Pocket
LINEで送る

わずか10歳の魔法使いの少年ネギ・スプリングフィールドが女子校で担任を務めることになってしまう「魔法先生ネギま!」。今回は、麻帆良学園最大の格闘イベント「まほら武道会」が開催される単行本第11巻のレビューをさせて頂きたいと思います。

前巻から始まった「麻帆良祭」ですが、麻帆良祭編でも最大級のイベントとして知られているのがこの武道会です。表向きには誰でも参加可能な格闘大会ですが、実際に本選に進めるのは魔法使いや、魔法使いとも互角に戦える猛者たちばかり…ハッキリ言って、裏の世界とは縁のない普通の格闘家が勝ち抜けるイベントではありません。

そんなイベントだけに学園内でも数少ない「魔法先生」であるネギは有利かと思われましたが、事はそう簡単にはいきませんでした。1回戦の相手はなんと、ネギが「無理だよ!」と断言するほどに強いタカミチだったのです。前巻は日常回メインでしたが、11巻では熱いバトルが続きますよ!

あらすじ

まほら武道会の予選を勝ち抜き、いよいよ本選へと進んだネギ。ネギの他にも、小太郎・楓・龍宮・古韮・タカミチ・明日菜・刹那・エヴァンジェリンと、合計9人もの3‐A関係者が本選に出場しています。このメンバーだけを見てもかなり魔法関係者が多いことから、どうやらネギの優勝は簡単ではなさそうです。

ネギにとって最大の難関となったのは、1回戦の相手がネギの友人であり、最強クラスの魔法使いであるタカミチだったことでした。少しでも勝てる確率を上げるため、魔法の師匠であるエヴァンジェリン、格闘の師匠である古韮の教えを反芻しつつ、ネギは小太郎から「瞬動」の技術も習います。

本選開幕後、小太郎や古韮といった仲間たちの試合が終わり、いよいよネギVSタカミチの激闘が始まります。果たしてネギは、遥かに格上の魔法使いであるタカミチに対してどのように立ち向かっていくつもりなのでしょうか。

感想

ネギVSタカミチの激闘がとにかく面白い!

11巻の見どころは、やはりまほら武道会の1回戦・ネギVSタカミチ戦でしょう。これまでなんとなく強キャラ感を出していたタカミチですが、今までは出番自体が少なかったため、魔法使いなのかどうかも曖昧な状況が続いていました。しかしタカミチがまほら武道会に出場してくれたおかげで、彼が作中でも最強クラスの魔法使いのひとりであることが明らかになります。ネギもこれまでに数々の激闘を繰り広げてきたやり手ですが、いくらなんでもこの時点ではタカミチに勝てないだろう…と思ってしまいます。

明らかに実力差のある両者ですが、この試合がかなり面白く描かれていました。魔法先生ネギま!のバトル展開には賛否両論あるかと思いますが、私の場合この試合を見てからというもの、魔法使いたちのバトルもこの作品の醍醐味だと感じるようになりました。もともと萌え系マンガとして周知されていた作品だけにバトル展開を望まない読者が多いのもわかりますが、魔法先生ネギま!は「萌え」と「バトル」がしっかり融合した作品だと感じます。

この後の巻でも熱いバトル展開はいくつもありますが、まほら武道会のネギVSタカミチが個人的にはベストバウトです。初登場時には女子のスカートめくりにばかり魔法を使っていたネギが、エヴァンジェリンや古韮との修行を経てここまで強くなったのかと実感させられます。また、ここへきて初めて魔法を使ったタカミチの強さにも舌を巻いてしまいました。わずかな描写でここまでキャラクターの強さを読者に伝えることができるのか…と感心してしまったほどです。この試合は他の有名マンガのバトルシーンと比べても遜色ないと思いますので、萌え系マンガ好きだけでなく、バトルマンガ好きの方にもぜひ読んでもらいたいです。

暗躍する超や龍宮から不穏な気配が…

悪いところ…というほどでもないんですが、11巻にはちょっとモヤっとしてしまう描写がありました。11巻全体に少しづつ散りばめられている描写なのですが、ネギが受け持つ3‐Aクラスの女子生徒のひとり・超 鈴音が何かを企んでいるようなのです。超はネギに時間旅行用の発明品「カシオペア」を貸してくれるなど、現時点では味方側のキャラクターなのですが、どうも彼女の企みは「イタズラ」なんて可愛らしい言葉で収まるレベルではなさそうです。言動や行動から「もしかして敵側の人間なのでは?」と思わせるような雰囲気を醸し出している超が、11巻全体の雰囲気を不気味にしているように感じました。

超だけならまだしも、超の企みには明らかに複数人の女子生徒が関わっている様子です。少なくともこの時点で龍宮と葉加瀬は超側の人間であることがほぼ確定しており、それ以外の女子生徒たちが関わっている可能性も否定できません。9巻あたりからクラス全体がまとまった良い雰囲気だっただけに、ここで「クラスに裏切り者がいるかもしれない」という疑心暗鬼がぬぐえなくなってしまいます。この時点でネギはそのことを知りませんし、表向きは楽しい麻帆良祭という雰囲気でストーリーが進んでいくことも、逆に不気味さを増しています。

さらに、11巻のラストシーンでは超が具体的な行動に出てしまいます。ネギとの試合で疲れているタカミチを龍宮と2人がかりで強襲し、「学祭が終わるまで大人しくしていてもらう」と意味深な発言をしているのです。ちょっとしたイタズラを企んでいる程度なら、元担任の先生であるタカミチを闇討ちする必要はないでしょう。超の目的が何だったのかということは11巻では明らかにされませんので、モヤっとした気持ちのままでこの巻は終わります。できれば麻帆良祭の期間中だけでも、姿の見えない「敵」との闘いを避けて平和な日常回を続けてほしかった気もしますね。

ネギ以外の選手たちの活躍にも要注目!

ネギVSタカミチの試合にかなり見ごたえがあったので先ほどはついつい褒め過ぎてしまいましたが、ちゃんとネギ以外の試合も面白いのでご安心ください。11巻にはネギVSタカミチの試合以外にも、小太郎VS愛衣、龍宮VS古韮、田中VS高音、クウネルVS大豪院、楓VS中村の試合が収録されています。ほんの数コマで終わってしまう試合もありますが、さすがにレギュラーキャラクターの試合は丁寧に描写されていて面白かったです。ストーリーの本筋には関わらない試合もちゃんと描き切ってくれるあたりが、魔法先生ネギま!の魅力のひとつですね。

数々の激闘のなかでも、特にしっかりと描かれていたのが龍宮VS古韮の試合でした。どちらもネギの受け持つ3‐Aクラスの女子生徒であり、またどちらもこれまでにネギを救った経験を持つ猛者です。思い返してみれば6巻に収録された修学旅行編のラストには、龍宮と古韮が魔族と戦っているシーンが描かれていましたね。本来の実力がどのくらいなのかは未だ不明ですが、少なくとも両者ともに平気で魔族と戦える程度には強いということになります。

そんな2人の直接対決が見られる日が来るとは、連載当時のファンも思っていなかったことでしょう。ちなみに龍宮と古韮の闘いは、94話の後半から95話の前半まで2話に渡って描かれています。魔法関係者の居ない大会では負けた経験がない古韮ですが、相手は裏の世界で魔法使いたちと対等に渡り合うプロの仕事人・龍宮。大会のルールで龍宮はいつもの銃を置いての参戦となりますが、それでも実力は圧倒的でしょう。果たしてこの試合でどちらが勝利をもぎ取ったのかは、実際に11巻を読んで確かめてみてください!

まとめ

というわけで今回は、魔法先生ネギま!第11巻のレビューをさせていただきました!前巻の予選大会に引き続き、11巻も基本的にはまほら武道会に関するエピソードが中心となっていました。ネギVSタカミチ、龍宮VS古韮など、次々に見ごたえあるバトルが展開され、少年マンガが好きな方なら大満足の内容となっています。ただしバトルメインのエピソードが多かったために、ヒロインたちの可愛らしさが際立つ日常回が少なめだったのはやや残念でした。

ただし、11巻に収録されている前半の2話分だけはまほら武道会とほとんど関係のない日常回エピソードとなっています。第90話の「帳尻合わせ?の中夜祭」はネギが3‐Aクラスの生徒たちが所属する部活やサークルを回りつつ、委員長とデートをするというエピソードでした。次の第91話「コスプレの極意、教えマス」の方も引き続き委員長と行動するエピソードですが、内容は長谷川 千雨にスポットライトを当てたものです。おそらく91話を読んで、一気に千雨ファンになったという読者も多かったのではないでしょうか。

11巻は全体を通して、明るいエピソードが多い巻だったと感じます。裏で超が何やら企んでいるという不穏さはありましたが、これはきっと次巻以降の伏線という形になるのでしょう。現時点では本当に敵か味方かすらもわからない超の目的と正体が明かされるのは、もう少し先に話になってしまいそうです。超の企み・まほら武道会の行方・タカミチの安否…なにげに、11巻には今後の気になる伏線がたくさん貼られたような気がします。全ての謎が明らかになるまで、魔法先生ネギま!から目が離せませんね。

オススメ度
★★★★★★★★☆☆ ★8

記事担当:だいなごん

二次元の世界が好きすぎて脱サラし、マンガ・アニメ専門のライターになってしまったヤバい人です。
朝から晩までマンガを読んではレビュー、アニメを見てはレビューという二次元漬けの日々を送っています。

Pocket
LINEで送る