わずか10歳の魔法使いの少年ネギ・スプリングフィールドが女子校で担任を務めることになってしまう「魔法先生ネギま!」。今回は、麻帆良学園祭での女子生徒たちの恋愛模様を描いた単行本第14巻のレビューをさせて頂きたいと思います。

10巻から始まった麻帆良祭編ですが、11巻~13巻までは全て「まほら武道会」に関するエピソードで埋め尽くされていたためバトル展開が主でした。しかし今回ご紹介する14巻は、今までの遅れを取り戻すかのようにヒロインたちの恋模様を描いたエピソードが中心となります。

まほら武道会での戦いを通して成長したネギと、ひたむきに頑張るネギに好意を抱いたヒロインたち。14巻での日常編を通して、ネギと数人のヒロインたちが急接近することになります。なかには新しくパクティオーを結んだ女子生徒も…というわけで、詳しくは以下のレビューで解説させていただこうと思います。

あらすじ

激闘のまほら武道会を終え、学園祭に戻ったネギ。しかし武道会での戦いぶりがあまりに評判になりすぎてしまったため、マスコミ・ファン・弟子入り志願者が押し寄せてそれどころではなくなってしまいます。あとはゆっくり学園祭を楽しもうと思っていたネギですが、このままではもみくちゃにされている間に麻帆良祭が終わってしまいます。

そんなネギのサポートに手を挙げたのが、千雨と茶々丸でした。2人の協力を得たネギは、外見年齢を操作する魔法を使って麻帆良学園内を逃げ回ることになります。しかしただ逃げ回るだけでなく、もともと入っていたスケジュールもこなしていかなければなりません。

ライブを観戦しにいったり、図書館探検部の見学イベントに出たり、野点に参加したりと大忙しのネギ。そのなかで亜子に告白されかけたり、夕映とパクティオーを結んだりと、学園祭での各イベントを通してネギと女子生徒たちの距離はグングン近づいていくのでした。

感想

千雨が味方に!今後の活躍にも期待!

3巻に渡って続いた「まほら武道会」がネギの周囲に与えた影響は決して小さくはなかったようです。ただでさえ子供先生という特異的な存在だったネギですが、まほら武道会で有り得ないほどの強さを露呈してしまい、麻帆良学園内で一躍時の人となってしまいました。武道会終了後はマスコミやファンたちに追われ、まともに学園祭を楽しめる状態ではなくなってしまいます。そして何より、武道会での戦いを通して「魔法使いなのでは?」という疑惑を一般人に与えてしまったことが大きかったのではないでしょうか。

まほら武道会を通してネギが本物の魔法使いであると気づいた観客のひとりが、3‐Aクラスの長谷川 千雨でした。千雨は非常に現実主義なキャラクターで、これまではネギの魔法によって引き起こされたトラブルを見てもCGやトリックの類だと取り合いませんでした。しかしもともと頭の良い人物でもあったため、まほら武道会で起こった出来事やネギの言動などから、「ネギ=魔法使い説」が真実なのだと気づいてしまったのです。インターネットを使って世論操作を行えるほどの力を持っている千雨が敵に回れば、ネギもそれなりに苦労した可能性があります。

しかし今回の一件を経て、千雨はネギの味方側に回ってくれることになりました。超の目論見によって3‐Aクラスが敵味方に分断されていくなか、千雨のように冷静沈着な女子生徒が味方になってくれたのはネギにとって大きなチャンスだったといえるのではないでしょうか。14巻では、前巻までネギと一緒に行動していた刹那に代わり、千雨がネギと一緒にタイムスリップしてサポート活動を行うようになります。今までの巻では比較的目立ちにくかった千雨ですが、今後ネギにとっては欠かせないパートナーのひとりになっていきそうです。

亜子ファンにとっては嬉しいエピソードが収録

14巻の表紙には、外見年齢操作の魔法によって大人になったネギが、3‐Aクラスの女子生徒のひとり・和泉 亜子をお姫様だっこしているシーンが描かれています。この表紙をみてもわかるとおり14巻でもっとも大きく取り上げられたヒロインは亜子でした。現時点ですでに31名中20名近くが魔法を知っているという状況のなかで、未だにネギの正体にも全く気づいていない亜子。クラスの中でもかなり可愛い部類に入るキャラクターだと思うのですが、その役回りゆえに今まではほとんど出番がありませんでした。

しかし、14巻は実に半分近くが亜子の登場するエピソードで占められています。今までの登場回数の少なさを取り返すかのように、まさにメインヒロイン級の活躍を見せてくれています。亜子がメインとなったエピソードは122話~125話に至るまでたっぷりと描かれているので、ヒロインたちのなかでも亜子が一番好きだというファンにとってはかなり嬉しい巻となっているはずです。ただし、あまりに亜子のことを大々的に扱いすぎたため、その他のヒロインの登場数が削られてしまった感があるのは残念でした。

例えば、初登場から前巻まで欠かさずに登場していた刹那とエヴァンジェリンは、14巻には1コマたりとも出演しません。他にも古韮・楓・龍宮など、まほら武道会での出演回数が多かったキャラクターたちは出番なしということになってしまいました。14巻に収録されているエピソードは、まほら武道会によって出番がなくなってしまったヒロインたちに出番を与えるためのサービス回といった感じでしたね。刹那やエヴァンジェリンは人気投票でもトップクラスの支持を得ているキャラクターだけに、彼女たちの出番がないことに不満を持つファンもいたかもしれません。

夕映がパクティオーを結ぶことに!

この巻では、ネギがまた新たにひとりの女子生徒とパクティオーを結ぶことになりました。一応説明しておくと、パクティオーとは魔法使いを守護する従者を選ぶ儀式のことで、魔法使いとキスをすることで強力な魔法アイテムが使えるようになるシステムです。今までの巻でネギは明日菜・木乃香・のどか・刹那の4人とキスをしてパクティオーカードを手にしていましたが、今回は綾瀬 夕映とパクティオーを結ぶことになります。たぶん今後も何人もの女子とパクティオーを結ぶのでしょうが、夕映が5番目というのはちょっと意外に思いました。

夕映は明らかにネギに対して好意を抱いている女子生徒のひとりでしたが、親友ののどかがネギに告白したことが枷になっているようでした。今までの展開を見ていると夕映はネギへの想いを最後まで隠すのかと思っていましたが、意外なほど早くその想いが露呈してしまいましたね。ネギのことを好きな女子生徒は他にもたくさんいますが、夕映とのどかの2人だけは別格というか、かなりピュアな恋模様を描いている感じがします。ただ、この巻では2人の純粋な恋愛観が災いして、ちょっとした三角関係のような状態になってしまうのですが…

夕映がどのような経緯でパクティオーを結ぶに至ったのかは実際に14巻を読んで確かめてもらうとして、それにしても夕映がパクティオーで得た能力が気になりますね。14巻は日常エピソードのみでバトルが一切なかったため、せっかく成功した夕映のパクティオーの能力が明かされることもありませんでした。ちょうどこの巻で「パクティオーで得られる能力は本人の性質に合ったものになる」という設定が明かされたので、きっと次巻以降に納得のいく答えが出ることでしょう。のどかは「読心能力」、明日菜は「魔法無効化」、木乃香は「完全回復」…と、確かにイメージ通りの能力が使えるようになっていますが、果たして夕映の能力とは…?

まとめ

今回は、魔法先生ネギま!第14巻のレビューをさせていただきました。まほら武道会のおかげでしばらくバトル展開が続いていただけに、14巻は麻帆良祭を純粋に楽しめる内容で非常に良かったですね。バトルも嫌いじゃないんですが、個人的にはやっぱりこうした平和な日常を描いてくれるエピソードのほうが読んでいて楽しいです。戦うヒロインたちも凛々しくてかっこいいとは思いますが、魔法先生ネギま!は萌え系マンガとして読んでいますから、やっぱり女の子たちの可愛らしい一面が見られるほうが嬉しいですよね。

14巻では千雨の出番が急増しましたね。実は千雨は他のヒロインに比べてネギと打ち解けるまでが早かったキャラクターではあったのですが、明日菜や刹那たちと違って魔法のことを知らなかったため出番が少なめでした。まほら武道会あたりから魔法の存在に気づき始めたため出番を増やしつつありましたが、この巻からは魔法のことを完全に認知し、明日菜や刹那に勝るとも劣らない「ネギのパートナー」候補に踊り出ています。さすがにまだパクティオーを結んではいませんが、このペースでネギと居続ければパクティオーまでも時間の問題だといえるでしょう。

今回はスペースの都合でご紹介できませんでしたが、14巻のラストエピソードからは明日菜とタカミチのデートが始まっています。1巻からずっとタカミチへの好意を隠していなかった明日菜にとって、幼い頃から念願だったデートです。この巻ではデートの待ち合わせシーンまでしか収録されていないので、本番は次巻以降ということになりそうですね。明日菜とタカミチは先生と生徒という関係ですし、タカミチはもともと明日菜の育ての親でもあったと明かされています。関係が複雑すぎて、このデートがすんなり成功するとは思えませんが…結末がどうなったのかは15巻でのお楽しみです。

オススメ度
★★★★★★★★☆☆ ★8

記事担当:だいなごん