紅殻のパンドラ6巻です。6巻では#23から26までが収録されている他、巻末には毎巻お馴染みのおまけコーナーが付いています。

今巻は全編通して、5巻ラストで一旦離れることになったネネとクラリオンが再び合流する所までのストーリーが描かれています。

中盤では初めて電脳空間を明確に認識するシーンがあるなど、ネネに今後さらなる変化が起こりそうな巻になっています。

あらすじ

「しんぱいするな」という書き置きだけを残して、タクミの「おつかい」のためにネネの前から姿を消したクラリオン。

クラリオンが居ない今、ネネは自分一人で奮闘するも空回りしてしまい、上手くいかず大変な目に合うところをロバートに助けられます。

ロバートとの対話を経て「すきだから助けたい」という強い意志をもってクラリオンの元へ向かう事を決めるネネですが……。

感想

「好きだから助ける」と決意するネネの表情が素晴らしい!

#23では、「しんぱいするな」の書き置きを見て消沈するネネと、そんなネネを心配して話をするロバートがメインになっています。ロバートとの会話を経て、強い意志を持って行動する事を決意する、ネネの表情がとても可愛らしく描かれています。

「すきだからです!」と、単純で強い意志を持った台詞を言う際のネネの表情は、それまでのどこか追い詰められたような表情とは打って変わり、これまでの真っ直ぐな表情へと変わったようにも見えるシーンになっています。

このシーンはネネと会話しているロバートの優し気な表情や、島の平和を守るために行動する事を決心するなど、一方的な変化ではなく会話しているお互いが各々決意を新たにするなど、単に可愛らしい「だけ」じゃない所が素晴らしいと思います。

適合者の本領発揮?電脳空間をそのまま認識するネネ

#25では、本来はシステムの補助が無いと何も認識できない電脳空間を単独で認識するなど、これまで以上に電脳や機械に対する適正の高さが伺える描写があります。この際のネネと、それを取り巻くネット上の世界がとても綺麗に描かれています。

電脳空間をはっきりと認識するシーンでは、これまで真っ暗な背景にネネが1人佇むだけだった電脳世界が一気に明るく広がり、文字通り「ネットの海」のように認識し、そこを漂うネネの描写は2連続の見開きで描かれていて、認識の前後の周囲の変化がとても分かりやすくなっています。

また、ネットをシステムの補助を介さずそのまま認識した際に、ネット上を行き交うプログラム達が可愛らしいデフォルメ風の動物やマスコットのようなデザインになっていたりと、いかにもネネらしい認識の仕方をしているようにも感じられるシーンです。

自信たっぷりに空気を読まないネネがアホかわいい?

#26では、クラリオンを探すために施設内を探し回るネネに対して、クルツが通信を送ります。そこでクルツは、ブエルが持つ荷電粒子砲の力で秩序を支配し、力によって世界を平和にすると言う目的を語り、ネネに自分たちの下へ来るように言います。

このシーン、物凄くシリアスな中でクルツが自分たちの野望について熱く語り、クルツが所属している組織の名前が判明するなど割と大事な場面なはずなのですが、ネネはそんなことに全く関係が無いからか空気を読みません。

クルツの熱弁に対してネネは空気を読まずに「世界平和はお金で買える」と返答しますが、そこに至るまでの一連のネネの顔が、どこか脱力させられる物凄くアホっぽい顔になっています。特に最後に「世界平和はお金で買える」と返答するシーンの表情はアホ可愛いドヤ顔になっていて、それがまた可愛らしく描かれています。

まとめ

6巻は全編通してシリアス要素が強めな巻ですが、一方でギャグ要素もしっかり含まれているため、読んでいて息がつまる事は全くありませんでした。また、攻殻機動隊を知っている人にとっては懐かしい「メスゴリラなシーン」も登場します。

巻末に付属している「なにかで配信パンドラジオ」では、これまでの巻とは違いかなり説明の密度が濃く、作中世界のロボットに関する情報なども記載されています。世界観が気になっている人は巻末付録まで是非読み込んで欲しいと思う6巻です。

6巻のラストではクラリオンとの合流も果たし、クルツとの決戦も目の前に迫るなど、続きが気になる終わり方になっています。島の平和のために動く事を決めたロバートがどういう行動に出るのかなども含めて、7巻がどういう展開になっていくのかが気になるストーリーでした。

オススメ度
★★★★★★★★★★ ★10

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