1巻がすごく面白かったので、いやがうえにも期待が高まる「桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?」2巻ですが、1巻からのパワフルかつスピーディーな展開はそのままに、食材のレベルが上がっており、ますます見応えある作品になっています。

そして新キャラクターも登場し、予想の上をいくクセの強さで、さすがの桐谷さんも終始翻弄されています。桐谷さんとはまた違った切り口の変なメニューを繰り出してくるので、作品の幅も広がってより一層楽しめそうです。

後半には、今後の展開が大きく変わってきそうな描写もあり、不安と期待で早くも3巻が気になるところです。2巻の季節は夏という事で、夏ならではの展開もあり、しっかりと季節感を味わえます。夏と言えばアレですよアレ。

あらすじ

桐谷さんが怒っています。原因は転校生の泡瀬クリスです。「エンピツ×ケシゴムでもライス三杯イケマス」そう豪語するクリスに対し、桐谷さんは「塩でよし」と謎の言い争いをしています。ちなみにクリスは腐女子です。

夏休みに入った桐谷さんと先生。念願の休暇に一人で趣味を楽しもうとしていた先生の前に桐谷さんが現れます。一人にしてくれと渋る先生に、夏休みの自由研究を盾に付き合うように迫ります。そして二人が向かった先には・・・。

肉屋の息子であるトシちゃんが、またもや桐谷さんに珍食材を提供しています。そして三人で料理して食べ終わった後に桐谷さんが、「また三人で料理しましょう」と言った時の先生の寂しそうな表情は何を意味しているのか。

感想

転校生クリス、桐谷さんと相性抜群!?

冒頭で唐突に新キャラクターが登場します。泡瀬クリスというアメリカ人と日本人のハーフなのですが、出てきて早々「カラミ」をエンジョイできると言っていたので激辛料理マニアかと思いましたが違いました。まさかの腐女子です。この作品で腐女子が出て来るとは思ってもいなかったので、完全に不意打ちを食らいました。腐女子と雑食は関係ないので、どう絡んでくるのかと思ったら、一見すると合わないような料理同士を合わせて妄想するというとんでもないキャラクターでした。

登場時こそ桐谷さんと言い争いをしていましたが悪い子ではなく、すごくフレンドリーな良い子です。登場1話目にして笑顔や可愛らしいデフォルメ顔、汗に涎に鼻血など、多彩な表情を見せてくれる上にメイド服まで完備しているサービスっぷり。そしてゲテモノばかり繰り出してくる桐谷さんとは違い、既存の料理を組み合わせる方向性みたいなので絵面的にも助かりますね。そして登場2回目にして桐谷さんに珍食材を提供するという名脇役っぷりを発揮。ついさっき初登場したキャラクターとは思えない馴染みっぷりです。

そんな彼女ですが、実はそこまで登場回数は多くなく、2巻ではほとんど出てきていないのです。一度見ると忘れられないような強烈な個性なので、しつこく登場する必要がないという事なのでしょう。その点がこの作品の本当にすごい部分です。クリスだけではなくて、桐谷兄や小清水なども、毎巻ちょっとしか登場していないのに、しっかりと自分の仕事があって次の登場が待ち遠しくなるキャラクターです。ちなみに小清水の仕事は、眼鏡が割れて鼻血を吹き出すだけです。

クリスのキャラと桐谷さんのキャラ

クリスは先述したように腐女子なのですが、言葉自体はよく聞くようになったとは言え、かなりコアな性癖です。なので好き嫌いが分かれてしまう可能性があります。クリスのデザイン自体は可愛くて良いのですが、BL妄想している時はBL絵が背景にチラついているので少し苦手です。合わない料理をカップリングさせるからという理由なんでしょうが、腐女子要素はそこまで必要とは思えないのでこの作品にはいらないんじゃないかと感じます。

桐谷さんは欲望丸出しで、オーソドックスにボケ倒すのが魅力ですが、雑食に関して少し違和感があります。カエルやザリガニは雑食のビギナー向け食材だと言っていますが、初めて食べるかのような食レポをしています。色々と珍しい食材に詳しい桐谷さんが、今までビギナー食材を食べていなかったのは不自然です。漫画的な説明や作者の食レポの代弁だというのは分かりますが、桐谷さん自身がビギナーなのかベテランなのかよく分からない感じになっているので、ちょっとモヤモヤします。

キャラといえば、トシちゃんの扱いがかなり大きくなっていて、料理に参加してくるという異例の出世を果たしました。肉屋の息子らしく的確なアドバイスをして桐谷さんを助けており、これからも一緒に料理しようと言われていたので、毎巻登場すると思います。しかし、桐谷さんと先生だけで進行する方が好きなので、今まで通り1巻につき1話くらいの登場に押さえてほしいですね。変に出番が増えると青春要素が入ってきそうな空気があるんで、この作品には合わないかなと。

桐谷さんの夏休み、夏バテなんて知りません

クリスが出てきた後、唐突に夏休みに突入するのですが、夏らしく夏バテネタがあるかなと期待していましたが残念ながらありませんでした。その代わり桐谷さんの夏の私服が見れました。田舎のお姉さんみたいな狙いすぎていない服装がすごく良かったです。結局は食欲の為でしたが、小学生達に遊びを教えてあげたり、雑食界に誘おうとしたりと面倒見の良いお姉さんという一面が見れました。若干のおねショタ風味もあったので大満足です。

夏休みに入るやいなや、趣味に走ろうとしていた先生を襲撃して市場でのイベントに付き合わせます。この市場のイベントは作者が実際に見に行って取材しているので、迫力のある絵柄ではないのですが、臨場感があって実際に見たくなっちゃいました。この話で気付いたんですが、桐谷さんは意外と巨乳でした。普段デフォルメされる事が多いので気付きにくいのもありますが、1巻の頃より心なしか大きく描かれているような気がします。変な物ばっかり食べていたら胸が大きくなるのでしょうか。

1巻で食材にインパクトが少ないなと思っていましたが、2巻では結構なインパクト食材が登場します。先生が食べたくないあまり、ペットとして飼うと言い出したり、さすがの桐谷さんも食べるのを躊躇してしまう程で、コミカルな絵柄で中和されていますが、実物を想像すると鳥肌が立ちました。この食材はクリスが箱詰め状態で持ってきてくれたのですが、中で蠢く音を聞いて不安になり、先生の家に駆け込む桐谷さんが少し可愛いと思ってしまいました。

まとめ

1巻の良さはそのままに、内容がパワーアップしていた2巻ですが、パワーアップしていたのは本編だけではありません。話数の間にコミック特有の空きページがあるのですが、そこでキリタニ通信と題して写真付きのレビューコーナーが始まりました。2巻にして早くも実写が登場してしまいましたが、明らかにグロテスクな物は掲載されていないのは一応の配慮なのでしょうか。間食と題したおまけ漫画も本編並に丁寧に描かれているので読み応え十分です。

桐谷さんはちょくちょく部活というワードを出してきますが、本気で部を発足させる気なのでしょうか。新キャラクターが毎巻増えるのだとしたら4巻辺りで創部できそうですが、そうなると学園モノのようになって作品の雰囲気自体がガラリと変わってしまいそうですがどうなるのでしょう。新キャラクターに属性を持たせて、それをうまく雑食と組み合わせているのはすごいと思いますが、頻繁に登場するとキャラが濃すぎてしんどいかもしれませんね。

巻末の予告では新キャラクターが丸出しになっていますが、残念ながら男子です。次回の食材が明らかに虫のシルエットで「捕って食え」と言っているので、もしかすると彼は虫食いキャラの可能性があります。虫をバリバリ食う高校生の時点で衝撃的なのに、それに加えて彼はギャグ顔をするような人には見えないので、予想が当たっていたら色々とシュールな事になりそうです。番外編で桐谷さんが普通に蝉を食っているのですが、思っていたより気持ち悪さがありませんでした。やはり可愛いは正義なのでしょうか。そんな2巻でした。

オススメ度
★★★★★★★★★★ ★10