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沼津といえば何を思い浮かべますか? 干物? スクールアイドル? 『きっと愛され女子になる』は地方女子の恋活を描いたローカルコメディーになります。

瀬戸口 みづき先生の『ローカル女子の遠吠え』の姉妹作にあたり、ご当地ネタを盛り込みながら地方女子の恋愛事情などを盛り込んでいるのがポイントになります。

料理以外が壊滅的な女子と料理が壊滅的な女子のやりとりが笑える一方で、恋活ベタな人に『刺さる』内容が入っている点も見逃せません。

あらすじ

惣菜店の一人娘さゆりは料理上手でも愛嬌がなく、恋人ができないよと指摘されるのが悩みです。そんなさゆりの元にやってきたのはキャバ嬢の志摩です。

志摩は近くのキャバクラで働いていますが料理ができないのが悩み。常連の持ち込んだ素材の味に惚れこんだ志摩はさゆりに料理を学ぼうと考えたのです。

一方で志摩の接客力に愛嬌を感じたさゆりは、志摩に料理を教え、かわりに愛嬌を教えてもらうことを思いつくのです。

感想

愛想壊滅女子とポジティブ系料理ベタの殴り合い

本作の主人公はさゆりと志摩の二人組みです。さゆりは料理はできても愛想からっきしで30歳=彼氏いない歴の残念系美人。志摩は容姿が良くても料理が壊滅的なだけでなく、地雷をピンポイントで踏み抜くダメ男キャッチャーでもあります。

お互いに長所があって学び、補いあえるような関係……になるはずでしたが、学習速度が追いつかないためネタの殴り合いになっているのがポイントになります。

二人ともコミュ力不足な部分があるから惨敗を重ねているといえばある意味当然です。それでも亀のような歩みで二人で成長していく部分があるため、ネタの応酬と学びのバランスが笑いどころになっています。

だからモテないんだぞ! とツッコミたくなるシーンも多数

作品を呼んでいて目立つのは、さゆりと志摩の恋愛音痴ぶりです。志摩はコミュ力が高いのに恋愛に関してはポイントがずれていて、キープされていると感じた相手に「あたしキープですか!」と直球で聞くようなピンボケぶりです。

さゆりも負けていません。志摩と婚活パーティーに訪れる回があるのですが、その時の服装が何とダサTにジャージ系のズボンというセンスの無さを披露してしまうのです。

自分の見た目に興味が無く仕事で外に出ることの無い人のファッションセンスとしてはありがちですが、婚活に挑もうとする人間としては完全にアウトです。そして、恋愛を求めながら人に好かれるために何ができるかを考えられていなかったという面で、恋愛ベタな人にグッサリとくるシーンでもあるのです。

普段お店で働いているときは着物にエプロン姿であるだけに、余計に残念さが目立つのがポイントです。

ローカルネタも盛り込まれているのがポイントに

『きっと愛され女子になる!』は地方ならではのネタも盛り込まれています。もともとさゆりが恋愛について気にするようになったのは、近所のおばさんがたに愛想がないことを指摘され続け、ストレスを溜めていた部分があるからです。

食習慣による好みの違いなども出てきます。さゆりのお店でハーブ焼きようのハーブが余った際は、ハーブティーよりも緑茶を飲むので消費が進まないという話が出てくるからです。静岡といえばお茶所。ハーブティーを飲む習慣がないのも納得です。

ご当地グルメの『みしまコロッケ』が登場するなど、地域ならではの情報が盛り込まれているのも魅力になります。

まとめ

しらたま。しらたま。

「カレーも恋も寝かせると良い」と聞いたヒロインの発想がこちら。

  • 恋愛音痴の方向性が違う二人のエピソードが強力
  • 自分目線で考えると恋愛音痴がざっくり刺さる人も
  • ローカル情報がアクセント

『きっと愛され女子になる!』はローカルネタを盛り込みつつ、地方の恋愛あるあるを描いた作品でした。

クスリとくる笑いどころも多く、さゆりも志摩も「なぜその長所を生かさない!」というツッコミ所がふんだんに用意されています。

彼氏彼女ができないという人は読んでみると参考になる……かも知れません。欠点に気付いても直せるかどうかは別の話なんですけどね!

 

月10冊程度、年間100冊超の漫画を読むフリーライター。非定期で友人と百合漫画を語る会を開きますが、ジャンルは不問で何でも読みます。

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