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魔法先生ネギま!(1) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!は、「ラブひな」「A・Iが止まらない」などの代表作で知られる赤松健先生の作品です。赤松先生の作品の特徴を端的に言えば「とにかく可愛い女の子がたくさん出てくること」ですが、この魔法先生ネギま!という作品はヒロイン数がこれまでとはケタ違いです。

最初に赤松先生が週間少年マガジンで連載していた「A・Iが止まらない」には4人のヒロインが登場しました。次に連載された「ラブひな」では、ヒロインと呼べるキャラクターが9人に増え、名作として語り継がれるようになりました。それが今作、魔法先生ねぎま!になると、ヒロインの人数がなんと31人にまで増えたんです。

さらに魔法先生ネギま!は前作までのラブコメ要素に加え、「バトル要素」が入ったことでかなり見ごたえのある作品になっています。今回は、週間少年マガジンで連載されていた「魔法先生ネギま!」の記念すべき第1巻のレビューをさせていただきます。

あらすじ

一般人には知られていませんが、この世界には「魔法使い」が実在しており、世界各地には魔法使いたちの住む村がありました。主人公のネギ・スプリングフィールドもまた魔法使いの子供であり、イギリスのウェールズにある魔法使い学校を主席で卒業した優秀な魔法使いです。

魔法学校を卒業したネギは、偉大な魔法使い(マギステル・マギ)になるための試練を受けることになりました。与えられる試練は魔法使いごとに違いますが、ネギに与えられたのは「日本の中学校で教師をする」というものだったのです。

わずか10歳にして中学校教師になり、個性豊かな31人の女子生徒たちの在籍するクラスを担当することになったネギ少年。日本の女子中学生に翻弄されるネギと、魔法世界に巻き込まれる女子生徒たち…互いに慌ただしい日々に巻き込まれていくのでした。

感想

ヒロインが31人もいるマンガなんて他に聞いたことが無い

日本のラブコメマンガには複数のヒロインが登場する作品も少なくありません。週間少年ジャンプで連載されていた名作ラブコメ「いちご100%」にも主要なヒロインが6人登場しますし、「ToLOVEる」にも歴代で10人以上のヒロインが登場しますね。読者の様々なニーズに応えるためなのか、今や日本のマンガ作品において個性豊かな5人以上のヒロインが登場することは珍しいことでも何でもありません。

しかし魔法先生ネギま!のヒロインの数は常軌を逸しています。なんと第1巻の時点で、登場するヒロインの人数は31人!驚異的な人数です。これはネギ少年が担任として赴任したクラスの人数が31人だから…ということなのですが、それにしても多過ぎます。しかもこの人数はあくまで今回レビューする「第1巻に登場する人数」であって、ハッキリ言うとヒロインの人数は2巻以降もどんどん増えていきます。

これだけ人数がいると捨てキャラも多くなってしまいそうなものですが、そこはハーレムマンガを描かせたら右に出る者は居ない赤松先生の作品です。クラスに在籍する全員に個性と役割があり、誰ひとりとして不必要な存在はいません。さすがに最初の1巻から全員の素性に迫ることはできませんが、それでもクラス全体の雰囲気を把握することはできます。これだけの人数のヒロインを、キチンと全員立ててストーリーを構成できる力量はさすが名作「ラブひな」を生み出した赤松先生だと言えるでしょう。

前作までには無かった「バトル要素」の片鱗

作者の赤松先生がこれまでに発表した「ラブひな」や「A・Iが止まらない」でもファンタジー要素はありましたが、あくまでメインはラブコメであり、前作まではバトル要素がほとんどありませんでした。前作「ラブひな」の後半では、主人公の景太郎がジークンドーや剣道を極めたせいでむやみに強くなったりしていましたが、特に倒すべき敵が居たわけでもないので本格的なバトルは行われていません。

しかし、魔法先生ネギま!ではこれまでの赤松作品には無かった本格的なバトル要素が取り入れられています。そもそもネギ少年が偉大な魔法使い(マギステル・マギ)を目指すのは、行方不明になったマギステル・マギの父親を探し出すためであり、そこには不穏な敵の存在が仄めかされているのです。実はネギの生まれ育った村の魔法使いたちは、ネギやネギのお姉さんを除いて石化魔法をかけられており、ネギの目的のひとつは村の人々を助けることでもあります。

1巻の時点ではまだ本格的なバトルは始まっていませんが、今後は父親の行方不明という謎に迫りながら、村の魔法使いを石化させた謎の「悪魔」を退治することが大きな目的になっていきます。バトル要素が加わったことで、魔法先生ネギま!は一人の少年の成長物語としても高いストーリー性が評価されるようになりました。「ラブひな」までの平和な世界観とは一変した、「魔法使い」や「悪魔」の存在する世界観には少年漫画らしいドキドキハラハラを感じることができます。

「温泉」に代わるお色気要素は「くしゃみ」

前作「ラブひな」では、作中に違和感なくお色気シーンを挟む手段として温泉が使われていました。しかし今作、魔法先生ネギま!では「くしゃみ」を上手く活用してヒロインたちのお色気シーンが挟まれます。なぜくしゃみがお色気に繋がるのかといえば、そこで主人公の「魔法使い」という属性が活きてくるわけです。

この世界の魔法使いには属性があり、ネギ少年は「風」の魔法を使うことを得意とする魔法使いです。優秀とはいえ、まだ10歳のネギ少年の魔法はふとしたきっかけで暴走してしまうことがあり、その暴走の最たるものが「くしゃみをすると暴風が吹き荒れる」というものです。ネギ少年がくしゃみをすると、それに応じて周囲に暴風が吹き荒れヒロインたちのスカートがめくれてしまいます。くしゃみという何の変哲も無いシーンをお色気シーンに活かすとは、さすがラブコメの巨匠・赤松先生といった感じです。

なにせ31人もヒロインがいますから、風で全員のスカートをまとめてめくるのはサービスシーン的に効率が良いのかもしれませんね。というかお色気シーンを一括で行う豪快な発想に気付いてちょっと笑ってしまいました。ちなみに、くしゃみによるパンチラシーンは1巻だけでも複数回発生していますが、2巻以降でも発生するお決まりイベントのようになっていきます。くしゃみでスカートがめくれ、ヒロインに怒られる…という流れは、温泉を覗いてしまいヒロインに怒られていた前作の主人公を彷彿とさせますね。

まとめ

前作「ラブひな」以降、赤松先生のマンガ家としての知名度は全国的なものとなり、ファンもかなり多くなったと思います。魔法先生ネギま!はこれまでの作品とは違い、バトル要素が強くなっていく作品なのでラブコメ要素を求める前作までのファンには賛否両論あるようです。しかし私は個人的に、魔法先生ネギま!はラブひなの進化形だと思っています。それは単にヒロインの人数が増えたからということではなく、ラブコメの要素にバトルの要素が違和感なく融合し、マンガとしての完成度が高いと感じたからです。

ヒロイン、ストーリー、バトル要素、世界観と、何もかも前作までと比べてスケールアップしています。少し今後のネタバレになってしまいますが、この魔法先生ネギま!という作品は、このあと思いもよらぬ壮大なスケールで描かれていきます。舞台はどんどん移り変わり、衝撃の真実も明らかになっていくためSF作品としての見ごたえも十分です。しかし1巻においては、ネギ少年が赴任してきた学園都市「麻帆良学園」が主な舞台となってストーリーは進みます。

そのためラブコメとしての魔法先生ネギま!を楽しみたいなら、1巻が最も完成度の高い1冊であるともいえるでしょう。ただ、これから魔法先生ネギま!を読む方はきっと、1巻を読み終えるころには続きが気になってしまうのではないでしょうか。最初は純粋なラブコメとして、次に本格的なバトルマンガとして、読み進めるごとに展開する魔法先生ネギま!はかなりおすすめの作品です。まだ読んだことが無いという方はぜひ一度読んでみてくださいね!

オススメ度
★★★★★★★★★☆ ★9

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