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深海魚のアンコさん(2) (メテオCOMICS)

学校生活は何も学校内だけで完結するものではありません。友達と遊んだりショッピングにでかけるのも学校を舞台にした漫画の1シーンだったりします。『深海魚のアンコさん』第2巻は夏休みに友達同士で山へ出かけるところから始まるのです。

「夏休みに女の子同士が出かけると言ったら海だろうが!」という怒号が聞こえてきそうですがご安心めされい。山の中でアンコさん達は水着になって水遊びをしてくれます。山と海のおいしいところを取り入れたナイスな構成と言えるでしょう。

もちろん他の話も魅力的で、不登校ぎみな人魚の手助けをしたりヒーローのお手伝いをしたりと色々な展開を見せています。頼まれると断れないアンコさんの人柄の良さを感じることができるはずです。優しい女子高生…いいですよね…。

あらすじ

夏!アンコさん達は山へ行くことになります。人魚好きな若狭にしてみれば「なんで海!?」となるところですが、それも仕方ありません。なぜならアンコさん達人魚にとってみれば海は珍しくも何ともないのです。そして山登りが始まるのですが…大変なことが起きてしまいます。

夏休みが終われば次は2学期が女子高生を待ち受けています。2学期、嫌ですよね。誰だって気分はドロドロになるものです。そこに現れたのが引きこもりぎみの人魚「隠井珠緒(かくれい たまお)」さんです。保健室の先生に頼まれてアンコさんたちは彼女の不登校対策をすることになるのです。

それからヒーロー研究会に所属している「安護翼(あご つばさ)」さんの手助けをしたりします。アンコさんの勇名を聞きつけた安護さんですが、実は1人で活動していて寂しい状況だったりするのです。子供の願いを叶えられるのか…アンコさんと安護さんのヒーローぶりが発揮されます。

感想

合理的な展開におもわず納得できる

冒頭で山に向かうアンコさん一向ですが、先述したように「人魚にとって海は見慣れてるから」という合理的な理由で海へは行きません。萌え漫画の舞台設定として「夏と言えば海!」は定番ですが、そこへ無理矢理もっていかない点に作者の合理的な側面を垣間見ることができます。確かに人魚が折角の休みに海へ行くかというと疑問です。そして山へ行ったからといって水着を着れないかというとそういう訳でもありません。川遊びで水着を着れば良いのです!萌えにはかかせない水着を山で拝むことが出来る…素晴らしく合理的な展開と言えます。

また、山中では他の人魚と出会うことになります。山で修行中の「岩井いわな」さんとその付き添いである「桜井やまめ」さんとの出会いは作品世界を広げる役目を果たしているといえるかもしれません。学校ものの漫画はどうしても学校内の登場人物だけで物語が完結しがちですが、学校外の人物と知り合うことで色々な展開の下地を作ることができます。ともかく熱血漢な岩井さんと桜井さんと触れ合う内に一行はあるトラブルに見舞われることになるのです。そしてその解決方法がまた動物の生態に基づいているものだったりするので、やっぱり作者は合理的な話作りを心がけているのでしょう。

美少女アンコさんは頼られると断れず「とにかく何とかしよう」という気質の親切な気性をもっています。引きこもりがちの隠井さんはナマコの腸内に潜むカクレウオがモデルなのですが、本能的に外界を恐れ事あるたびにアンコさんのスカートの中(腸内…!)へと隠れたがるのです。往来の中でスカートの中に頭を突っ込まれるアンコさんは萌えの化身となるわけですが、そんな事をされてもアンコさんは諦めません。何とか隠井さんの心に寄り添おうと頑張るのです。実にアンコさんは優しい。「こんな女の子が居たらなあ…」と妄想するのも仕方ありません。そして現実にそうそうそんな女性は居ません…。

アンコさんの優しさが前面に押し出されている

美少女アンコさんは頼られると断れず「とにかく何とかしよう」という気質の親切な気性をもっています。引きこもりがちの隠井さんはナマコの腸内に潜むカクレウオがモデルなのですが、本能的に外界を恐れ事あるたびにアンコさんのスカートの中(腸内…!)へと隠れたがるのです。往来の中でスカートの中に頭を突っ込まれるアンコさんは萌えの化身となるわけですが、そんな事をされてもアンコさんは諦めません。何とか隠井さんの心に寄り添おうと頑張るのです。実にアンコさんは優しい。「こんな女の子が居たらなあ…」と妄想するのも仕方ありません。そして現実にそうそうそんな女性は居ません…。

安護さんにヒーロー研究会へ誘われたときもしぶしぶながらいつの間にか重大な役目を担っていたりするのがアンコさんなのです。本来は控え目な性格なのですが、よくよく話を読んでみると意外と行動的と言えるかもしれません。こうしたアンコさんの優しさというのは女性の理想系の1つであると言う事ができます。保身を考えず正しいと思うことに一生懸命に取り組む姿は可愛いと言うほかありません。「萌え」という言葉はよく特定のシチュエーションを指して使われることがありますが、アンコさんにとってはあらゆる行動が萌えへと繋がるようになっています。魅力的な人物なので何をしても萌えになる、いわば萌えの源泉がアンコさんなのです。

優しいということは同時に「押しに弱い」ということでもあります。強引に迫られると「まあいいよ…」となりOKを出してしまうのがアンコさんなのです。そして本作には貴重なガイド役である若さが存在します。もし若狭が居なければアンコさんの世界は狭く小さいものとなっていたかもしれません。そうなのです、アンコさんの魅力を最大限に生かしているのが若狭というキャラクターなのです。そういった意味では若狭は本作の影の主人公と言えるかもしれません。アンコさんの優しさを引き出し支えるナイスなキャラクターです。

サービスシーンが随所に散りばめられているぞ!

この第2巻にはアンコさんを始めとした人魚達のいろいろなサービスシーンを拝むことができます。特に単独エピソードとして収録されている「第12話 マーメイド・ナイト」では第三者の視点からアンコさんの入浴シーンをたっぷり拝見させていただけるのです。謎の歌を歌いながら体を洗い入浴するアンコさんを覗き込むのはとっても変態的で良し!存分になめらかな肢体を堪能できます。それから先述した隠井さんのスカート潜り込みシーンも大変素晴らしく、また若狭とアンコさんが一緒に銭湯に入るシーンも見逃せません。若狭と友情が深まりつつあるのでアンコさんの抵抗も何だか緩やかになっているのがまた…たまらんのです。

こうした恥じらいシーンはエロ的な要素も含まれていて、萌えとエロの境界線は曖昧なものです。ですが決してエロ一辺倒へと傾かないのが本作の魅力です。ある程度じらしといてそれ以降は禁止!おさわり禁止です!あくまで少年漫画的なエロの範疇におさまっています。この「少年漫画的エロ」は未来永劫語り継がれるべき素晴らしい表現方法です。直接的に描写しないことでより妄想の原動力となってくれるありがたいものと言えるでしょう。

萌え漫画の体裁としてサービスシーンは必要不可欠なものです。女子が恥じらったりする姿を見て読者は素敵な笑顔をきらきらと振りまけるようになります。本作の魅力の1つとしては決してサービスシーンを疎かにしていないというところでしょう。ストーリーを作る場合、サービスシーンを経由することが創作の邪魔になったりするはずですがきちんと描いているところに頼もしさを感じます。たかが萌え、されど萌え、そんな萌えの要素について真正面から取り組む作者の誠実さが現れているのです。

まとめ

第2巻を迎えたアンコさんの物語はより広がりを見せるようになりました。第1巻ではクローズドな世界観が感じられた本作ですが、第2巻では学校外へと世界が広がることになりますます今後の展開が楽しみです。学校ものの作品であるにも関わらず舞台が広がっていくのは本作の特徴と言えるかもしれません。また、それはそれだけアンコさんの活躍するフィールドが広がったことを示してもいます。これからも様々な場面でアンコさんの戸惑いや恥じらい、そして喜ぶ笑顔を見ることができるでしょう。

また新しいキャラクターも続々登場しています。中でも山ごもりをしている岩井さんの熱血漢でありながら素直になれない感じはこれまた萌えです。素直になれないという特性は萌えの基本であり極地、読者のハートを撃ち抜いてくれるでしょう。ただ惜しむらくは新キャラクターと出会った後で再登場する割合が少ないという点です。第1巻の鮫島センパイも登場しませんし、山ごもり以降、岩井さんとも出会っていません。魅力的なキャラクターであるがゆえに寂しくもあったりします。

萌え漫画としてのサービスシーンを忘れていない点は最高です。「萌えとは何か」という問いは人類にとって永遠の課題ですが、その答えの一端を本作で垣間見ることができるかもしれません。それはパンツやら何やらといった直接的な描写ではなく「恥じらい」なのかもしれません。恥じらうアンコさんの姿は萌えです。ですが第12話のアンコさんの何気ない入浴シーンも萌えだったりします。恥じらっていないのにアンコさんの滑らかな稜線に萌えを感じることができるでしょう。アンコさんの姿を凝視して萌えについて考えを巡らすのも一興です。

オススメ度
★★★★★★★★☆☆ ★8

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