甘々と稲妻は妻を亡くしておいしい食事を作ることに困る犬塚父娘と、料理大好きだけど包丁が怖くて握れない料理屋の娘小鳥が繰り広げる食卓ドラマです。

保育園に通う幼女であるつむぎの天真爛漫さと、犬塚の教え子でもある小鳥の美少女振りが人気で、心温まるストーリーも手伝ってアニメ化されるなどヒットを記録しました。

料理を心を込めて作る、食べる人の気持ちを考えて作るというだけでなく、料理初心者の犬塚と小鳥が少しずつ上達していく姿も印象的になっています。

あらすじ

高校教師犬塚は半年前に妻を亡くし、一人で娘のつむぎを育てています。しかし、料理が出来ないことから知らない間に我慢をさせていたのではと不安を抱くようになります。

ある日テレビで料理のCMに釘付けになったつむぎの姿に心打たれた衝撃を受けた犬塚は、娘においしいご飯を食べさせるために花見で出会った少女が紹介してくれた【おいしい料理の店】をたずねます。

しかし、店に店主の姿はなく、娘の小鳥がいるだけでした。意地になった小鳥がつくったごはんを食べた時、つむぎの表情が大きく変わります。その笑顔に心打たれた犬塚は料理を学ぶことを決意するのです。

感想

幼女つむぎの笑顔と、美少女小鳥の表情変化がかわいらしい

甘々と稲妻の魅力になっているのは、自分の感情に素直な幼女つむぎと、犬塚の高校の生徒で料理屋の娘である小鳥のダブルヒロインです。つむぎは明るい性格で、人を元気にする才能と優しさをもっています。小鳥は昔ケガをしたトラウマから料理ができないものの、知識は豊富で犬塚を助けてつむぎとも友達になります。

こむぎは母を、小鳥は父を無くしているという共通点もあり、それぞれ欠けた部分を抱えていて、それを補う一つの手段が料理になっているのです。料理を作るとき、待っているとき、リクエストするときの姿がそれぞれ印象に残ります。そして、食べたときの笑顔がより輝いて見えるのです。

とくに一話でつむぎが小鳥の作った土鍋ごはんを食べるシーンは必見です。食べ物をおいしいと感じ、笑顔と喜びを父親に見せようとするのです。忙しくて父親と食べる時間自体が少なくなっていたことを察せられなかった犬塚が料理をつくろうと決心するシーンでもあります。スプーンで豪快にごはんをすくう姿も含めて見所です。

犬塚を意識しだす小鳥の表情の変化がかわいらしい

主人公の犬塚は高校教師で、小鳥は教え子でもあります。普段着と制服着たときのギャップがすさまじく、犬塚が自分の高校の生徒だと気づくのが遅れた一因になっています。犬塚自身も認める美少女で、黒い長髪とクールな面立ち、食に向き合ったときの良く変わる表情が魅力的です。

小鳥は男性に対してあまり免疫がなく、次第に犬塚を男性として意識するようになります。当然教師と生徒の恋愛となればハードルが一気に跳ね上がります。しかも、小鳥自身恋愛権がないため、本当に恋なのかどうかもわからない状態に成ってしまうのです。

それでも強く意識しているのがわかるのが4話です。ゴールデンウィークで出かけたはずの犬塚親子が、雨のために引き返してきます。小鳥と一緒に作ったお弁当を一緒に食べようと考えたのです。おもちゃの小さなテントでお弁当を食べようとしたとき、犬塚との距離の近さに小鳥はのぼせてしまいます。顔の赤さに注目です。

おまけ漫画に小鳥が美少女になった理由が?

小鳥は普段メガネにジャージ、みつあみとさえない姿で過ごしています。しかし、制服姿の時は黒い名が髪が美しい美人です。1巻のおまけ漫画では中学時代の小鳥が書かれていて、めがねで学校に通う姿が描かれています。

おまけ漫画は視力が悪く、メガネかコンタクトが必要な彼女がいかにコンタクトを選択し、美少女として姿を手に入れたかが描かれています。高校デビューでコンタクトをしようと友人にすすめられたものの、コンタクトをつけること自体が怖くて早々に挫折するなど、前途多難な船出になるのです。

しかし、コンタクトに変えようと考えるきっかけは身近にありました。ラーメンです。友達と寄ったラーメン屋でメガネが曇ってしまい、おいしいラーメンがぼんやりとしか見えなくなってしまったのです。めがねが曇ったまま空腹そうな表情を見せる姿も可愛らしく、本編とのギャップが面白いシーンになっています。

まとめ

甘々と稲妻は萌えに特化した作品というよりも、食べることの大切さや、それを楽しむキャラクターを愛しいと思ってしまうような作品です。つむぎの愛らしさや小鳥のキャラクター性にも萌えはありますが、あくまで料理を通じた関係の構築と人間の成長がメインにあるのです。

小鳥の表情の変化も注目です。1話から犬塚の良い父親としての姿や、懸命につむぎのためのがんばる姿に惹かれていきます。父親を亡くしたからこそ惹かれているのか、それとも恋愛感情なのか定まらない部分があるものの、だからこ表情の揺れが魅力的に移るのです。

幼女と父親の成長期と見ることも、美少女と高校教師のラブストーリーと見ることも可能で、切り口は読む人によって変わります。犬塚は小鳥の感情に全く気づかないどころか意識もしていないため、意識の変化に気づいたらどうなるかという危うさも秘めています。波乱の種も含みつつ、2巻以降に続くのです。

オススメ度
★★★★★★★★★☆ ★9

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記事担当:しらたま。