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学生時代、あなたには憧れの先輩はいましたか?特に中高生くらいの時期は、年上の先輩が凄く魅力的に感じますよね。あわよくばお近づきになりたいと思っても、先輩だから気軽にアプローチ出来ないと頭を悩ませた人も多いのではないでしょうか。そんな悶々とした青春時代を送った経験がある方に特にオススしたいのが今回紹介する漫画、「僕らはみんな河合荘」です。

「僕らはみんな河合荘」はヤングキングアワーズにて好評連載中(2017年10月現在)の青春ラブコメディです。2014年にはアニメ化もされています。河合荘と言う下宿に引っ越ししてきた男子高校生の主人公と、意中の先輩含む下宿の住人との生活をコメディ成分多めで描いた作品です。基本はコメディですが合間に描かれる主人公と先輩のラブ成分も非常に破壊力があり、悶絶必死ですよ。

さて、実は作品名である「僕らはみんな河合荘」には別の意味が隠されていたりします。それは「河合荘」の住人達はちょっと残念な一面を持つ「可哀相」な人達であると言う意味です。つまりタイトルには「僕らはみんな可哀相」と言う裏の意味もある訳ですね。そんな河合荘に住む一癖も二癖もある可哀相な人達に囲まれながら、主人公は憧れの先輩とお近づきになるために奮闘すると言った作品です。

あらすじ

男子高校生の宇佐は親の転勤を機に「河合荘」という下宿で待望の一人暮らしをする事になります。中学時代で苦い思い出がある宇佐は、ここで普通の高校生らしく穏やかに生活していこうと決意したものの、河合荘には強烈な個性を持った住人ばかりで、河合荘での穏やかな生活に危機感を覚えます。

一度は河合荘での生活を諦めようと思った宇佐でしたが、河合荘に密かに憧れていた先輩である河合律が住んでいる事を知り、お近づきになるチャンスだと河合荘に住む事を決意します。律と一緒に生活する中で宇佐はこれまで知らなかった律の可愛い一面や面倒な一面を知り、アプローチを試みますが、恋愛事に興味が無さそうな律には上手く気持ちが伝わらずに四苦八苦します。

1巻はそんな出会って間もない二人のやきもきする関係性と河合荘に住む一癖も二癖もある残念な住人達との強烈な出会いを描いています。メインキャラクターの紹介が多いため、比較的コメディ成分が多めな内容となっています。

感想

憧れの先輩と一つ屋根の下で共同生活!?

「僕らはみんな河合荘」は同じ下宿先で主人公とヒロインが生活を共にする作品です。ラブコメの王道に近いテーマですね。高校生で意中の相手と一つ屋根の下で生活するなんて健康的な男子なら誰しもが妄想したシチュエーションではないでしょうか。話の構成は基本的に宇佐と律の1歩進んで2歩下がる様な中々進んでいる様で進まない、まったりとした恋愛関係を主軸として、他の河合荘メンバーとの非常に濃い生活をコメディタッチで描いています。

残念な一面を持つ河合荘のメンバーとの共同生活は普通を望む宇佐にとってはかなり強烈で、日々振り回される一方です。人畜無害だけれど真性のマゾヒスト男、容姿もスタイルも抜群なのに下ネタ大好きなOL、天然癒しキャラと思いきや実はかなりの腹黒女子大学生、宇佐はこういった残念な人達に囲まれて色々なトラブルに見舞われるのですが、巻が進むにつれて対処方法を会得して行き達観していく所も面白です。また、ヒロインの律も負けず劣らず残念な一面を持っており、その残念な部分を宇佐がどう受け入れて行くかが物語のポイントでもあります。

ヒロインの律は暇さえあれば読書をしている程の本好きであり、自分の世界に入り込んでいる事が多い女の子です。一見するとその姿は知的で清楚であり、宇佐はその姿を見て律に一目惚れしてしまった訳です。本作は当初その知的で清楚なイメージな律に実は苦手なものがあったり、意外な事に反応を示したりと、主人公の宇佐と一緒に読者も律の新しい一面を発見して行ける所が最大の面白みだと思います。特に赤面シーンは作者の可愛らしい絵柄も相まって律の魅力を最大限に引き出している所だと思います。赤面した女の子が可愛くてたまらないと言う方におすすめです。

コメディ主体でラブ要素はゆったりとしたペース

基本的にこの作品では河合荘の住人やその周りで起こるトラブルをコメディ主体で描かれる事がほとんどで、主人公とヒロインの恋愛の進展は基本まったりとしたペースで進みます。丁寧に二人が距離を縮めていく過程を描写しているので、その分進展した時の喜びも大きいのですが、やきもきする部分も多く、せっかちな人は回りくどい展開にイライラしてしまうかもしれません。コメディタッチで描かれていますが、二人の進展を遅らせようとしたり、関係を引っ掻き回そうとしたりするキャラもいるため、そう言うキャラに不快感を持つ方は注意です。

また、主人公の宇佐は男らしい主人公と言うより考え方が女性的な面が多い優男タイプです。律に対する好意が一途で好感が持てるのは確かなのですが、その好意が少々重過ぎるのではないかと思う様な場面もあります。そういった一面も含めて彼も「河合荘」に住む「可哀相」な住人の一人である事で割り切る事が出来たならば非常に純粋で魅力的なキャラクターなのですが、主人公に男らしさを求める方は感情移入出来ないかもしれません。

男性向けのラブコメと言うと、お風呂でばったり会ってヒロインの裸を見てしまうといった、所謂ラッキースケベな展開が多いですが、この作品はあまりそう言う展開は多くありません。逆に下ネタが多く登場します。エロとかお色気と言うよりオヤジギャグの様な下品な下ネタ成分が多いです。言い回しや会話のテンポが良く、下ネタが好きな人だったり気にならない人はハマると思いますが、逆に苦手な人は嫌悪感を覚えてしまうかもしれませんのでご注意ください。

甘酸っぱい二人の恋愛模様をゆっくりと見届けよう

基本はコメディ要素が多めなこの作品ですが、決してラブ要素を疎かにしている訳ではありません。むしろコメディがラブ要素を引き立てる役割を持っているのではないかと言える程、二人の関係が進展した時の破壊力が高いです。特に作者である宮原るり先生の描く赤面した女の子は非常に可愛い事で定評があり、重要な場面での律の赤面シーンの可愛さはトップクラスだと思います。コミックスの表紙も気合いが入ったものになっており、巻が進む事に色々な表情のヒロインが描かれており、その魅力を引き立てます。

ヒロインの律は真面目で良い子な優等生であるものの、読書ばかりしているため、自分の世界に入り込んでいる事が多いです。そのせいか自分の価値観で他人の心情を勝手に誤解してしまう面倒な自己完結型人間という一面を持っています。そんな面倒な性格をした律にあの手この手で好意をアピールして、どうにか自分を意識して貰おうと奮闘する主人公の姿が一途で好感が持てます。たまに暴走をして逆効果になってしまうのはご愛嬌、応援したくなる主人公です。

律は主人公に好意をアピールされても最初は気付かなかったり、戸惑ったり、疎ましく感じたりしていますが、徐々に心を開く様になっていく・・・と思ったらちょっとしたすれ違いでまた閉じたり、また開いたり。非常に面倒な女の子です。そんな一進一退でお世辞にも上手とは言えない二人の恋愛をやきもきしながら見る事がこの作品の楽しみ方だと思います。この作品にハマる人はそんな二人の甘酸っぱい関係をゆったりと見届けたくなる事間違いなしです。

まとめ

アニメで初めて知ったこの作品ですが、原作の漫画はアニメとはまた違った独特の雰囲気を持っており、非常に良質なラブコメだと思います。作者の台詞選びのセンスやテンポが心地よく、多少の下ネタもすんなりと笑いに変えてしまう勢いがあります。特に登場するキャラクターそれぞれの個性が非常に強く、メインの二人以外のサイドストーリーも面白いです。1巻では各キャラ謎の部分が多いですが巻が進む毎にどんどんと秘密が紐解かれるという所も注目です。

ジャンルは男性向けではあるものの、女性作者の作品であるため女性にもおすすめ出来るラブコメ作品です。特に河合荘の住人であるOLの真弓と大学生の彩花はいわゆる女性の本音の様なものを語る事が多く、それに共感出来る女性も多いのではないでしょうか。逆に男性にとっては耳の痛い話も多いです。そんなスレた大人な価値観を持つ住人と比べて主人公とヒロインがあまりにも純粋すぎて見ているこっちも恥ずかしい、そんな気になってしまいます。

「僕らはみんな河合荘」は下宿での男女共同生活と言うラブコメの王道作品かと思いきや、登場するキャラクター達が一筋縄じゃ行かないと言った、王道の皮をかぶった異色なラブコメ作品です。ただその異色に紛れてド真ん中ストレートの王道展開を混ぜてくるので油断することが出来ません。1巻ではまだメイン2人の関係性に大きな進展は無いので物足りなく感じる点がありますが、これからの2人の関係性の変化の準備段階であるので、まったりとした甘酸っぱいラブコメを見たい方は是非一読してみてください。

オススメ度
★★★★★★★★★☆ ★9

記事担当:ろんすけ

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