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ゆゆ式 (1) (まんがタイムKRコミックス)

ゆゆ式は三上小又先生作の4コマ漫画で、2008年からまんがタイムきららにて連載がスタートしました。2013年にはアニメ化しています。他のビッグタイトルに比べるとやや地味な印象があるものの、実は非常に評価の高い漫画でもあります。

舞台となるのは情報処理部。けいおん部や喫茶店などに比べると、やはり舞台も少々地味なようなイメージがありますよね。しかし、派手さはないですがこのまったりとした感じがまさに日常系の漫画なのだと思わせてくれます。

実は非常に人気の高い作品で、萌え系漫画のランキングの中では常に上位をキープしている存在です。まったりとしていて地味なはずの漫画がなぜこんなにも人気を集めるのか、ゆゆ式の世界観や内容をレビューさせて頂きます。

あらすじ

元気いっぱいで無邪気なゆずこ、天然なお嬢様の縁、しっかり者の唯。名前に【ゆ】のつく三人組は、性格はそれぞれ違いますが中学生の時から大の仲良しトリオでした。その三人が高校に進学したところから物語は始まります。

高校に進学したばかりで部活動のことを考え始めた三人の前に現れる【お母さん】と親しまれている先生。それがきっかけで、三人は情報処理部の部室に入ってみることになります。人がいなくて休部中の部室はとても静か。

そして、何よりすごく狭い部室に、シンプルにパソコンデスクが並んでいるだけ。でも、この狭さが何だかしっくりきます。そして、三人は情報処理部に入部することになるのですが、情報を処理する…というよりは、インターネットで調べ物をするといった感じ。そんなまったりとした部活の内容がこのお話のメインとなります。

感想

バランスの取れた主人公達が魅力

この作品の良いところは、主人公三人のバランスが非常によく取れているところだと思います。三人の中で1番サバサバしていて男性的な性格の櫟井 唯(いちい ゆい)ちゃんは、とっても美形。毎回他の二人から色々といたずらをされるものの、元気なゆずこに対しては軽く叩いたりとお仕置きをすることも。一人っ子で育ちましたが、縁とは子どもの頃からの知り合い。お嬢様である縁の金銭感覚を見て育ったため、逆に節約するしっかり者さんです。

日向 縁(ひなた ゆかり)はおっとりとしたお嬢様キャラではあるのですが、いたずらが大好きでよくゆずこと一緒に唯にいたずらをしていますね。典型的なお嬢様キャラですが、古いギャグを飛ばしてきたりとなかなかパンチの効いた存在。ちなみに、情報処理部の部長は彼女です。よくインターネット上では彼女の不思議な感性が注目されており、数々の漫画の中でもこういったギャグ系の二次創作の多い面白いキャラクターだと思います。

三人娘の最後は野々原 ゆずこ(ののはら ゆずこ)です。見た目からして元気いっぱいでいたずら大好き!という女の子ですが、実は成績が優秀という一面もあります。でも、本人はあまり頭が良いということを知られたくないみたいですね。ゆずこは猫が大好きで、怖いものが嫌い。そして、貧乳をちょっと気にしています。唯にいたずらをしてはやり返されるわけですが、なかなかへこたれません。ただのおバカなキャラではなく、頭が良いところが私のお気に入りですね。

お母さんの存在が魅力的すぎる!

私がこの作品で1番好きなキャラクターは、お母さんこと情報処理部の顧問である松本 頼子(まつもと よりこ)先生です。お母さん、実はとても可愛らしくまだ若い新任教師なんです。でも、溢れる母性からお母さん、お母さん先生と呼ばれるようになってしまいました。最初はこう呼ばれるのが嫌だったみたいですが、今ではちょっとお気に入りみたい。そう呼んでくれる生徒が可愛く感じるなど、ますます女神のような母性を発揮してきています。

お母さんは、まさにお母さんなキャラクターが魅力ですね。見た目はゆずこも嫉妬する巨乳ですし、ほんわかとした癒やし系の女性です。でも、どこかどんくさいというか、田舎っぽいというか。美人なのに美人になりきれていない感じがすごく好きです。完璧な美人だとちょっと近寄りがたいですが、美人で巨乳なのに親しみがあり、生徒からは若いのにお母さんなんて呼ばれている。自分の中ではまさにドンピシャに好みなキャラクターだと思います。

ただ、情報処理部のパソコンを家にお持ち帰り中。返す予定は無いみたいですが、何かしらのお約束でもあるのかもしれません。こういった飄々としている感じもまた良いもの。というか、逆にお母さんらしさを感じさせられます。主人公の三人とは友人や姉のように接しているのですが、やはり色々なところでお母さんとしてのオーラが出てしまっているのが可愛らしいところですね。母性本能溢れるタイプのキャラクターがお好きな方には特におすすめしたいです。

本当の日常を感じさせるストーリー

日常系の漫画は、非常に大雑把に分けて2種類あります。1つが、イベントなどを取り入れ、なんだかんだ話が大きく動いていく漫画。もう1つが、本当に日常を切り取ったような穏やかなストーリーです。ゆゆ式の場合は、後者にあたりますね。大きなイベントを取り上げるわけではなく、日常の些細なことをストーリーに組み入れています。これは、私達の日常と同じだと思うのです。定期的にイベントはやってくるけれど、そう多くは無い。つまり、本当に日常を描いている漫画なんです。

例えば、時々出てくる下ネタ。正直、男性が想像するよりも女の子は進んでいます。女の子同士で結構過激な下ネタを話したりもするのですが、ゆゆ式はそういう距離感がちゃんとあります。ほどよい下ネタなら話が盛り上がりますが、あまりにも下品だったり生々しいものはちょっと引かれてしまったり。このへんが本当にリアルだなぁと思うのです。私自身学生時代に同じ経験がありますので、日常系の漫画を読んでいたはずなのに、なんだか共感してしまいました。

だからこそ、ゆゆ式に登場するギャグは本人が言って満足するかどうかなんです。相手が笑ってくれたとか満足してくれたとかそういうことではなくて。思いっきり笑わせてくるような漫画もありますけど、ゆゆ式は違います。キャラクターが満足しているかどうか。そこに読者がちょうどハマれば良いですし、ハマれなくても女子高生がキャイキャイしているところに癒やされます。そんな、頑張りすぎていないところが大きな魅力だと思うのです。

まとめ

ゆゆ式は、日常系漫画ということにすごく焦点を合わせている漫画ですね。だからこそキャラクターをすごくリアルに感じることが出来るわけです。部屋の中で寝転がって読んでいたら、まるで隣の部屋にキャラクターの誰かがいそうな感じ。もしかしたらお母さんが隣に住んでいて、学校から帰ってきて晩ごはんでも作っているかもしれません。そんなリアル感がゆゆ式の最大の魅力であり、いつまでも人気を集めている理由なのではないかと思います。

ゆゆ式は、作者の先生にとって非常に大きなデビュー作であり、なおかつ代表作となりました。というより、萌え系日常漫画を代表する漫画でもあると思います。本当の女の子のように生き生き…というよりは、本当の女の子みたいだからこそちょっとだらけていて、ゆっくりなリズムが心地よいですよね。ゆゆ式を読み返すと、何だか力が抜けてしまいます。といっても、気持ちの良い脱力感ですね。頑張りすぎて辛くなっている時とかに読むとリラックスします。

ゆゆ式における私のイメージは、夕日の綺麗な校庭。情報処理部の窓からも、時間になると穏やかな光が入ってくるでしょう。部活動だったり帰宅する生徒の声が聞こえていて、でも、情報処理部の中だけは集中していてちょっと静かな感じ。騒がしい日常の中でも、こうやって静かな一瞬は必ずどこかにあるはずです。それを思い出させてくれるような作品ですね。読みながら思わずうたた寝してしまうくらいがちょうど気持ち良い作品だと思います。

オススメ度
★★★★★★★★★★ ★10

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