現代社会と異なる世界「ライフ・コア」。そこにある「ネオジム綜合充電社」は現代社会で生きる「気力を無くして倒れかねない人達」に、電力を生きる気力に変換して充電するという事業を行っていました。

そんなネオジム社にOLとして働く充電ちゃんの一人「ぷらぐ」は、現代社会側の世界で「閃登」と知り合い「アレスタ」という相棒も得て、落ちこぼれながらも地道に充電ちゃんの仕事をこなしてゆきます。

閃登やアレスタと知り合ったことで少しずつ自信を持ち始め、更に高みを目指すため同じ充電事業を営む「サマコバ社」と呼ばれるより厳しい環境へ出向することを志願し、向かうことになったのですが…。

あらすじ

成長を目的にサマコバ社への出向を願い出たぷらぐでしたが、彼女を待ち受けていたのはネオジム社員を良く思わないサマコバの社員達と、ぷらぐの想像をはるかに超えた「生きる厳しさに曝される人達」でした。

貧困と飢餓が日常の明日の命すら危うい人達を必死に充電して回る同僚達、彼女達から見たら不抜けた日本人の充電を担当していたぷらぐはぬるま湯に浸りきった充電ちゃん以外の何物でもありませんでした。

サマコバ社員の意見が的を射ていることに反論できず、逃げ帰るようにネオジム社に戻るぷらぐですが、アレスタに見つかり叱咤を受け自分の思い違いにも気付きます。そしてサマコバ社に戻る決意を固めるのでした。

感想

あれ?こんな作品だっけと思わせる31話

表紙のいやら…セクシーなインシュレータースーツと可愛らしいタイトルフォント、そして04巻あたりまでの心温まる日々のエピソードはどこへやら非常に暗く重々しい展開になっています。唯一の癒やしは冒頭に出てくるアレスタのインシュレーター姿ぐらいです。

この明るい日常から重々しい感じへ突入していく感じは、同じくぢたま某氏が作画を手がけた「まほろまてぃっく」の後半によく似ています。(原作は中山文十郎原氏です)氏が手がけた重い漫画は他にもあるのですが、ここには載せられないタイトルばかりなので…個人的には紹介したいのですが割愛させていただきます。

最初は違う会社で勝手が違うだけだと思っていたぷらぐが、現実の厳しさにうちひしがれボロボロになっていく姿が非常によく描けており「重い話」好きな読者としては満足できる内容となっています。私は明るい日常系漫画も好きですが、ドロドロした人間関係や現実の闇を描いた作品も好きなのです。

32話、主人公のような台詞でぷらぐを叱咤するアレスタ

ぬるま湯に浸っていたぷらぐに厳しくあたるサマコバ社の同僚達、ぷらぐもそれを正論だと分かっているためショックを受けたり罵倒されたりしても使命感でなんとか仕事をこなす姿がけなげにうつりますが、耐えがたいストレスで自信を次第に失っていきます。

逃げ帰るようにネオジム社へ戻るものの同僚アレスタに見つかり愚痴を聞いてもらうのですが、ぷらぐの思い違いにアレスタは激昂し「あなたのどこをどうしたら自信という言葉が出てくるのよ!」の言葉でぷらぐは自分が「いまだ落ちこぼれ社員」であることを思い出します。

厳しく、だが論理的にぷらぐを叱咤するアレスタの姿は、熱血漫画であれば間違ったことを許せない主人公がまるで啖呵をきるようでもあります。このシーンだけ見れば完全にアレスタが主人公であるぷらぐを喰ってしまっています。そんなこんなでアレスタの厳しい鞭がぷらぐが立ち直る切っ掛けとなるのでした。

「吹っ切れたバカは強い」と思い知らせてくれる34話

普段より酷い惨状を前にしサマコバ社の人間でも手こずる状況の中、アレスタの叱咤で勘違い払拭し「自分が充電ちゃんになった原点」をぷらぐは思い出します。そんなぷらぐの変化を見て取った同僚達も次第に態度を軟化させていくのが…まぁよくある展開ですが私は好きです。

その間ぷらぐを心配するアレスタがたまたま(?)出会った閃登と雑談を交わす際に、妄想の中ですが非常に素晴らしいサービスシーンを提供してくれます…内容は実際に本を買って確かめてみてください。この巻はもう一つ露骨な?(ある意味必然性のある)サービスシーンが収録されています。

状況は本編に戻り…サマコバ社の同僚達でも疲弊する酷い状況の中、疲れも忘れて必死に充電を続けるぷらぐの姿が同僚の目にもうつります。「どうしてアイツは一度も休むことなく飛び続けていられる…?」の台詞と共に描かれるぷらぐの姿はまるで熱血漫画の主人公のようでした…。

まとめ

そんなわけで無事サマコバ社の同僚達とも理解し合えるようになったぷらぐなのですが、和気藹々のほんわか日常シーンに戻ったとたん前話までの暗い展開はなんだったのかと思うくらい「これでもか!」というぐらいのサービスシーンが挿入されます。

サマコバ社の「ウェーバー(典型的姉御肌の女性)」があまりにぷらぐを褒めるので、それに嫉妬をした「テスラ(つんつん系お人好しの女性)」をいつも通りありとあらゆる技術を使って優しく激しく慰める場面とか、それをデバガメしていたぷらぐが見つかった拍子に粗相してしまう場面とか盛りだくさんです。

巻末にはとある事実に気付いたアレスタが俯瞰で街を見つめる姿で次巻へ続いています。急転直下の後に急上昇、日常シーンの後に下りを思わせる終わり方をし、06巻はまるでジェットコースターのような展開をする一冊となっています。巻頭のカラーイラストはアレスタを描いた淫らな…癒やしの一枚となっています。

オススメ度
★★★★★★★★★★ ★10

記事担当:とぅるぶら