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ラブひな(2) (講談社コミックス)

日本におけるラブコメの金字塔「ラブひな」、今回はその第2巻についてレビューさせていただきます。ラブひなは「東大の合格を目指す」という、ラブコメとしては少し特殊な最終目標がある萌え系作品です。主人公の浦島 景太郎は、「一緒に東大に行こう」と約束した幼馴染と東大で再会することを夢見て、日々勉強に励みます。

1巻にて個性豊かな女子たちが暮らす女子寮「ひなた荘」の管理人になってしまった景太郎。最初は女子メンバーによる追い出し計画までくらってしまった景太郎ですが、2巻では女子メンバーたちとも少しづつ打ち解けていきます。ここから先のエピソードでは女子メンバーたちとのラブコメも、東大受験も本格化していくのです。

また、1巻では景太郎が東大を目指す理由として「幼馴染と東大で再会するため」だと説明されていましたが、2巻ではその約束の核心が明かされます。景太郎と同様、東大合格を目指すヒロイン成瀬川 なるもまた、ある人物と「約束」をしていたことが明かされるのですが…どんどん変化する景太郎とひなた荘のヒロインたちの関係性にも注目してもらいたいのがラブひな第2巻です!

あらすじ

祖母から土地と建物の権利を受け継ぎ、女子寮「ひなた荘」の管理人になった景太郎。建物の掃除など、管理人としての仕事をこなしながら、寝る間も惜しんで東大受験に向けた勉強を続けています。2巻では、受験勉強が益々本格化し、ひたむきに努力する景太郎の姿にヒロインたちも心打たれていきます。

ひなた荘に住み、同じく東大合格を目指す成瀬川 なるも景太郎のことを認め、共に勉強する仲に進展します。最初は景太郎を追い出そうとしていた他のヒロインたちも、景太郎の合格を願ってみんなで一緒に温泉に入るほど親密に…この後はイベント毎に温泉で宴会を開くのが、ひなた荘の名物のようになっていきます。

そして2巻ではセンター試験から始まり、なんとか東大2次試験までこぎつける景太郎。ひなた荘での猛勉強で学力が上がり、自信を持って2次試験に挑む景太郎でしたが、既に2浪しているという緊張から、とんでもないミスをやらかしてしまいます。そんな景太郎を見かねた成瀬川はある行動に出るのですが…果たして、波乱の試験会場は一体どうなってしまうのでしょうか。

感想

早くも馴染みはじめた景太郎に女子寮のメンバーたちは…

1巻で祖母からひなた荘の権利を受け継ぎ、男なのに女子寮の管理人になってしまった景太郎。なんとか景太郎を追い出そうと計画を練っていたヒロインたちですが、2巻ではすでに景太郎のことを受け入れ始めています。前巻で景太郎を追い出すために決闘を挑んだ素子は初恋を自覚していますし、留学生のカオラは景太郎を故郷の兄と重ねて完全に懐いています。景太郎のことをひなた荘の管理人として認める…というよりは、すでに景太郎に好意を抱いているヒロインもちらほら増えてきました。

中でもひなた荘最年少のヒロインであるしのぶは、景太郎に対して完全に恋に落ちています。2巻に掲載されているバレンタインのエピソードでは、景太郎に手作りのチョコレートをあげようと奮闘するしのぶの姿が描かれています。バレンタイン当日の朝こっそりチョコレートを作ったしのぶですが、実際に手渡す勇気が出ず、他のヒロインたちに先を越されてしまいます。しかも景太郎の「ある特技」のせいで、しのぶがショックを受けることになるのですが…真相は2巻掲載の14話を読んでいただければと思います。

そんなハプニングもありつつ景太郎とひなた荘に住むヒロインたちはどんどん仲良くなり、特に成瀬川との距離はぐっと進展します。ただ成瀬川に関しては今のところ、「恋心」というよりは共に東大を目指す「戦友」のような感じですが、この関係が今後どのように変化していくのか注目です。可愛いヒロインたちとの絡みを中心にストーリーが展開するので、「東大受験」という堅苦しいテーマの作品とは思えないほどサクサクと読み進めることができます。

成瀬川と景太郎が東大を目指す理由が一致?

景太郎が何浪しても絶対に東大に通おうと決めているのは、幼い頃のある約束が原因です。かつて景太郎は幼馴染の女の子に「愛し合う2人が東大に通うと幸せになれるんだって」と教えられ、その女の子と東大で再会することを約束していたのです。しかし実は、景太郎はその幼馴染の女の子の名前すら憶えていないことが明らかになっています。ただぼんやりと覚えている昔の約束を果たすため、再会できるかどうかも分からない女の子のために東大を目指していたのです。

これまであまり詳しく語られてこなかった「約束の女の子」に関する情報ですが、2巻ではこの件に関して少しだけ進展がありました。実は景太郎の言う「約束の女の子」の正体は成瀬川なのでは?と思わせるような描写があるのです。管理人の仕事で、成瀬川の部屋の床を修理しにきた景太郎は、出来心から成瀬川の日記を読んでしまいます。成瀬川の日記には「私が東大を目指しているのは15年前の…」という記述があり、それは景太郎が幼馴染の女の子と東大へ行く約束をしたのと同じ頃なのです。

しかし当の成瀬川は景太郎に対して特別な感情は抱いていない様子。もしも成瀬川が「約束の女の子」なら、どうして景太郎のことを覚えていないのでしょうか?そして景太郎の話を聞いたときにリアクションしなかった理由とは?謎はますます深まってしまいます。「約束の女の子」と成瀬川を重ねる景太郎でしたが、成瀬川が無断で日記を読まれたことに激怒してしまったため、なかなか真相を聞き出すことが出来ません。果たして、「約束の女の子」は成瀬川なのでしょうか?物語は少しづつ核心に近づいていきます。

いよいよ東大2次試験当日!景太郎の努力の成果はいかに

直前の模試では「合格率0%」という驚異の数値を叩き出し一度は東大をあきらめて実家に帰ろうとした景太郎でしたが、ヒロインたちに引き留められてひなた荘に戻ってきます。日記を読まれたことで仲たがいしていた成瀬川も、素直に謝った景太郎を許し、また一緒に受験勉強を再開することになりました。すっかり打ち解けたヒロインたちの協力もあり、すでに東大を2浪している景太郎にとっては3回目のセンター試験と東大2次試験の当日を迎えます。

全国一位の成瀬川から見て、学力が足りないのではなく「要領が悪い」と評された景太郎は、残念ながら東大2次試験当日にもその要領の悪さを発揮しました。会場で受験票を落とし、シャーペンの芯を散乱させ、あまつさえ他の受験生に笑われるような大ミスを犯して頭が真っ白になってしまった景太郎。実は昨年も同じように緊張からくるミスを繰り返し、頭が回らなくなって不合格となってしまったことが明かされます。景太郎は会場でひっそりと涙を流し、試験が終わるまでもなく今年の合格は絶望的だと落ち込んでしまいます。

ところが、絶望する景太郎の心を成瀬川が思わぬ形で救ってくれます。ここはラブひなという作品を語る上でも指折りの名シーンなので是非実際に読んでもらいたいのですが、この場面で景太郎と成瀬川の間に芽生えた絆に感動した方も多いと思います。景太郎は成瀬川のおかげで落ち着きを取り戻し、見違えるように問題を解き始めます。最初は景太郎のことを嫌っていたはずの成瀬川の心情の変化にも注目です!この試験の結果は次巻で発表となりますが、果たして上手くいったのでしょうか。

まとめ

ラブひな第2巻は、全体を通してラブコメ要素よりも東大受験に向けたエピソードの多いパートとなっていました。ひなた荘に住むヒロインたちはすでに景太郎を追い出そうとは考えておらず、むしろ景太郎の東大合格に積極的に協力してくれます。特に、最初はひなた荘から景太郎を追い出そうとしていたはずの成瀬川は、景太郎の家庭教師的な役割まで担うようになり「一緒に合格しよう」と約束するほどの仲になりました。景太郎にとって、成瀬川の存在は東大を目指すための大きな原動力となったのです。

ただ、2巻で何度も匂わされる「成瀬川が約束の女の子なのではないか?」という疑問についてはまだ答えが明らかになっていません。しかし景太郎自身は、やはり成瀬川のことを「約束の女の子」と重ねて考えているようです。2巻のラストで東大2次試験を挫折しそうになったときも、やはり成瀬川の姿に「約束の女の子」の姿がダブって見えていました。当の成瀬川はまだこの件についてコメントしていないので、全ての謎が明らかになるまでには時間がかかりそうです。

このように勉強のパートが多い巻でしたが、実は萌え系マンガ好きにはたまらないシーンも多くありました。実はこの2巻だけで、クリスマス、お正月、バレンタインという萌え系マンガにおいて鉄板ともい言うべきイベントが3つも登場するのです。また「景太郎を励ます会」と称し、ヒロインたちが景太郎と一緒に温泉に入るという回も…!勉強パートの多い巻ではありますが、決して読んでいて疲れるような堅苦しいエピソードという訳ではないので気軽に読めますよ。

オススメ度
★★★★★★★★☆☆ ★8

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