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おじさんとマシュマロ

pixivから火が付いて、2016年には短編ですがアニメ化されています。その後も後継作品が続々発表されるなど、著者の音井れこ丸先生にとって大きなデビュー作となった作品です。SNSでも評判となり、まさにインターネットを中心に評判が広がった作品ですね。

この作品のメインとなるのは、マシュマロが大好きな太ったおじさん。そして、そんなおじさんのことが好きでたまらないちょっと変わったOLさんです。ちょっと不思議な組み合わせに見えるのですが、漫画を読み進めていくと二人の世界観に引き込まれていきます。

私自身pixivコミックのアプリでこの作品に出会い、今ではこの世界にすっかりハマってしまいました。思わず見ていて、ニヤッとしてしまうほど二人が可愛いんです。そんな『おじさんとマシュマロ』について詳しくご紹介させていただきますね。

あらすじ

中年でぷくっと太ったサラリーマンの日下 幅広(ひげ はばひろ)は、食べっ子マシュマロというマシュマロが大好き。月に一度は製造元の元気田堂へ工場見学に行くほど。性格は非常に温厚ですが、食べっ子マシュマロのことになると周りのことが見えなくなってしまうこともしばしば。みんなからはヒゲさんと呼ばれています。

そんなヒゲさんに恋して猛アタックをする若林 伊織(わかばやし いおり)は24歳。当初はヒゲさんの気持ちを引くためにマシュマロをあげたりしていたのですが、当の本人はマシュマロばかりに夢中で若林さんの気持ちには全然気付いてくれません。

そんな煮え切らない状況がもどかしくなった若林さんは、色仕掛けに走ったり基礎体温表をヒゲさんに渡して猛アタック。当初はずっとこんなバタバタが続いていくのかな?と思いましたが、二人の周りの人間関係も変わっていくのです。

感想

とにかくヒゲさんが可愛くて癒される!

『おじさんとマシュマロ』というタイトルの通り、メインとなるキャラクターはヒゲさんです。彼の魅力は何と言ってもピュアなところ。もちろん男性ですからそれなりに反応してしまうこともあるのですが、彼にとってはどこまで言っても食べっ子マシュマロが最優先。製造元の工場では、彼のことを「妖精さん」と呼んでいます。小さな子どもばかりが見学に訪れる工場を月に一度訪問し、静かに礼をして去っていく姿は食べっ子マシュマロへの深い愛情を感じさせます。

では男性として見た時にはどうなのか。ヒゲさんと若林さんが働く会社はネット関係の会社なんですよね。そのため、パソコン関係もわりと詳しいんです。大きな体に関しては賛否両論あるでしょうが、フェチの方には本当にたまらなさそうな大きなお腹をしています。若林さんはそんなヒゲさんのことを触って喜んだりしていますが、ふにゅっとマシュマロのように柔らかいのでしょう。そう考えると、万能的にモテるタイプではないものの、一部からは熱い支持を受けそうです。優しい中年男性というのもポイントが高いですよね。

実際、ヒゲさんは若林さん以外にMIO5さんというイラストレーターからも求愛されることに。実は彼女、ヒゲさんが働いている会社の、社長さんの恋人なんです。にも関わらず、助けてくれたと勘違いしてそれからヒゲさんのことが好きになってしまいます。他に彼氏がいる女性なのですが、それでもアプローチは結構盛んで若林さんと熱いバトルになります。逆に考えてみると、恋人のいる女性を夢中にさせてしまうほどの魅力がヒゲさんにはあるのかもしれませんね。

若林さんの独特なキャラクターが良い!

ヒゲさんに恋する若林さんもなかなかの曲者です。彼女は、あまり表情が顔に現れないんですよね。でも、同期や先輩など一緒に働く方々はわかってくれているそう。そう考えると、表情が少なくてもコミュニケーション能力には長けているのかなと思います。通常、ちょっと言いにくいようなことでもハッキリと言えてしまうような性格の子なので、会社では周りから結構可愛がられているのでしょう。ヒゲさんとのやり取りも周りにとってはおなじみです。

特に、若林さんは課長から気に入られています。よく若林さんはヒゲさんに食べっ子マシュマロを食べさせているので、それを見た課長が僕も!とお願いするのですが、一刀両断。課長に対してここまでハッキリ言える若林さん、ちょっと気持ち良いです。でも、そんなハッキリとした性格なのに、ヒゲさんの前では素直になれません。まさに、好きな子はいじめたいという感じの状態になってしまっています。そんなギャップがまた可愛らしいんですよね。

ちなみに、若林さんには弟がいます。若林さんのことが大好きで、いわゆるシスコンな弟ですね。もちろん弟に対してもハッキリとした態度。でも、休日に一緒に出かけたりとそんな可愛らしいところもあります。ちなみに、一緒に出かけた時には食べっ子マシュマロの工場見学に行くヒゲさんとバッタリ出会ってしまい、弟を置いて一緒に工場見学に行ってしまうんですけどね。こんなところも一途で可愛いなぁと個人的にすごくお気に入りのポイントです。

周りのキャラクターとの関わりで変化していく物語

ヒゲさんと若林さんがストーリーの中心になっているのですが、周りのキャラクターも非常に魅力的。若林さんが気になっている課長さんですが、実は媚薬を作ったりするのが得意という謎な特技を持っています。そして、作った媚薬を料理に混入させたりとやりたい放題。この課長さんが出てくるシーン、実は大好きなんです。一見いかにも会社で嫌われていそうなタイプなのですが、飄々としているんですよね。なんだかんだちゃっかり素敵なパートナーも見つけています。

食べっ子マシュマロを作っている元気田堂では、二人のキャラクターがピックアップされています。先輩と後輩なのですが、後輩は若干マシュマロを愛しすぎているヒゲさんに引き気味。でも、後半になると段々とヒゲさんの魅力に気付いていきます。工場は、本当にマシュマロが好きな人達の世界という感じ。後半になると、この二人がヒゲさんと若林さんを救うシーンも出てきます。脇役かと思いきや、ヒゲさんの食べっ子マシュマロを作っているわけですからとても大切な人達なんですよ。

しかし、ヒゲさんと若林さんの関係を大きく変えていくのはやはりMIO5さんの存在だと思います。今までは想いが伝わらなくても、そばにいてくれる安心感がありました。でも、実際に目の前にヒゲさんを奪い去っていってしまう存在が現れたらどうでしょうか。MIO5さんが現れてから、若林さんは嫉妬の気持ちを思い切り溢れさせています。そんな彼女が可愛いと思うと同時に、天然なヒゲさんで大変だなぁと思う一面もありますよね。

まとめ

1巻通して読んでみて、最初はほっこりする感じのお話が多かったですね。いわゆる日常系ギャグのような感じで、周りから見たらイチャイチャだけど、ヒゲさんからしたらいたずらにしか思えないような事ばかり。そんないたずらを仕掛けてばっかりの若林さんが、真っ直ぐな乙女心を表現しているところが何と言っても可愛いんです。そのため、軽く読めてしまうのが魅力的。まさに合間に読むのに最適だと思います。でも、ハマってしまう。そんな作品ですね。

私自身としては、「最近ときめきが足りない!」という方に読んでみて頂きたいです。純粋な恋愛漫画って読むのに疲れてしまったり、ヒロインに感情移入出来なくて…と、恋愛と遠ざかっている女性が読むには逆にヘビーな面もあったりします。しかし、『おじさんとマシュマロ』は本当に二人の関係の進み具合をほっこりしながら読み進めていくことが出来るんです。そのため、軽くときめきたい時に読んで頂くと微笑ましい気持ちになれる作品かなと思います。

ちなみに、作者の音井れこ丸先生は新作も発表しています。こちらは『若林くんが寝かせてくれない』というタイトル。この作品のヒロイン、若林郁乃ちゃんという高校生なのですが、実は今作の若林さんのいとこなんですよ。身内で似たようなフェチをお持ちで、夜なかなか眠れないために学校で寝てしまう先生を追いかけてはいたずらばかりしています。そちらも少し読んだのですが面白かったので、単行本を購入しました。おじさんとマシュマロの世界観がお好きな方にとてもおすすめです。

オススメ度
★★★★★★★★★★ ★10

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