すずなの恋 3 完結 (バンブーコミックス)

皆さん!4コマ漫画は好きですか?現在では萌え系作品を中心に人気を集め、多ジャンルの4コマ作品が掲載された漫画雑誌も多彩に出版されていますよね。雑誌や単行本の数が膨大なために、好みの作品を探すのに一苦労した方もいるはず。

今回ご紹介する「あづま笙子」先生も、そんな4コマ漫画界で精力的に活動する北海道在住の漫画家さんです。先生の作品は、ほのぼのとした可愛らしい絵柄と、思わずニヤニヤして頬が緩んでしまうようなラブコメ描写が魅力的。

微妙な関係性や距離感からくる人間模様と、異性・年齢差・異種族といった表面的な違い。そのような違いからくるギャップや精神面での繋がりを丁寧に描こうとする先生の作風は、老若男女問わず多くのファンが存在します。4コマ漫画の入門としても最適なあづま先生が描く作品。その秘密と魅力に迫りたいと思います!

あずま先生の4コマ作品について

あづま先生は2010年に「まんがライフ」という4コマ漫画雑誌にて「かてきょん」の連載をスタートします。先生の代表作である「かてきょん」は、秀才小学生男子が勉強が苦手な女子高生を家庭教師するという物語(全3巻)

かてきょん以外に単行本が発売されている4コマ作品は、吸血鬼御用達の雑貨店を舞台に人間と吸血鬼の異文化交流・ほんわかとした日常を描いた「吸血鬼にっき」(全2巻)。男子が苦手な女子高生が友達たちとの交流を通じて少しづつ自分を変えていく〝もどかしい系ラブコメ〟の「すずなの恋」(全3巻)が発売されています。

甘酸っぱさ全開のラブコメ展開、様々な違いからくる距離感は心地が良くてニヤけてしまうシーンが非常に多いです。あづま先生の作品には青春を感じさせる描写があると同時に、年齢を重ねるごとに私たちが忘れてしまう優しい気持ちを思い出させてくれます。

秀才小学生男子が勉強が出来ない女子高生を家庭教師!?「かてきょん」の魅力とは

書店員が推すおねショタ漫画8選に選ばれる

あづま先生の初単行本である「かてきょん」。全3巻ながらも、勉強ができない女子高生「高塚らいら」と秀才男子小学生「白川カムイ」を中心に展開する物語は、年齢差からくる照れ・肩が触れただけで赤面してしまう様子が素晴らしい。
年齢差のカップリングという読み手を選ぶジャンルながらも読みやすい作風から「おねショタ」界隈でも注目された作品で、2016年には「書店員が推すおねショタ漫画8選」にも選出されました。

おねショタ入門編に!書店員が熱く推すおねショタ漫画8選

天真爛漫でおバカな女子高生「高塚らいら」と、真面目な小学生「白川カムイ」の関係性

女子高生「高塚らいら」はスポーツ万能・明朗快活、元気で素直な性格からご近所の評判も良好。しかし!彼女の大きな問題点は、小学5年生の妹「高塚ななか」が心配してしまうほど勉強が苦手なところです。
男子小学生の「白川カムイ」は、小学生ながら高校生の問題集を軽く解いてしまうほど勉強が得意ですが、勉強が出来る以外は不器用で普通の小学生。同級生の「高塚ななか」から姉に勉強を教えてほしいと頼まれたことがキッカケで、らいらを家庭教師することになりますが…。

らいらは長時間勉強に集中できず寝てしまうなど精神的に幼い印象を受けます。一方でカムイ君は、らいらに対して勉強ができるように問題集を制作し、たとえ風が強い日も大雪の日でも家庭教師をしに行く姿は真面目で精神年齢が高いギャップも面白いです。子供のようにはしゃぐ女子高生らいらを、呆れつつも見守るカムイ君のコンビは最高なのです!

幅広い世代に評価される理由

アダルト展開になりやすいおねショタ作品の中で、過激な描写を抑えつつも2人の目に見えづらい微妙な距離感や関係性を丁寧に描き出しています。読み手を選ぶ「おねショタ」ジャンルに入る作品ですが、老若男女・幅広い世代で支持されることも納得のいく名作です。

小学生男子が年上の女子高生を家庭教師する設定は珍しいですよね。女子高生が年下の男の子を家庭教師する逆のパターンは良く目にしますが、どうしてもイケナイ関係を期待してしまう読者が多いと思います。しかし「かてきょん」の魅力は、2人の関係性や雰囲気によって絆や信頼、恋愛感情のような繊細な心情変化を少しずつ映すことに成功している点です。
年齢差や勉強が出来る有無といった表面的要素はもちろん、目には見えにくい関係性や少しずつ信頼関係が生まれていく内面的な要素により、誠実なイチャイチャを見ることができます。

『かてきょん1』男子小学生が女子高生を家庭教師!?

もどかしい系ラブコメ「すずなの恋」

男性恐怖症の主人公が初めて男性を好きになる

2017年9月27日に最終第3巻が発売された「すずなの恋」。男性恐怖症の女子高生・小山内すずな(おさないすずな)が、友達との交流を経て自分を変えて行く物語。人見知りで内気、運動が不得意のはずなのに男子を避けるために機敏な動きをする主人公すずなと、偶然ペアルックでバスに乗り合わせた涼城棗(すずしろなつめ)とのラブコメは「もどかしい!」と感じるほど2人の関係が少しずつ進展していきます。

この作品の特徴は、ラブコメでよく描かれる「一方的な思い」だけを描写していないところです。棗を思うすずなと、すずなが気になる棗、どちらの視点からの描写があるのでその気が両者にあるのに中々関係が進展しないからもどかしい。
ただし、すずなの恋で描かれる恋愛は、男性恐怖症である主人公すずなが友達たちとの交流を通してちょっとずつ変化していく描写は見事。

奥ゆかしくて読者も思わず赤面?

すずなと棗は、お互いの下の名前さえ恥ずかしくて呼べないところ、相手のことを思うだけで顔が真っ赤になってしまう姿がこそばゆい。棗が不器用なすずなを助けようと行動する姿も好感が持てますし、友達の「深山かりん」と「吉野桐吾」を含めた思わず読者も気恥ずかしくなってしまうような恋愛は応援したくなります。

個人的には、幼少の頃にすずなに意地悪をしていた「三島柊二」の存在が大きく、彼がすずなに掛けた言葉によって本当に男性恐怖症を克服したかどうかが示唆されたシーンが良かったです。すずなが巻数が進むにつれて、すずなと棗の微妙な関係性が確かなものへ変わっていく様子にニヤニヤが止まりませし、3巻で終了するのが勿体ないほどもっと続きが読みたいと思いました。

すずなの恋第3巻・発売前カウントダウン

あづま先生は、すずなの恋3巻の発売に合わせてカウントダウンをツイッター上で行いました。すずなの恋に登場するキャラクターたちのイラストを交えながらカウントダウンを実施していたので一見の価値アリです!

あづま先生の作品情報を知りたい!

SNSやホームページがあります

またあづま先生は、ツイッターを中心に新作漫画やご自身の趣味などについて積極的に発信しています。先生が運営するホームページ(ムーントレイス)・pixivでは、ほんわかした可愛らしいイラストも見ることもできるのでオススメです。

コメント返信などファンとの交流も盛んで、幅広いファン一人ひとりを大切にしてくれていることや、先生の素朴で飾らない様子も素敵です。気になる方は先生のホームページやツイッターに一度、遊びに行ってみましょう。

あづま笙子先生の公式ホームページ

あづま笙子先生の公式pixiv

「事件です!シャーロッ子さま」・「吸血鬼にっき」

紹介した作品以外にも、まんがタイムジャンボで連載していた「事件です!シャーロッ子さま」が存在します。お嬢様学校を舞台にした学園コメディですが、残念ながら単行本は発売されていません(どこかで読める機会があれば良いのですが)

紹介しきれなかった「吸血鬼にっき」も、人外(吸血鬼)と人間の日常生活がコミカルに描かれ、人間の主人公「桜井はな」と吸血鬼「シーザー」とのラブコメも良い感じ。こちらもの作品も思わずニヤニヤしてしまうシーンが魅力的です。

「ぷらんつ・がーる」が連載中!

現在あづま先生は、ぶんか社から発行されている「主任がゆく!SP」にて「ぷらんつ・がーる」を連載中です。
「ぷらんつ・がーる」は、会社に置いてあったラベンダーが人間の女性になって29歳の会社員と同棲生活をする物語となります。年齢が少し高めの作品で、元ラベンダーのサキさんが非常にキュートで癒される作品です!

最後に

あづま先生の作品は登場キャラクターの優しさはもちろん、のほほんとした雰囲気があって落ち着いて読める作品が多いです。日常系作品に必要な要素が一通り揃っているので、読み手を厳選せずに幅広い世代に好まれるタイプの作風ではないでしょうか。

年齢差・人外など物珍しい設定の作品が多いですが、内容を読めば一つひとつのシーンが丁寧に描かれていることが分かりますし、何と言ってもキャラクターたちの絶妙な距離感や関係性は素晴らしい。このニヤニヤ感は、あづま先生にしか描けないことだと思いました。

あづま先生の描く優しくてほのぼのとした世界観や、キャラクターたちのギャップ・関係性は心地良く、読みやすいことも大きな長所です。数ある4コマ漫画から何か読んでみたいと考える方にあづま先生の作品がオススメですし、もっと評価されてほしい漫画家さんですね!

まとめ買い:
[まとめ買い] かてきょん(バンブーコミックス 4コマセレクション)
[まとめ買い] すずなの恋

記事担当:キリンリキのしっぽ