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兄の嫁と暮らしています。(1) (ヤングガンガンコミックス)

「兄の嫁と暮らしています。」は兄を亡くした主人公と、兄の嫁が同居する話です。非常にセンシティブにキャラクターの心情を描写する一方で、兄の嫁である希の圧倒的な嫁力の高さに中毒症状を越す人が多く、嫁が欲しくなる漫画という側面があるのも特徴です。

すでに主人公の兄が亡くなっているというシリアス展開であり、寂しさや気持ちのすれ違いを提示する場面も多く含まれています。一方で、兄の嫁である希のかわいらしさや真っ直ぐさを描写するシーンが多く、美人で巨乳で素直で頑固とかわいらしさと母性の両立にノックダウンされる人が後を立たないのです。

主人公である志乃の独り立ちしなければいけないというあせりや、危うさも見所です。大人になれない少女らしい脆さや、身寄りがいないという不安の中で希に依存しなければいけないという二律背反が二人の人物像を深く掘り下げます。志乃の学友にも様々な女性キャラが出てくるため、何気に個性的な女性キャラが多いのも特徴となっています。

あらすじ

岸辺志乃は唯一の身寄りである兄を亡くしてしまい、兄の嫁の希と同居生活を続けることになります。ふと訪れる寂しさやお互いに依存してはだめなのではないかという葛藤の中で、二人は日々を過ごしていきます。距離に迷いながら時に近づき、距離を感じる二人の関係が見所の1つです。

志乃の中にあるのは、兄という存在がなくなった以上は希を縛り付ける事はできないという想いです。一方で、希は志乃を通して亡くなった愛しい人の面影を追いかけており、お互いに罪悪感を抱えているのです。そして、その本音を話せない距離感が物語の根底に流れています。

一方で、シリアスな展開がありつつも、亡くなった夫の話題をふられると必ずのろける希の姿は見ものです。恋する乙女そのままを地で行く姿であり、のろけた後に恥ずかしくなって落ち込むことがパターンです。シリアスとのギャップが激しいからこそ、キャラクターの愛おしさが際立つ漫画でもあるのです。

感想

ヒロインの圧倒的な嫁力に萌える

本作の主人公は女子高生の志乃ですが、同時に兄の嫁である希もヒロインという形になります。際立つのは希の圧倒的な嫁力で、家事万能で頭が良く、それを誇示するわけではなく基本的に控えめな姿勢を貫いています。ところが、普段距離を感じている分、志乃に頼られるとかなりの勢いで張り切りだします。スイッチが入ったときの表情の描写も秀逸で、女性であってもかわいいと思えるレベルになっています。女子力を嫌味なところなく引き出したキャラであり、好感を持ちやすいのがポイントです。

希の描写がいやらしくならないのは、彼女なりの心の闇を抱えているからです。とくに亡くした夫への思いが強く、志乃との話題を通して思い出しては喜びつつ、志乃自身を思っていないのではないかと悩んでいるのです。何もないときはいたって平静であり、夫を失った悲しみなどを見せない姿にも健気さがにじみます。一方で、とても頑固で負けず嫌いな部分もあり、しばしばその闇を全く感じさせない幼さを感じさせます。様々な面でギャップが際立つキャラであり、芯の部分がかわいいと思えるのです。

何よりも際立つのは、圧倒的な希の嫁力であり母性です。仕事は教師で、普段から子供の面倒を見ています。仕事は早めにあがってスーパーで特売品を中心に買い物をし、志乃が買える前にご飯を作って待っているというパターンが多くなります。しかも、巨乳で長髪でことあるごとに志乃とスキンシップをとろうとするなど、癒し要素が満載になっているのです。主人公である志乃も希と一緒にいるとだめになってしまうのではないかと危惧している部分があり、是非こんな嫁が欲しいと思ってしまうのです。

キャラクターの体型を含めたメリハリがポイントに

主人公である志乃は兄の嫁こと希に比べてかなり控え目な体系をしています。もともとバレーをしていたこともあり、体が絞られているので、スレンダーな体に魅力を感じる人も目で楽しめるようになっています。体系の差は志乃自身も気にするところで、おまけ漫画を含めてあちこちで触れられているのもポイントです。思春期らしく大人になりたいという思いが強い面もあるため、志乃のかわいらしさや女の子らしさを引き出す上でもポイントになっています。

シリアスになりがちな話をギャグテイストでやわらげてくれるのが志乃の友人たちです。スポーツ万能で頭がいいのに天然という親友キャラが登場し、物語を引っ掻き回してくれます。しかも、なぜかメリハリボディで、そんなに胸が大きくてスポーツ万能でいいのかと思ってしまうキャラクターになっているのです。そういった面でも志乃が胸のサイズにコンプレックスを抱き安環境であり、ある意味同情してしまうようなポイントになっています。

残念系イケメンで、志乃に思いを寄せているような雰囲気がある男性キャラも出てきます。ただし、嫁は2次元にいるような人種で、恋愛ゲームをハードごと志乃に貸すような人物でもあります。結果として、なぜか希がはまってしまい、クリアするまで返さないと駄々をこねるような状況になってしまいます。良い意味で物語をかき回すキャラであり、気の抜けたような思春期らしい現実を持ち込んでくれるのです。今後志乃との関係がどう変化していくかも見物といえます。

否定するのではなく、受け入れるということ

志乃と希の対比がより鮮明になるのが、お互いのスタンスです。志乃は一人でもがんばれるようになりたいと考えると同時に、自分から希を解放したいと考えています。一方で希は志乃を本当の妹のように思っており、大切にしたいと考えています。お互いを大切にしたいと重いながらすれ違っているもどかしさがポイントになっているのです。また、志乃は希の助力を拒否することが多いのも特徴で、頑ななキャラクターや危うさを抱えたキャラに萌える人にはかなりの高ポイントになっています。

希のスタンスは基本的に一貫しているのも特徴です。それは否定するのではなく受け入れるという姿勢です。志乃の意思を尊重する姿勢を明確にしていて、それがゆえに干渉が出来ないもどかしさも抱えています。何を言っても受け入れてくれるのではないかという母性の強さにも通じる部分があり、何事も受け入れる包容力の高さが希の希たる由縁になっているのです。多少無茶振りをしてもフォローのために動いてくれるのも魅力で、嫁スペックの高さに圧倒されることうけあいです。

あるがままの物事を受け入れるという事は、志乃の成長にも当てはまります。物語開始当初は遠慮しあって話せないことが多いものの、話数が進むにつれ志乃の反応もやわらかくなっていきます。それを見ている希の表情の変化も見もので、ヒロイン二人の仲のよさに心温まることうけあいです。ヒロインのどちらに感情移入するかでも乾燥が変わる場合はあるものの、どちらの視点も楽しめるという意味では非常に完成度が高い作品となっています。

まとめ

「兄の嫁と暮らしています。」は非常にシリアスな設定や、センシティブなストーリーが特徴になっています。一方で、その分キャラクターの表情の輝きが目立つ結果になっていて、決して暗い作品とはいえないほど魅力的になっているのです。特に希の考え方や性格は大きな救いで、嫁力や母性を引き立てる結果になっています。希というキャラクターがいなければ、物語はもっと暗く、沈んだものになっていたでしょう。それほど影響力が強く、良い意味でキャラクターがたっているのです。

ギャグとシリアスのメリハリのバランスが良く、随所に笑いどころがあるのも魅力です。日常生活を描きながら、ヒロイン二人の心の成長を描いているというストーリー性も魅力で、続きが気になる漫画になっています。2巻もお互いに気持ちが近づいたり、離れたりといった起伏が生じるため、百合要素を見出す人もいます。ただ、希のキャラのぶれなさは非常に安定しており、時にやらかし、時に笑いに変えたりと、見ていて飽きないのもポイントです。

年齢が若ければ志乃に感情移入する事が増えるはずです。感情移入のためのポイントを多くちりばめているため、大人の視点でも子供の視点でも見ることができます。同時に、他人と家族になる難しさも感じる作品であり、二人のためらいが伝わってくるのも魅力です。キャラクターの心情を丁寧に描いた上で萌えが残るという非常に希少な漫画で、シナリオ性やキャラクター性を求める人におおすすめです。こっそりサービスシーンもちりばめられているため、健康的なお色気に萌える人にもおさえておきたい作品です。

オススメ度
★★★★★★★★★★ ★10

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