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わずか10歳の魔法使いの少年ネギ・スプリングフィールドが女子校で担任を務めることになってしまう「魔法先生ネギま!」。今回は、ファンの間でも評価の高い「麻帆良祭編」の準備が始まる単行本第9巻のレビューをさせて頂きたいと思います。

麻帆良祭というのは、主人公のネギが勤めている麻帆良学園で年に1度だけ開催される学園祭のことです。学園全体がひとつの街になってしまっているほど巨大な麻帆良学園全体がお祭りムードに包まれ、開催期間中は商業施設やイベントなどが目白押しとなります。今までヴェールに包まれていた麻帆良学園全体の様子が見られる、読者にとっても楽しいイベントです。

実際に麻帆良祭が始まるのは10巻からということになりますが、今回ご紹介する9巻では麻帆良祭に向けて準備するエピソードが主となります。9巻にはバトル展開がほとんど無く日常回メインなので、魔法先生ネギま!連載初期のドタバタ系ラブコメの雰囲気も戻ってきて、なかなか楽しい巻となっていますよ!

あらすじ

6月に開催される「麻帆良祭」に向けて学園全体が活気づくなか、ネギの担当する3‐Aクラスの生徒たちも準備に追われていました。3‐Aではオバケ屋敷を開催することになり、クラス全員が団結して昼夜問わずセット作りを進めています。

学園祭に向けて、女子生徒たちの恋愛も徐々に進展を見せているようです。明日菜はタカミチを学園祭に誘おうと努力し、ネギは明日菜に協力するためデートの予行演習に付き合ったりと大忙し。またその裏では茶々丸・相坂 さよ・和泉 亜子ら女子生徒たちが、ネギに対して好意を抱き始めています。

そんななか麻帆良学園内では「学祭最終日に世界樹の下で告白すると必ずOKを貰える」という噂が流れだします。学園長によればその噂は本当で、毎年この時期には学園内にある「世界樹」と呼ばれる大木から魔力があふれ出し、周囲の人を洗脳してしまう恐れがあるというのです。ネギをはじめとした魔法先生たちは、学園祭期間内に世界樹の魔力が悪用されないよう守り抜くという任務を授かるのでした。

感想

久しぶりにバトル無しの巻!楽しい日常回がメイン

魔法先生ネギま!はラブコメパートとバトルパートがハッキリ分かれることの多い作品です。3巻あたりからバトルパートが大部分を占めるようになってきていましたが、9巻にして久しぶりの日常回メインの巻となりました。この巻には敵が登場しませんし、とある勘違いによって小さなイザコザくらいは起こりますが、修行やバトルはほとんどありません。ドタバタラブコメとして人気を博していた連載初期の頃の作風がよみがえったような巻でした。

ストーリーは、主に「麻帆良祭」の準備に絡めて進んでいきます。学園都市とまで呼ばれる巨大な麻帆良学園では、3日間で延べ40万人もの入場者数を誇る大規模な学園祭が催されます。ネギの受けもつ3‐Aクラスではベタにオバケ屋敷を開催することになり、ネギは31人の女子生徒たちと共に忙しい準備の毎日に追われていきます。また、「高畑先生と学園祭を回りたい」という明日菜の希望を叶えるためにデートの予行演習に付き合ったり、最近調子が悪いらしい茶々丸の修理に付き合ったりと、忙しいながらも平和な毎日を送ります。

また、これまでほとんど出番の無かった生徒のピックアップエピソードも豊富でした。9巻でスポットライトを浴びたのは、四葉 五月・相坂 さよ・葉加瀬 聡美・超 鈴音などの女子生徒たち。これまでの巻を見ていると「もうこの子たちは出番ないのかな?」なんて思ってしまうほど存在感の薄いキャラクターたちでしたが、このうち数名は魔法先生ネギま!にとってかなり重要な役どころであることが発覚していきます。ネタバレになってしまうので、どの娘が一番重要なキャラクターなのかは今回のレビューでは内緒にしておこうと思います。

物語そのものはあまり進展を見せない

前巻ではネギの故郷の村が壊滅した過去エピソードや、村を滅ぼした元凶のひとりであるヘルマン伯爵の登場など、かなり暗いエピソードが続きました。その点9巻は、前巻でシリアスになってしまった雰囲気を取り戻すかのように、女子生徒たちとネギが明るく楽しく過ごす感じのエピソードが多くなっています。なので読んでいる分には楽しいのですが、あえて悪い点を挙げるとするなら「物語はほとんど進展を見せない」というところですね。伏線回収ラッシュとなった8巻とは違い、9巻では新たに謎が解明されたり、サウザンドマスターの手がかりが見つかったりということはありませんでした。

ヘルマン伯爵を退け、いよいよ物語の核心に近づいていくか…!?と期待していた方にとっては、ちょっと物足りない巻だったかもしれません。前巻のラストから一転、9巻は麻帆良祭の出し物を決めるエピソードから始まり、これまで目立たなかった女子生徒たちの説明回があったり、あとはラブコメなんかが中心となって進んでいきます。バトル展開が好きで魔法先生ネギま!を読んでいる方は、大きな伏線も無いこの巻はサラっと読み進めてしまっても良いかと思います。

ただし、魔法先生ネギま!を「萌え系マンガ」として読んでいる方にとっては満足いく巻だったんじゃないでしょうか。クラス全員での学園祭の準備というストーリーの性質上、9巻には登場する女子生徒たちが多く、1コマも出演していない娘はひとりもいませんでした。もちろん、明日菜・刹那・木乃香・エヴァンジェリンといった人気の高いレギュラーメンバーの出番もしっかりあるので、どの女子生徒のファンも読んでいて物足りないと感じることはないでしょう。

ネギの学園祭スケジュールがパンパンに…

連載開始以来、ネギ先生のモテモテぶりは本当にとどまるところを知りません。すでにクラスの3分の1近くがネギに好意を抱いているという状態ですが、9巻でもそのモテ男ぶりは加速していきます。新たにネギの虜になった女子生徒がいたことは言うまでもありませんが、そうでない女子生徒たちまでもネギと一緒に学園祭を回ろうとするのです。もちろんネギは女子の誘いを全く断りませんから、学園祭中のネギのスケジュールはパンパンに詰まっていきます。

学園祭は3日間ですが、開催前からネギのスケジュールは一杯です。この時点で入った予定だけでもすでに20件以上…3‐Aクラスには31人の女子生徒がいますが、そのうち20名もの女子から誘われてしまったのです。3日間かけて順番にそれぞれの女子生徒たちのところへ行くことにしたネギですが…教師の仕事をしながらこれだけの予定をこなすのは、容易ではなさそうです。それにしても、女の子からの誘いを一切断らずに全部遂行しようとするあたり、この子は将来奥さん泣かせの浮気男になりそうな気がしてなりません…

それはさておき、ネギの学祭中の予定は女子生徒たちと遊ぶことだけではありません。ネギをはじめとした麻帆良学園内の魔法を使える教師たちは、学祭期間中「世界樹の周りで生徒が告白することを防ぐ」という任務を受けており、女子生徒たちとのデートは任務と平行して行わなければならないのです。このハードスケジュールをネギはどうやってこなすつもりなのか…と不思議に思ってしまいますが、実はネギは「あるアイテム」を使ってスケジュールをこなしていきます。どんなアイテムを使うのかは9巻の時点では明かされませんが、この巻のどこかにヒントが隠されているので探してみてくださいね。

まとめ

今回は、魔法先生ネギま!第9巻のレビューをさせていただきました。9巻は全体を通して平和なエピソードが多く、ハラハラせずに安心して読み進めることができましたね。前巻に引き続きのバトル展開を望んでいた方は拍子抜けしてしまったかもしれませんが、個人的に魔法先生ネギま!はこういう和やかなエピソードのほうが好きです。麻帆良祭の準備を進める女子生徒たちを見ていると、こちらまで学園祭のドキドキワクワク感を味わえるようでした。

この作品の良い所は、準備や修行といった、他のマンガだとダレてしまうようなくだりを丁寧に描いてくれることですね。普通のマンガだと大した準備もなくいきなり学園祭が始まってしまいそうなものですが、魔法先生ネギま!では学園祭の準備を描いたエピソードだけで9巻がまるまる埋まってしまいました。もちろん準備パートもかなり面白かったので、「早く本番いけよ」なんてイライラすることもなく楽しく読み進められました。ちなみに、学園祭本番は準備パートとは比べ物にならないほど長いですし、準備パートよりもさらに面白くなっていくのでお楽しみに。

さて、9巻で麻帆良祭の準備は整い、次巻からはいよいよ麻帆良祭の本番が始まります。魔法先生ネギま!という作品のなかでも最もファンから評価が高い麻帆良祭編、かなり長いエピソードになりますがまだ読んでいない方にはぜひお読み頂きたいです。すでにスケジュールがギッチギチに詰まってしまっているネギ先生ですが、果たしてどのように切り抜けていくのでしょうか。詳しくは次巻のレビューでご説明させていただこうと思います!

オススメ度
★★★★★★★★☆☆ ★8

記事担当:だいなごん

二次元の世界が好きすぎて脱サラし、マンガ・アニメ専門のライターになってしまったヤバい人です。
朝から晩までマンガを読んではレビュー、アニメを見てはレビューという二次元漬けの日々を送っています。

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