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ヤクザ新田の元に超能力少女のヒナがやってきた――という設定から神懸かったシュチュエーションギャグコメディが繰り出される大武政夫先生作の「ヒナまつり」13巻です。「ハルタ」で連載中でアニメ化も決定し、今一番勢いに乗っている漫画と言えるでしょう。前巻のラストでは意味ありげに新しいショタの刺客が登場していました。本巻では能力者の少年ハルとその居候先のヤクザ・津田が、ヒナと新田に戦いを挑むことになります。

ヒナまつりにおける鉄板回である「瞳回」「アンズ回」のクオリティも安定しています。瞳回は三嶋家の離婚の危機をどう乗り切るか?アンズ回は絵心に目覚めたアンズを描きながらいつも通りの天使っぷりをみせつけてくれます。

ヒナまつりの萌えキャラと言えば「アンズ」「三嶋瞳」だったのですが、高校生編以降からはヒナも可愛くなってきています。10巻以上経過してようやく萌えられるようになってくるメインヒロインというのも珍しいです。本巻ではヒナの可愛さも余すところなく描かれていますよ。

あらすじ

瞳がすすめてしまったネトゲに瞳の母親が嵌まってしまい家庭崩壊の危機が訪れてしまう。瞳と父は家族旅行を計画して乗り切ろうとするのだが。(第六十四話)能力者の少年ハルを手に入れたヤクザの津田は仲間のヤクザ達から〇〇愛者と噂されるようになってしまう。(第六十五話)

新田ヒナの一日の生活の様子が描かれる。(第六十六話)絵心に目覚めたアンズは周りの人がみんな褒めるので調子に乗って描いた絵を絵画コンクールに応募してしまう。瞳だけが絵の拙さを正直に指摘しようとするが、その時アンズの携帯に入選の連絡が入ったのだった。一体何が起こったのか?(第六十七話)

ヒナに惚れてしまった仁志の相談に乗るさよは仁志のイケメンっぷりにあてられまくりで、取り巻きの女子達から取り囲まれてしまう。さよの本音は一体……。(第六十八話)ついに津田の組と新田の組の抗争が始まった。それはヒナとハルの能力者バトルの始まりでもあった。(第六十九話)

感想

四人目の超能力者はショタ!ヒナ&新田に牙を剥く?

ヒナ、アンズ、マオに続く四人目の超能力者は「ハル」と呼ばれる少年でした。ヒナ達がやってきた時よりも幼い感じで、小学生の中学年ぐらいの外見です。ショタですね。このハルが偶然現れてしまった場所はヤクザの津田の部屋の中だったのでした。というか超能力者たまたまヤクザの部屋に現れ過ぎだろ!ぱっと見、ハルも強そうで、津田もラスボスの風格のあるヤクザという感じでした。でも、これ「ヒナまつり」なんですよね。いきなりシリアスバトルが始まるなんてわけはなかったのです。

第六十六話では早くも津田のネタキャラ化が始まっています。そりゃあハル君のことをこれだけ大切にしてしまったら誤解を生んでしまいますよ。ただ、このまま津田とハルとの共同生活が続けばガチの少年愛キャラになってしまってもおかしくない風貌をしていますね。そして、本巻のラスト六十九話では津田の組と新田の組の抗争が描かれます。いつもながら、新田さんが組員に期待され過ぎていて笑えます。殺意を敵ではなく味方に向けそうになっているところがヒドイです。

ヒナとハルとの超能力バトルが展開されるのですが、バトルシーンがかなり面白いことになっています。下手なアクションバトル漫画よりも面白いですよこれ。以前、ヒナが新田を超能力で操って抗争で無双させた話があったのですが、今回は複数のヤクザを操り合う派手な画面構成になっています。まぁ、人間らしい動きを全くしないので「ヒナまつり」らしいシュールな絵面になってはいるのですが。お話としても新田とヒナの絆の強さ?のようなものを感じられたのもよかったですね。

アンズちゃんマジ天使!瞳回とアンズ回は安定の面白さ

ここ最近の「ヒナまつり」を安定して面白いものにしているのは「瞳回」と「アンズ回」が常に高クオリティだからだと思います。第六十四話は「三嶋家の事情」というタイトルで、瞳の家庭の危機が描かれています。メインは瞳の両親ですね。瞳の父親はリストラに遭い、今は瞳が社長だと気付かないまま瞳の会社で働いています。お母さんは子供にしか見えないくらい若く見えるというのが特徴でした。そして瞳さんは今回も母に空いている時間を聞かれると「3週間後に2時間ならとれるよ」と答えるスーパー高校生っぷりなのでした。昔のte○u君を遥かに凌駕していますね。

面白いシュチュエーションコメディに仕上がっているのですが、僕が一番思ったのは「瞳パパ羨ましい……」でしたね。駄目な部分もあるけど、こんな奥さん欲しいですわ。そしてヒナまつりのもう一つのエース「アンズ回」は、第六十七話「ラーメン祭り」というタイトルでした。アンズが新田のすすめで趣味で絵を描き始めたところ……というお話です。アンズ回は泣ける話か、アンズちゃんマジ天使!という話のいずれかが多いのですが、今回はアンズちゃんマジ天使!な話でした。

新田がアンズのことを(父親目線で)好き過ぎてどうしようもないです。アンズ回で冷静なのって瞳とサブとヒナぐらいじゃないですか。お話自体はかなり綺麗にオチがついていますが、読後の印象としては「アンズちゃんマジ天使」と、最後のコマでの瞳の内心での突っ込み「宗教かな?」なんですね。アンズが彼氏を作ったり、ラブでコメる展開は難しそうですね。新田さんを始めとする狂信者に半殺しにされてしまいそうです。父親目線過ぎるので新田ルートもないでしょうしね。

あれ?ヒナって物凄くかわいくなってませんか?付き合えるレベル

メインヒロインのヒナの活躍は、第六十六話「新田ヒナの華麗なる一日」と第六十九話「三年パンチ」で描かれます。高校生編になってからヒナって可愛くなっていませんか?中学生編のヒナは物語を動かすキャラではあったものの萌えようがない女の子でした。食べて寝るだけ、力づくで新田を従わせる、感情を表情に出さない――。その間に瞳やアンズが強力な萌えキャラとして前面に出てきたのでした。そうそう、詩子さんがヒロイン的立ち位置にいた瞬間もありました。

それが今や「スロットやってビール飲むだけの生き物」に成り下がっていますから、ヒナまつり世界は恐ろしいです。ヒナが少しずつではあるけれど成長している――ということもあるのですが、周りがネタキャラ化していく中で一週周ってヒナが常識人的な立ち位置になってしまったということも大きいでしょう。よく見るとかわいいJKですし、ある程度の共感能力もありますしね。10巻以上かけてヒロイン力が上がるという珍しいキャラクターなのです。

ヒナに関しては「うさぎドロップ」ならぬ「ヒナドロップ」展開は起こりうるのか?というのも興味深いですね。最初のほうでは絶対にありえない展開だと思っていましたが、今のヒナならそういう可能性も微かにあるように思います。新田もこのままいくと独身のままっぽいですし、ヒナ・仁志ルートもしっくりきませんしね。そう言えば一瞬立っていた新田・瞳のフラグはどこにいってしまったのでしょうか。女子高校生達とフラグが立つのは羨まけしからんはずですが、新田さんならまぁいいやとも思えてしまいますね。

まとめ

「ヒナまつり」もついにアニメ化なんですよね。昔からずっと面白いと言われ続けて、すぐにでもアニメ化するに違いないと思われていたのですが13巻になってようやく――と言った感じです。原作のストックがあるので、変なオリジナル回ぶち込みとかはなさそうでそこは安心できるでしょう。少し心配なのは「ヒナまつり」は第1巻が一番面白くなくて、それ以降巻を増すごとに加速度的に面白くなっていく仕組みになっていることぐらいでしょうか。まぁ、1巻もヒナまつりで一番面白くないとは言え、標準以上ではあるのですが。

ギャグ漫画って一番面白いのが1巻で、それ以降面白さをどれだけ維持できるかが勝負――というところがあります。でも、ヒナまつりは例外なんですよね。一発ギャグじゃなくて、シュチュエーションギャグ、キャラクターの成長に伴うギャグをメインにしているから、巻が進んで人間関係が作られていくほど面白くなっていくのです。最初の頃は萌え漫画として読むことは難しかったのですが今では、瞳、アンズ、ヒナ萌えでも読むことができるようになっています。

面白さは安定しているのですが、変化も求めたいというのが読者の欲張りな感想です。13巻の最後でハル君が何やら意味ありげなことを語っています。「ボクの目的はロック―ジョンをする事です」ええー、ロック―ジョンってほとんど一発ギャグとしか思えなかったあれに何か深い意味があったということなんでしょうか?ヒナまつりの引きの中でも次の展開の予想が付きにくい部類のものではないでしょうか。僕には大武先生が考えていることが全くぜーんぜんわかりません。ヒナまつりの次の展開が楽しみです。早くこいこい14巻。

オススメ度
★★★★★★★★★★ ★10

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記事担当:カオス

主に青年誌のラブコメ・エロコメを好む30代男子。「変女」推し。

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