わずか10歳の魔法使いの少年ネギ・スプリングフィールドが女子校で担任を務めることになってしまう「魔法先生ネギま!」。今回は、京都での修学旅行を中心としたエピソードが展開される単行本第4巻のレビューをさせて頂きたいと思います。

前巻ではネギとエヴァンジェリンの激闘が繰り広げられましたが、4巻では3‐Aの生徒たちが「修学旅行」で京都に向かいます。バトル展開は一旦おやすみ…かと思いきや、今度は「関西呪術協会」という新たな敵と退治することになります。

どこに敵が潜入しているかわからないという緊張感のなか、ネギは関西呪術協会との戦いに身を投じます。バトル展開の熱さもさることながら、京都での戦いを通して今まで出番のなかった女子生徒とどんどん親密になっていくところにも注目ですよ!

あらすじ

父親である「サウザンドマスター」がかつて京都に住んでいたことをエヴァンジェリンから聞かされたネギ。ネギは行方不明の父親を捜すために京都へ旅立とうとしますが、ちょうどその時期と重なり、麻帆良学園の修学旅行先が京都だと判明。修学旅行の引率をこなしつつ、サウザンドマスターの痕跡を辿ることにしました。

しかし時を同じくして、学園長から京都には「関西呪術協会」という組織があることを知らされます。関西呪術協会は西洋魔法を嫌っているとのことで、西洋魔法使いであるネギが引率するクラスも狙ってくるだろうと告げられます。

それでも京都行きを断行したネギでしたが、予告されていた通り京都での道中には様々な罠が仕掛けられていました。楽しい修学旅行は一転、姿を現さない関西呪術協会との戦いへと変貌してしまったのです。こうして、ネギと3-Aのヒロインたちの波乱の修学旅行が幕を開けました。

感想

どこもかしこもトラブルだらけ!波乱の修学旅行編スタート!

4巻は、3-Aクラスが行く京都修学旅行のエピソードで占められています。修学旅行のために服を買いに行く準備編から始まり、修学旅行先で様々なトラブルに巻き込まれていくまでが描かれます。この修学旅行においてネギの目的は大きく分けて「サウザンドマスターの痕跡を探すこと」と「関西呪術協会の長に会うこと」の2つあり、ネギは生徒たちを守りながらこれらの任務を遂行しなくてはなりません。今までの展開のなかで、間違いなくネギにとっては最も困難な数日間となります。

修学旅行を困難にしているのは京都に本拠地を置く「関西呪術協会」という団体です。関西呪術協会は、ネギや学園長の属する「関東魔法協会」と犬猿の仲となっている組織であり、京都に西洋魔法使いのネギが入ってくることを拒んでいるのです。そのため3-Aのいく先々には魔法を使った嫌がらせが幾重にも張り巡らされており、楽しいはずの修学旅行がトラブル続きになってしまいます。しかし実行犯はなかなか姿を現さず、ネギたちは「生徒の中に裏切り者がいるのでは?」と疑心暗鬼にすら陥ってしまうのです。

姿を現さない敵の攻撃に絶えるネギたちの姿は、読んでいてもなかなかスリリングに感じました。というのも、関西呪術協会の攻撃は「西洋魔法使いが京都に入ることを拒んでいる」というだけの理由にしては激しすぎ、裏に「真の目的」が隠されていることが予測されるからです。敵の本当の目的はなんなのか、本当にクラスに内通者がいるのかという点にも注目しつつ読んでみると面白いのではないかと思います。わりとサッパリしたエピソードが多い魔法先生ネギま!だけに、このあたりのエピソードはミステリーチックで楽しめました。

ファン人気ナンバー1の生徒・桜咲刹那がついに登場!

前巻ではクラスに潜んでいた吸血鬼・エヴァンジェリンの素性が次々と明かされました。そして4巻では、凄腕の剣術の使い手「桜咲刹那」がメインヒロインとなってストーリーが展開していきます。刹那は京都に古くから伝わる退魔剣術の使い手で、実は関西呪術協会とも繋がりの深い人物です。いつもクールであまり喋らないため、これまでは何を考えているのかすら不明なキャラクターでしたが、彼女はどうやらネギが魔法使いだということにはとっくに気づいていたようです。

刹那は修学旅行中、関西呪術協会の嫌がらせが発生するポイントには必ずいたために「関西呪術協会のスパイではないか」と疑われてしまいます。本当にスパイだったのかどうかはここでは伏せておきますが、確かに彼女は「ある目的」のために魔法の嫌がらせが発生するポイントには必ず現れていました。頑なに口を閉ざし、ひっそり魔法と関わり続ける刹那の本当の目的がなんなのかは、4巻を読んでいるうちにハッキリわかってくることでしょう。

さて、そんな刹那ですが、実は魔法先生ネギま!のキャラクターのなかでも非常に人気の高い女子生徒でもあります。4巻まではひとことも喋っていなかったため地味なキャラクターかと思われていましたが、初登場から一気に人気が爆発します。最初の人気投票では18位と成績の振るわなかった刹那ですが、その後行われた人気投票では並み居るヒロインをぶっちぎって4回も1位を獲得しています。読めば読むほど可愛らしさが見えてくるキャラクターですが、初登場時の敵か味方か解らないキリッとした姿もなかなか魅力的ですよ。

前作「ラブひな」とのリンクが多いのも見どころ!

刹那が使う剣術は「神鳴流(しんめいりゅう)」というのですが、初見でこの流派の名前に聞き覚えがあったという読者も多かったのではないでしょうか。というのも神鳴流は、同じ作者の前作「ラブひな」のヒロインの1人だった青山素子の実家で代々受け継がれている剣術の流派だったからです。ラブひなでは素子が神鳴流を使う描写が多々描かれていましたが、神鳴流についての詳しい説明はほとんどありませんでした。たしか「魔物を倒すための剣術」だという説明がチラッと出ていたくらいだったと思います。

しかし作品の壁を超え、ここでようやく神鳴流が魔法についても理解している本物の戦闘集団だったことが明らかになりました。神鳴流の当主を継ぐ予定の素子がそれを知らないはずはありませんから、もしかすると素子も少しくらいは魔法の類を使えたのかもしれないな…なんて想像が広がってしまいました。もちろんラブひなを読んでいない読者でも充分楽しめる作品ですが、きっと4巻のあたりはラブひな時代からのファンのほうがより楽しめたのではないかと思います。

また、すごく細かいところなのですが、4巻にはラブひなのキャラクターも少しだけ登場します。登場するのはラブひなの主人公・浦島景太郎の友人だった「灰谷真之」で、顔が出るのはたった1コマですがちゃんとセリフも喋っています。ラブひなの登場人物とはいってもかなり地味なキャラクターだったので気付かなかった方が多いのではないでしょうか。作者の赤松健先生は細かい部分にファンサービスを入れるのがお好きな漫画家さんなので、探せばもっとラブひなと魔法先生ネギま!の共通点が見つかるかもしれませんよ。

まとめ

というわけで今回は、魔法先生ネギま!第4巻のレビューでした。本当はもっとご紹介したいエピソードも多いのですが、この巻では衝撃の事実もいくつか明らかになるので、ネタバレ防止のために今回はこのくらいにしておきます。修学旅行に紛れ込んだ「関西呪術協会」の正体や目的を推察しながら読んでみてくださいね。犯人が明らかになる前にチラッとヒントが描かれていたりもするので、推理力のある方なら見破れるかもしれませんよ。

後にファン人気ダントツナンバー1に上り詰める桜咲刹那が登場したのも、4巻におけるターニングポイントでした。前巻で麻帆良学園を騒がせたエヴァンジェリン同様、刹那もまた初登場の時点では敵か味方かも不明な状態です。ここから彼女がどのような変化を見せていくのかという点にも注目しながら読んでもらいたいですね。刹那の成長ぶりもまた、魔法先生ネギま!という作品を読む上で大きな見所になっていくと思います。人間的にもどんどん成長していきますが、刹那は他のヒロインと比べてもどんどん可愛くなっていくんですよこれが。

そんなこんなで魔法先生ネギま史上最大級のスリルが味わえた4巻ですが、京都修学旅行編はまだまだ始まったばかりです。ネギ一行はまだ敵の本拠地「関西呪術協会」に乗り込んでもいませんし、敵の本当の目的も明らかにはなっていません。この続きは5巻になりますが、間違いなく関西呪術協会との戦いはさらに激化していくことでしょう。見た目から萌え系マンガかと思いきや、バトルマンガとしても面白くなってきた魔法先生ネギま!の今後にも目が離せません!

オススメ度
★★★★★★★★★☆ ★9

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記事担当:だいなごん