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本巻は『みりたり!』最終巻となります。これまで繰り広げられていたルト中尉やハルカ少尉と宗平の物語も一旦終わりを迎えるのです。といってもしんみりした内容ではなくいつも通り賑やかな展開が繰り広げられています。

また新キャラも続々登場するのでむしろ最終巻であることを意識せずに読めるでしょう。お色気ムンムンなお姉さんや敵国の百合っ子たちは作品世界に新鮮な風を吹き込んでいます。特に百合の関係になりそうな2人組はなかなか萌えポイント高めです。

果たしてどのような形でストーリーは締めくくられるのか、気になるところですが…実は既に続編として『みりたり!乙型』が存在してたりします。つまり本巻で『みりたり!』と一旦お別れするだけなのです。そんな作品世界の節目となる『みりたり!』最終巻について見ていきましょう。

あらすじ

温泉旅館に到着した宗平ご一行、温泉に入っていた宗平の目の前に現れたのはアリア大佐。何とこの温泉は混浴なのでした!アリア大佐は一緒に来たグラニア軍の刺客シャチーロフから宗平を守ろうとするのですがウブな宗平のハートにアリア大佐のボディは刺激が強く鼻血を出して寝込んでしまいます。

ある日ルト中尉が自慢の戦車を掃除していると怪しい女性が訪ねてきました。彼女はルト中尉の目的や宗平が何ものであるか知っているのですがそれもそのはず同じ軍に所属する背広組なのです。ですがなぜか同じ軍の兵士に狙われ宗平たちも巻き込まれてしまいます。一体彼女の目的とは…。

エロゲを手に入れた宗平。誰かに買ったことがバレる不安と期待に胸を膨らませながら帰宅の途につくと戦闘機に乗った敵国の兵士が現れます。隊長と部下の2二人組である彼女達と決闘することになった宗平。果たしてエロゲを買ったことはバレずに済むのでしょうか。

感想

敗戦の将を捕虜にして…お色気描写多めの最終巻!

本巻は『みりたり!』最終巻ですが最終話以外は終わってしまうということを意識させない作りになっています。作品世界を終わらせず壊さず楽しい漫画になるよう構成されているのです。そして何よりお色気描写が実にありがたいものに仕上がっています。まずはとにかく巻頭のカラーページから飛ばしています。夏を迎えてルトガルニコフ隊にもクールビズの衣装が支給されることになるのですが、ハルカ少尉の姿が凄いことになっています。

服と言うよりヒモで要所要所を隠したようなハルカ少尉の姿はお色気というよりもエロいです。度を越してエロく、かつ表情も周知に満ちていて真摯諸君のハートを狙い撃ちしてくれます。最初は恥ずかしがるハルカ少尉でしたが褒められて少し気に入ったりするところもたまりません。それから謎の背広組として登場する女性ですが、このキャラクターもエロいです。とある資料を兵器工場から持ち出そうとしたときに偉い人に見つかるのですが、その場を凌ぐために偉い人のアレをアレします。明示的に描かれているわけではないのですがアレをアレしているシーンはもう、ただ単にエロいです。

また、宗平を襲撃してきたグラニア軍所属のヴェルガストーチェ中佐とその部下エイリッヒは捕虜とするのですが、このときのやり取りも読者のいやらし欲を煽ってきます。彼女達は宗平に何かされるのではと怯えきっていて被虐的な妄想や言動を繰り返すのですが、その光景が嗜虐心を揺さぶってくるのです。通販部のおっさんが「敗戦の将ってさ こういろいろくるじゃん?加虐心をくすぐる的な?」と言い、それを受けた宗平が後にヴェルガストーチェ中佐を見て「おっさんの言ってたのはこの感情のことか――」と少し興奮したりします。たまりません…。

明確な終焉を描かないことの是非

最終巻である第5巻ですが、全体的に終焉へ向かう作りにはなっていません。中核をなすストーリーラインが存在せず、基本的には宗平とそれを守るルト中尉とハルカ少尉、というフィールドが用意されているだけです。日常系漫画としての構造なので、ストーリーがあり明確なゴールが設定されているという物語では無いのです。そのため最終巻であるにも関わらず作品として終わりにくい構造をしていると言えるかもしれません。作品でありながら終わりが見えない、という事は日常系漫画の抱える問題の1つです。

どのような作品にもゴールは設定されているものです。映画は上映時間を過ぎれば必ず終わるためほとんどの作品ではゴールが明示されていますし、ゲームにしてもストーリーがあるものはそれなりの終焉を迎えます。またストーリー漫画にも最終回は存在するものです。たまに風呂敷を広げすぎて終わるまでに長い時間がかかってしまう漫画も存在しますが、ともかくストーリーとラストシーンは欠かすことができません。ですが終わりを迎えるということが必ずしも良いことか、というとそうでも無いのです。

日常系漫画は1つの永遠性をもっています。特に登場人物が成長せず同じ関係のまま毎年過ごす作品においてはむしろラストシーンは不要なのです。最終回が明示されていない日常系漫画ないしアニメの代表作としては『サザエさん』や『ドラえもん』それから『クレヨンしんちゃん』や『アンパンマン』などが存在しています。日常系の作品にとって最終話はストーリー作品のように必要不可欠なものではなく、むしろ日常がこれからも続いていく中の1つの節目に過ぎません。そのため本作においても最終話はただの節目であって作品世界の終わりを示すものでは無いのです。日常系の作品において終焉は必要ありません。

恋愛未満のやり取りがこそばゆい作品

5巻では背広組の女性や百合なヴェルガストーチェ中佐とエイリッヒが登場するのですが、いずれも既存のキャラクターとは異なる要素をもっています。背広組の子はしたたかな大人の女狐といった雰囲気を漂わせていますし、ヴェルガストーチェ中佐は真面目な騎士に憧れる少女、そしてエイリッヒはそんな彼女に心酔している百合少女です。いずれもこれまで登場してきたキャラクターとは異なる属性をもっているため、どのキャラクターの存在感も薄れず魅力をたたえています。ですがそんな女性たちに囲まれながらも宗平は恋愛をしないのです。

そもそもルトガルニコフ中尉は幼女性を備えた恋愛とは無縁の存在だったりします。これは萌え系の日常系漫画のヒロインとして珍しい特徴と言えるでしょう。主人公である宗平とルト中尉は一切そうした関係になることはありません。といっても宗平は本巻でルト中尉を戦闘機のコックピットで抱きしめていたりしますが。それでも恋愛関係になることは無いのです。そうした恋愛成分を補給するかのようにアリア大佐が現れましたが、宗平はウブなためこれもまた恋愛には繋がらないのでした。

このように、互いに影響を与えつつ関係が進まないというのも日常系漫画の1つの特徴と言えるかもしれません。確かに宗平が誰かと恋愛関係になったならバランスが崩れ作品世界は大混乱に陥る可能性もあります。あくまでたまに恋愛未満のやり取りを繰り返す、本作ではそんな心をくすぐるような展開が続いてきました。関係が進まない環境だからこそ描く事が出来る甘い日常、それがこの『みりたり!』の世界なのです。そして物語は『みりたり!乙型』へと続いていきます。

まとめ

本巻を最終巻として『みりたり!』は終了となりましたが、続編の『みりたり!乙型』では宗平たちの日常が続けられています。この巻が終了したからといって彼ら彼女達の生活は終わっていないのです。ルト中尉とハルカ少尉という魅力的なキャラクターが宗平宅に現れてから色々なことが起こりました。お色気シーンやお色気シーン、それからお色気シーンなど、主にハルカ少尉の羞恥に満ちた表情を思い出します。作品世界は時間が経過しない設定ですがキャラクター達は濃密な時間を過ごしてきました。

本巻でもルト中尉はある事情から新しい戦車を手に入れてウキウキしていますし、ハルカ少尉も相変わらず鋭い切れ味のツッコミをしたりアニメに嵌まったりしています。新しく登場した百合っ子のヴェルガストーチェ中佐とエイリッヒは作品全体を通してみると出番こそ少ないものの魅力的なキャラクターです。特にヴェルガストーチェ中佐が思い込みの激しい使命感に燃えた女の子というのもこれまでこの作品世界に登場しなかったタイプのキャラクターなので新鮮だったりします。

最終話ではルトガルニコフ隊に本国から突然の帰国命令が出され皆動揺することになります。日本と言う平和な環境から離れたくないルト中尉や宗平と離れたくないアリア大佐、そしてそこで宗平がどういった心情になるのか、本書で唯一のシリアスな場面かもしれません。お色気あり、ギャグありの賑やかな『みりたり!』の世界はこれにて一旦終わり。ですがルト中尉たちの日常はこれからも続いていきます。続きは『みりたり!乙型』で楽しみましょう。

オススメ度
★★★★★★★★★★ ★10

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記事担当:くもすい

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