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わずか10歳の魔法使いの少年ネギ・スプリングフィールドが女子校で担任を務めることになってしまう「魔法先生ネギま!」。今回は、新たな敵が登場するバトルシーン満載の単行本第8巻のレビューをさせて頂きたいと思います。

前巻で、かつての強敵エヴァンジェリンに弟子入りしたネギ。最初はぶっきらぼうだったエヴァンジェリンもネギのことを認め始めた様子で、わりとご機嫌に修行をつけてあげています。8巻はエヴァンジェリンとネギの修行パートから始まり、とある「元凶」との戦いまでが描かれていました。

あえて「元凶」と表現したのは、その敵がかつてネギの村を襲った経験を持っているからです。1巻の冒頭でネギの故郷の村は何者かに襲われて壊滅してしまったと説明されていましたが、8巻にしてついにその犯人のひとりが現れるのです。ちょっとシリアス展開多めの8巻、詳しくは以下のレビューでご紹介させていただきます。

あらすじ

弟子入りテストに合格したネギは、連日のようにエヴァンジェリンのもとへ通って修行に明け暮れています。エヴァンジェリンもノッてきた様子で、ネギがひとりでも強敵と戦えるよう、強力な古代魔法や戦法を伝授してくれているようです。

ネギが修行に明け暮れているその頃、3‐Aの生徒である千鶴と夏美は、雨の中たおれている子犬を拾っていました。介抱しようと子犬を連れ帰った2人でしたが、実はその子犬の正体はかつてネギと激闘を繰り広げた「犬神小太郎」であることが判明します。

倒れていた小太郎は何故か傷を負っており、どうやら何者かから逃げている様子でした。記憶が混濁する小太郎の前に突然現れたのは「瓶を渡せ」と告げる謎の老紳士。小太郎は何故追われる立場にあったのか、そして小太郎を負ってきた老紳士の正体は一体なんなのか。ネギの知らないところで、物語は静かに動き始めます。

感想

エヴァンジェリンとの修行は思わぬ展開に

8巻はエヴァンジェリンとの修行パートから始まります。前巻ではネギの弟子入りに難色を示していたエヴァンジェリンですが、どうやらとっくに吹っ切れたようです。「悪い魔法使い」と自称していたのは何だったのかと思ってしまうほど、ネギにとって「良い師匠」と化しています。カモ君が「こんなにエヴァンジェリンの修行が厳しいとはな!」とコメントしていますが、傍から見てる分にはけっこう楽しそうに見えます。毎回思うんですが、ネギ以外のキャラクターがほとんど可愛い女の子ばかりなので、退屈なはずの修行パートでも楽しく読めるのがこのマンガのスゴイところですね。

そんなエヴァンジェリンとの修行パートですが、予想とはかなり違う展開に進み始めます。修行開始時にはおそらくネギとエヴァンジェリンの2人きり、もしくは参加しても茶々丸&チャチャゼロくらいだろうと考えていました。しかし、エヴァンジェリンの修行場には明日菜・刹那・木乃香・のどか・夕映・古韮・朝倉までもが現れます。ネギとパクティオーを結んでいてすでに戦闘経験のある明日菜や刹那はまだ分かりますが、夕映や朝倉が修行パートに参加するというのは意外でした。

それどころか、のどかと夕映に至っては本格的に魔法を学び始めるようです。8巻はネギの修行パートになるのかと思いきや、すでに魔法と関わりのある3‐A生徒たち全体の修行パートとなりつつあります。流石にエヴァンジェリンはネギ以外の面倒まで見る気はさらさら無いようですが、のどかや夕映にはネギ自身が魔法を教えていきます。なにげに、修行場に無断で入ってきたヒロインたちに怒るでもなく「別に構わんが」と受け入れるエヴァンジェリンにも人間的な変化が見られると感じました。

シリアス多めなので好き嫌いは分かれる

8巻は全体を通してシリアスな話の流れになっているので、暗い話が嫌いな方には不向きかもしれません。明るいマンガというイメージのある魔法先生ネギま!ですが、実は1巻の冒頭からネギの村が壊滅するシーンで始まっており、決して明るいテーマを持っているわけではありません。普段はキャラクターの可愛らしさやストーリーの随所に混ぜ込まれたギャグパートがストーリーの暗さを補ってくれているのですが、8巻はシリアスパートが多過ぎていつもとは雰囲気が違うと感じた読者も多かったのではないでしょうか?

この巻のストーリーを暗くしてしまって一番の原因は、ネギの村を壊滅に追いやった「元凶」の登場でしょう。元凶が何者かということについてはネタバレになってしまうので触れませんが、8巻の後半はこの敵との戦いで占められています。ネギの故郷の村が壊滅させられた事件についてはこれまでほとんど情報がありませんでしたが、元凶の登場によって物語は一気に進展を見せます。全ての謎が解けるわけではありませんが、8巻は魔法先生ネギま!という物語の核心を突くエピソードのひとつなりました。

また、65話~66話までは過去編として、ネギの村が襲われた当時の様子が描き出されています。幼い子供の村が壊滅し、育ててくれた大人たちが石化するというストーリーだけに、暗い雰囲気に包まれるのは仕方ないといえるでしょう。シリアス嫌いの方にとっては少し辛い巻になるかもしれませんが、しかし8巻の流れはこの作品にとって必要不可欠なものです。世間では死んだといわれているサウザンドマスターが生きていると確信しているネギですが、どうしてそう思い始めたのかという経緯も過去編で明らかになります。サウザンドマスターを見つけ出すことはネギにとっての最終目標のひとつなので、ぜひ読み飛ばさずにチェックしておいてください。

敵か味方か?犬神小太郎が再登場!

8巻のストーリーでもうひとつの肝となっているのが、「犬神小太郎」の再登場です。犬神小太郎といえば、かつて関西呪術協会の刺客としてネギの前に現れ、激しい激闘を繰り広げたライバル的存在でした。関西呪術協会とのイザコザが解決したあとは反省室に入れられていたようですが、今回は「とある事情」のために脱走してきた模様です。前回は敵側だった小太郎ですが、今回ネギのもとに現れた目的は一体なんだったのかという点に注目が集まります。

ところが麻帆良学園に現れた小太郎は何故か衰弱しきっており、人間の姿を保つこともできずに子犬になって倒れていました。偶然通りがかった那波 千鶴・村上 夏美の2名に保護された小太郎ですが、なんとか人間の姿に戻ったあとも記憶喪失状態が続いてしまいます。ネギに勝るとも劣らない戦闘力を持つはずの小太郎をここまで追い詰めたのは一体何者だったのか…「元凶」の登場といい、8巻は終始スリルのある展開が続きますね。衰弱した小太郎を監視している謎の存在もおり、物語はどんどんシリアスな方向へと進んでいきます。

小太郎が敵か味方かもわからない状況が続きますが、ネギはかなり後半までその場に現れません。エヴァンジェリンとの修行に明け暮れているネギは外部で起こっている異変に気付いておらず、もちろん小太郎が近くにいることも知らないのです。現れた小太郎が記憶を失い、肝心のネギは異変に気付いてもいない…という状況で追っ手が迫る様子は、実際かなり危険だと思います。小太郎が登場してからのスリリングな展開を見ていると、ほんわかした日常回が多かった前巻とはかなり趣が違って感じますね。

まとめ

今回は、魔法先生ネギま!第8巻のレビューをさせていただきました!8巻は全体を通して、シリアスで暗い雰囲気のエピソードが多い巻でしたね。これまでに貼られてきた伏線もバンバン回収されていったので爽快感はありましたが、萌え系マンガとして読んでいる方には賛否両論分かれると思います。お色気シーンなんかもあることはありましたが、今までの巻に比べると萌え要素がかなり少なかったのは事実でしょう。ヒロインたちの可愛い姿を見たい!という読者は物足りなく感じたのでは?

しかし実は、この巻で登場回数が一気に伸びたヒロインも数名いました。例えば、ネギの師匠となったエヴァンジェリンは、修行パートだけでなく全体的に会話でも参加する機会が増えました。初登場時にはぶっきらぼうで冷酷なキャラクターというイメージがありましたが、登場頻度が増えたことで可愛い一面もどんどん見えてきます。また、麻帆良学園内で倒れていた小太郎を保護した那波 千鶴と村上 夏美も今までは非常に地味なキャラクターでしたが、この巻で一気にレギュラーキャラクターに上り詰めています。この3名が好きだった読者なら、8巻の内容にもなかなか満足できたのではないでしょうか。

暗い話が続いた8巻でしたが、次巻はちゃんと日常回に戻るのでご安心を。バトル展開も嫌いではありませんが、魔法先生ネギま!の魅力はやはり麻帆良学園内でのヒロインたちとの生活ですよね。9巻からはファンの間でもかなり評価の高い「学園祭編」に向けての準備が始まるので、8巻でフラストレーションが溜まってしまったというファンもきっと満足できると思います。今までスポットライトを浴びてこなかったヒロインたちがメインとなるエピソードもありますので、9巻もぜひ期待して読んでみてください!

オススメ度
★★★★★★☆☆☆☆ ★6

記事担当:だいなごん

二次元の世界が好きすぎて脱サラし、マンガ・アニメ専門のライターになってしまったヤバい人です。
朝から晩までマンガを読んではレビュー、アニメを見てはレビューという二次元漬けの日々を送っています。

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