなキャラクターで、肉屋という立場上これからも出てきそうです。新キャラが出るなら、桐谷さんくらいぶっ飛んだ女子が良いです。

オススメ度
★★★★★★★★★★ ★10

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