SE 4 (ジェッツコミックス)

此ノ木よしる先生は現在、ヤングアニマルで「変女~変な女子高生 甘栗千子~」を連載されている女性漫画家です。この「変女」がプチブレイク中の此ノ木先生なのですが、「変女」の連載を始めるまでに2つの作品を世に送り出しています。

「SE」と「こみっく☆すたじお」というのですが、この2作も「変女」に負けず劣らず魅力的なんです。前2作品を通して、どのようにして此ノ木先生が「変女」に辿り着いたのかを徹底分析します!

それではまず「SE」の紹介からです。

天才女子高生がオナホを開発する!という強烈な設定の「SE」

大作アメドラに匹敵する良設定

此ノ木よしる先生の作品の中でも、圧倒的に惹かれる設定を持つ作品が「SE」です。「SE」がどんな作品かというと……。

新社会人となった丘史郎が入社したIT企業の社長は、天才女子高生プログラマー高島百香(たかしまももか)といった。そんな百香が自分の未来を掴みとるために開発しているのは「オナホール」だった!「プログラマー×オナホール」という前代未聞のラブコメ漫画ここに開幕!

 
「天才女子高生社長!」うん、わかるわかる。萌えるもんね。「IT企業!」お仕事ものが流行ってるもんねぇ。「オナホール開発物語!」……は?いきなり何を言い出すんだ、この作者は……。

でもねぇ、メッチャ興味をそそられるんですよね。事実、「SE」の第一話は「変女」まで含めて此ノ木作品の中で一番面白いと思います。メインヒロイン高島百香が、世間からなんて呼ばれているか知っていますか?「オナホ界のジョブズ」ですよ。

僕はアメドラをよく視聴しているのですが、「SE」の設定はそれらに匹敵する出来栄えです。恋、夢、秘密、引き抜き――それに加えて日本の「萌え」ときたもんだ。

特に1巻は問答無用でお奨めできる出来なんです。

高島百香の抱える秘密とは?


引用元:SE1、此ノ木よしる、白泉社、kindle版、p194

ヒロインの天才女子高生プログラマー社長・高島百香は、主人公に対してとある秘密を抱えています。その部分が少しシリアスで、此ノ木先生の他の2作品にはない味が出ています。

このとある秘密については、ぜひ実際に本編で確認してみてください。

デビュー作は漫画家漫画の「こみっく☆すたじお」、ヒロインはロリ系!

此ノ木よしる先生の商業デビュー作は漫画家漫画の「こみっく☆すたじお」でした。こんな感じの設定です。

漫画家志望の相原実は編集者の紹介で憧れの格闘漫画家・高倉健二のアシスタントに入ることになる。しかし、実際に会ってみた高倉健二の正体は小学生か中学生ぐらいにしか見えない瀬貝いちこ(20)という女性だった!

 
なんと、メインヒロインが「合法ロリ」という漫画家な漫画がデビュー作だったのですね。「SE」でもそうでしたが、メインヒロインと主人公とのいちゃラブ感がすごいです。

メインヒロインの瀬貝いちこは20歳という設定なのですが、外見が小中学生のそれなので絵面がかなり危ういことになっています。一歩間違えば「LO」に進出していたとしてもおかしくありませんよ。それを除けば、安心安定のラブコメディです。

そして、なんと……最終4巻の最終話では、最後までやっちゃってます☆これはつまり……変女でもそこまで描いちゃう可能性があるってことですよ!というか、実は「SE」も……だったので、統計学的に変女でも行為が描かれる可能性が高いということです。

なんか僕、ちょっと緊張してきましたよ。

「SE」と「こみっく☆すたじお」に「変女」の原型が!

「変女」は7巻(2017年11月末に8巻発売)まで刊行され、各所で話題にもなり、此ノ木よしる先生の代表作となっていますが、実は「変女」の原型のようなものは「こみっく☆すたじお」と「SE」の中にみてとれるのです。

それでは証拠の画像を交えながら分析していきましょう。

甘栗千子の原型はデビュー作に登場していた

「変女」はメインヒロインの変態女子高生・甘栗千子の魅力で人気作品となりましたが、その千子の原型となるようなキャラクターが「こみっく☆すたじお」と「SE」にいるのです。

【①女子高生1号】「こみっく☆すたじお」のサブヒロイン、女子高生アシスタントの西川秋乃(下画像は「変態女子高生」というキャッチフレーズの初出)

【②女子高生2号】「SE」のメインヒロインで、天才女子高生プログラマーの高島百香

【③女子高生 完全体】「変女」のメインヒロインの淫語マスター甘栗千子

「こみっく☆すたじお」の秋乃は前半はメインヒロインに百合的な興味を持つ変態女子高生として描かれ、後半は他の漫画家先生とラブコメを繰り広げる純情キャラとして活躍しました。秋乃の純情っぽさは、「SE」の百香に受け継がれ、変態女子高生としてのキャラクターは「変女」の千子に受け継がれたという感じなのです。

この三人は女子高生というだけではなく、キャラクターデザインも非常に似ているんですよね。変女は途中から大きく絵柄が変わりましたが、「こみっく☆すたじお」の4巻あたりと、「SE」全編と、「変女」の1巻は、ほぼ同じキャラクターデザインと言っても過言ではありません。

また、「変女1」の巻末漫画では、裏設定として千子と秋乃がいとこであることが描かれています。秋乃が此ノ木先生の大のお気に入りであったことは、「こみっく☆すたじお」4巻の巻末で此ノ木先生自身語られています。

出版社は移りましたが、そんな秋乃を原型とするキャラクターが後の「変女」に繋がったと思うと感慨深いですね。

変女の桃木りりの原型はデビュー作のヒロイン?

此ノ木作品にはロリキャラの系譜も存在しています。まぁ、デビュー作のメインヒロインが合法ロリでしたからね。

【①ロリキャラ1号】「こみっく☆すたじお」のメインヒロイン、瀬貝いちこ

【②ロリキャラ2号】「SE」の腹黒SE、森田菜乃


【③ロリキャラ3号】「SE」の資産家、島風千代子

【④ロリキャラ 完全体】「変女」の勃起使いの弟子、桃木りり

此ノ木作品のロリキャラに共通するのは、デフォルメ時の口をすぼめた時の表情です。その他の部分は共通しているところと、全く違うところがありますね。特に「SE」の森田菜乃だけが異色で、腹黒ビッチキャラとして描かれています。

進化の最終形・桃木りりは、島風千代子の外見と瀬貝いちこのチョロい性格が合わさった最高のロリキャラとして描かれていますね。

「SE」と「こみっく☆すたじお」に淫語要素が

変女はヒロインの千子が「勃起」「ち〇こ」「オナニー」といった淫語を連呼するのが特徴で、そのことについては別エントリにおいて語り尽くしています。ここでは、「こみっく☆すたじお」と「SE」にも淫語要素の原型のようなものがあった!というシーンを紹介します。

まずは「こみっく☆すたじお」から

サービスシーンは多いのですが、変女に通じる淫語っぽさが出てくるのは後半からです。「ビッチ―フ(ビッチとチーフの合成語)」と言いながら両指を指しているシーンは、変女の千子だと言われても違和感がありません。

次は「SE」から

みよ!オナニーに対するこの熱意

オナホが題材なので、オナニーという言葉も半ば日常語になっています。

千子のオナニーに関する異常とも言えるほどのこだわりは、「SE」から引き継いだもののように思えますね。

変女は此ノ木作品の完成形

此ノ木ラブコメは変女で完成形になった

こみっく☆すたじお SE 変女
いちゃラブ要素
絵のエロさ
サブヒロイン
表現
淫語
物語性 ◎(特に1巻)

「こみっく☆すたじお」「SE」を経て、「変女」において此ノ木ラブコメは完成したと僕はみています。萌え漫画読みの僕からすると、「こみっく☆すたじお」と「SE」は男性向けラブコメとして少し欠陥もあったように思うのです。

「こみっく☆すたじお」のラブコメとしての欠陥は、第二ヒロインと呼べるほど魅力があった変態女子高生の秋乃のフラグを、主人公ではない別の男キャラと立てたことにあると思います。男性向けラブコメとしては、フラグは主人公と立てるべきなのです。ただ、秋乃をこのように描いたからこそ今の「変女」があると考えると悪い選択ではなかったのかもしれません。

「SE」のラブコメとしての欠陥は、少々両想い発覚のが早いかな……というところと、百香に肉薄するような恋のライバルが登場しなかったことだと思います。腹黒ロリの菜乃に迫らせようとしましたが、彼女は少し邪過ぎました。「こみっく☆すたじお」も「SE」も、ヒロインと主人公のいちゃラブをひたすら描き続けるという点では素晴らしいの一言なんですけどね。

「変女」はそんな前2作の欠陥を見事に克服しています。男性向け萌えラブコメの禁則事項を一つも犯していないのです!その上で此ノ木先生の持ち味であるいちゃラブが展開されているので「最高です」の一言です。

洗練されていく絵

作品を重ねるにつれて絵が洗練されていっています。「こみっく☆すたじお」の時から基本的な部分は上手いのですが、「こみっく☆すたじお」ではよくある萌え絵の領域にとどまっています。

「SE」から此ノ木よしるの作画だ!という感じが出てきますが、絵のみでのエロさはまだまだな感じでした。「変女」になると絵だけでエロい!そして、「変女」では巻を経るごとに作画が神々しいものへと変わっていきます。

かわいくて、エロくて、神々しいんです。

此ノ木作品の絵柄の変遷

【こみっく☆すたじお】現在の此ノ木よしる先生っぽさはまだ少ない

【SE】秋乃と比べて胸が……。「これがバストパワーです」

【変女】この子のためなら全て捧げてもいい!と思わせるようになった千子。

表現も変女では洗練されている

これは甘栗千子のキャラクター性によるところも大きいのですが、変女では恋愛に関する感情表現がかなり工夫されています。

「こみっく☆すたじお」のいちこも、「SE」の百香も恋愛感情はかなりストレートに表現していました。「変女」の千子は基本的に無表情なので、他の部分で恋愛感情を表現する必要があったのです。

主人公にはわからない形で、読者に千子の恋愛感情を伝えているシーンが以下です。

まとめ

此ノ木よしる先生の作品世界を、作品同士の関連性からまとめてみましたがいかがだったでしょうか?

変女8巻が11月29日に発売ということで楽しみにしています。これからも此ノ木よしる先生の作品を追いかけていきたいですね。

記事担当:カオス