わずか10歳の魔法使いの少年ネギ・スプリングフィールドが女子校で担任を務めることになってしまう「魔法先生ネギま!」。今回は、激闘の連続だった「まほら武道会」がクライマックスを迎える単行本第13巻のレビューをさせて頂きたいと思います。

前巻では、まほら武道会の出場者のひとり「クウネル・サンダース」がネギの父親であるサウザンドマスターの仲間であったことが発覚しました。ネギに接触するためにまほら武道会に出場していることが仄めかされていたクウネルですが、その目的が13巻にてついに明かされます。

果たしてクウネルの目的とは一体なんだったのでしょうか。そしてまほら武道会の主催者にして「魔法使いの存在を世界中にバラす」と公言する謎の存在・超 鈴音の目論見は阻止されるのでしょうか。見どころ満載の13巻、詳しくは以下のレビューで解説させていただきます。

あらすじ

試合開始を待つネギのもとに現れたクウネル・サンダース。目的不明の彼に対して戸惑うネギの耳元で、クウネルは「決勝まで来れたら俺と戦わせてやる」と意味深な言葉を残します。初対面であるはずの2人ですが、ネギはその声色に聞き覚えがありました。

まほら武道会で決勝まで行ければサウザンドマスターについて重要な情報が得られると確信したネギは、準決勝で刹那と戦います。しかし絶対に勝たなければならないというプレッシャーからか、ネギの動きはギクシャクと硬くなってしまいました。

緊張した動きでは、ただでさえネギよりも強い刹那に叶うはずもありません。クウネル戦に向けて明らかに動揺しているネギに対し、刹那は「私に勝てば、あなたの父君ナギ・スプリングフィールドと戦えます」と真実を告げるのでした。

感想

運命を決める準決勝!ネギVS刹那戦

13巻は、前巻から引き続き「まほら武道会」のトーナメントが続きます。前巻までに4強が出そろい、13巻では準決勝~決勝までの一連の試合が描かれていました。最初に行われたのが長瀬 楓VSクウネル・サンダース戦、そしてその後にネギVS桜咲 刹那戦という流れです。当初の目標であったタカミチを倒して気が抜けているネギでしたが、準決勝前になってクウネルに「決勝まで来れたら俺と戦わせてやる」と言われ身震いしました。なぜならその声色が、ネギの父親であるサウザンドマスターにそっくりだったからです。

クウネルの正体が気がかりなまま刹那との闘いに臨んだネギですが、気が散っている状態のネギでは刹那に勝てるわけもなく苦戦します。初登場時からすでに強かった刹那ですが、こうして本気でネギとぶつかっている描写を見ていると、より一層強さが際立って見えますね。何故か強者ぞろいの3‐Aクラスのなかでも最強は龍宮・古韮・楓あたりだと思っていたんですが、この試合を見るに刹那も最強候補のひとりだったのだということが伺えます。

気が散った状態で戦うネギに対して、まるで師匠か戦友のようにアドバイスしつつ戦う刹那。関西呪術協会との闘いや学園祭でのデートなどを通して、いつのまにかネギと刹那の間には並々ならぬ絆が生まれていたのだと感じさせられます。余談ですが、バトルパートの見ごたえもさることながら、VS刹那戦は刹那ファンにとってはなかなか嬉しいシーンの連続となっています。なにせ刹那は1回戦と同じ猫耳メイド服のままで戦っていますからね。真剣に戦っている彼女をこんな目で見るのもなんなんですが、正直「萌え系マンガはこうでなくちゃ」と思わなくもありません。

ネギの成長速度に無理があるような気も…

見ごたえのあるVS刹那戦ですが、難を言うならネギの成長速度に無理があるような気がします。確かにネギはエヴァンジェリンや古韮など優れた師匠のもとで修行を積んできましたが、それにしたって強くなりすぎの感が否めません。サウザンドマスターの息子にして10歳で教師になれるほどの人間なので才能はあるのでしょうが、凄腕の神鳴流剣士である刹那に勝つってのはやりすぎじゃないでしょうか。それを言ったら、麻帆良学園内で2番目に強い魔法使いであるはずのタカミチに勝ったのだって無理があったんですけど。

特に、VS刹那戦で最初は手も足も出なかったネギが、ちょっと深呼吸をしただけで善戦できるようになったシーンは「なんで?」という感じでした。クウネルの正体に気を揉んで動きが硬くなっていたのはわかりますが、深呼吸するだけでメンタルを改善できるなら試合前に集中しておけばいいのに…と心のなかで突っ込んでしまいます。一応、深呼吸そのものよりも刹那の「今は私を見てください」というアドバイスが功を奏した形にはなっているのでしょうけれど。

それにしても、刹那の「今は私を見てください」って傍から見ると告白のようにも見えますね。ネギもそれに対して「今はあなただけを見ます!」と返答していますが、会話の流れだけを見ると刹那の告白に対するOKの返事にしか見えません。3‐Aクラスでネギに好意を持っている女子生徒はざっと数えるだけでも10名以上いますが、この時点のネギ先生争奪レースでは刹那が一歩リードしているのかもしれませんね。物語のラストでネギが誰と結ばれるのかはさておき、刹那と結ばれる可能性も無いことはなさそうです。

決勝はネギVSサウザンドマスター!?

出来る限りネタバレを防ぐためにどのような経緯でそうなったのかは伏せますが、まほら武道会の決勝戦はネギVSサウザンドマスターとなりました。とはいっても、クウネルの正体がサウザンドマスターだったなんてオチではありません。「ある方法」を使って、行方不明になっているはずのサウザンドマスターがネギの目の前に現れたのです。これまでもタカミチ、クウネル、エヴァンジェリンなどこの世界で最強クラスの魔法使いが何名か登場してきましたが、サウザンドマスターといえば名実共に最強の魔法使いです。いくらネギが強くなったとはいえ、ハッキリ言って太刀打ちできる相手ではないでしょう。

しかし、ネギVSサウザンドマスターは激闘というよりも、「親子の再会」といったニュアンスの強いエピソードでした。今はまだサウザンドマスターがどのような経緯で行方不明となったのかは不明ですが、サウザンドマスターは決してネギのことを捨てて出て行ったわけではなかったようです。ネギとの邂逅を遂げたサウザンドマスターはニコニコと笑っており、大きくなった息子との会話を楽しんでいる様子でした。決勝戦での戦いも「稽古をつけてやる」という名目で行われるため、今までの試合とは趣向が大きく異なります。

魔法先生ネギま!という作品にとって、サウザンドマスターを見つけ出すことは最大級の目的のひとつでした。とはいっても、今回のサウザンドマスターの登場でその目的が果たされたのかというと、決してそういうわけではありません。先ほども言った通り、今回ネギがサウザンドマスターと会えたのは反則級の「ある方法」を使ったためで、残念ながらこの方法でサウザンドマスターと会えるのはたった1回、しかも10分間だけという限定つきです。ネギはどんな方法でサウザンドマスターと会えたのか、という点にも注目しながら読むと13巻はさらに面白くなってくると思います。

まとめ

というわけで今回は、魔法先生ネギま!第13巻のレビューをさせていただきました!13巻は終始バトルパートだったため萌え要素は少なめでしたが、ネギVS刹那やサウザンドマスターとの邂逅など、見どころが多く満足の内容となっていました!ちなみにまほら武道会におけるネギの試合は3‐Aクラスの生徒ほとんどが観戦していたのですが、何名かの生徒はネギの戦いぶりを見て惚れてしまったような描写があります。ただでさえ生きているだけでもどんどん女の子を陥落させていく天然イケメンのネギくん…彼のモテ期はいったいどこまでヒートアップしていくのでしょうか。

大会主催者である超の意向により3‐Aクラスに所属するほとんどの生徒がまほら武道会を見ていましたが、具体的な出番のある生徒が少なかったのがやや残念ではありました。13巻の大部分がバトルだったため、試合に出場していた刹那や楓の出番は多めでしたが、試合を観戦していただけの女子生徒たちはあまり出番が無かったです。刹那や楓に次いで、魔法使いの存在を世間に公表しようとする超の味方である葉加瀬・茶々丸、超の目論見を止めようとする千雨・明日菜・美空あたりはちょくちょく活躍していました。

学園内での格闘大会ということで全体的には爽やかなバトルが多かったまほら武道会ですが、その裏では超の計画が進んでいたためにシリアスな展開の匂いもしてきましたね。魔法使いの存在を認知している女子生徒たちは、超側の人間と魔法使い側の人間に分かれ始めてしまったため、静かに3‐Aクラスが分裂していっていることがわかります。あんなに賑やかで平和だったクラスで、クラスメイト同士のバトルロワイアルめいたことが起こってしまうかもしれないと思うと微妙な気持ちですね…まほら武道会が終わり、次巻以降どうなってしまうのかという点にも注目していきたいと思います。

オススメ度
★★★★★★★★☆☆ ★8

記事担当:だいなごん