Pocket
LINEで送る

はじめてのギャル (1) (カドカワコミックス・エース)

2017年・夏にアニメ化ということで、「ギャル」の題材と表紙のきれいさに惹かれて読んでみることに。ギャルを題材にした漫画は数あれど、ギャルとの恋愛漫画がデジタルメディア化されるのはなかなか珍しいことと思います。ギャル好きのみならず、ギャルに興味のない方でも楽しめる作品です。

かくいう私も、特にギャル派というわけではなく、どちらかというと清楚なほうがタイプ(笑)本作に登場するギャルはいわゆる白ギャルに属していて、現代風のギャルとはこのようなタイプの女の子を指すのでしょう。髪は金、もちろん制服も着崩していてルーズソックスもはいています。

そんなギャルとの恋愛を題材にした本作品、ギャル初心者?でも楽しめるかと思います。私もこの作品を読んだことで、ギャルも悪くない、いやむしろ良いなどと思うようになりました。漫画・アニメを通して、ギャルブームが巻き起こる…そんな予感をさせる作品です。

あらすじ

本作の記念すべき1ページ目は、主人公・羽柴ジュンイチがクラスメイトのギャル・八女ゆかなに土下座で交際を申し込むところから始まります。これは非リアだがDTを捨てたいと思っているジュンイチが「ギャルは案外押しに弱い…土下座で頼めばイケる!!」という迷信を友人から聞いてダメ元で実践したのです。

当然、これは迷信に過ぎず、土下座を受けたゆかなの第一声は「……キモっ」。しかしなぜかゆかなはジュンイチに交際OKを出します。ジュンイチは舞い上がり些細なことで妄想爆発させるが、相手は百戦練磨のギャル。DTのジュンイチでは太刀打ちできません。ゆかなに弄ばれる日々が始まります。

DTを弄ぶギャル、という構図は安易に想像できますが、ギャルのゆかなは意外とガードが固くしかも乙女チック!?ジュンイチをからかうイジワルな顔もすれば、いざキスとなると顔を真っ赤にしたりとギャルらしくない一面も覗かせます。そんな二人の日常と進展を描いた作品です。

感想

ゆかなのギャルな顔とピュアな顔

主人公はDTである羽柴ジュンイチですが、題名にも書かれているようにこの漫画の主役はなんといってもギャル!見た目もギャルとして想像しやすく、口調や行動も典型的ギャルです。それだけなら普通の漫画と変わりませんが、八女ゆかなは「なんか現実にもいそう」という妄想しやすいギャルです。私は二次元に対して、「こんなんいるわけねーし」、とつい否定的になってしまいがちですが、本作のゆかなは「クラスに一人くらいいそう」となぜか思えてしまいます。これはギャルというより、現代風ギャルとして描かれているからかと。ひとえにギャルといえども、その存在は時代とともに変わっていきます。ゆかなはこの現代風ギャルの代表例なのです。

現代風、といっても多種多様ですが、私が考えるいちばんの現代さは「白ギャル」です。かつてはギャルといえば「黒ギャル」だったと思います。見た目がこてこてのギャルで、中身もギャル、それがかつてのギャル像でした。しかし、現代は服装がギャルっぽいや化粧がギャルっぽいといったように、外見の一部のギャル化が増えてきました。いわゆる「ファションギャル」と呼ばれるものです。本作のゆかなにもその傾向が見受けられます。外見はどこから見てもギャルですが、中身はギャルになりきれていない。中と外にギャップがある女性は非常にかわいらしく見えます。それがギャルならギャップが大きくなおさらかわいく見えるのでしょう。

そんなゆかなですが、普段はギャルぽっさが目立ちます。ジュンイチをからかったり、ボディタッチを過剰にしたりとわざとジュンイチを弄びます。それは彼女の表側である種の仮面なのではないかと思います。外見を変えると中身までそうであろうとする、そうなってしまう人も珍しくはありません。もちろん、ギャルのゆかなも彼女の一部なのでしょう。しかし、本来の彼女はピュアな一面があるかわいらしい女の子、そのように描かれている描写もあります。そんな彼女をギャルとしても楽しめる、ピュアな女の子としても楽しめる、一粒で二度おいしいを楽しめる彼女はとても魅力的なキャラクターです!

毎回少ししか登場しないのに印象に残ってしまう主人公の友達

非リアの主人公は校内では基本的に非リアの友達3人と一緒に行動しています。主人公を含めた4人はいつもしょうもない下ネタで盛り上がっていますが、ジュンイチはいつもそのとばっちりを食うポジションです。この物語のきっかけとなった「ギャルは案外押しに弱い…土下座で頼めばイケる!!」という迷信を言ったのも友人の一人です。毎度出てきても1、2ページほどしか出番がないのですが、なぜか印象に残ってしまいます。「彼ピッピさんよぉ!!」「リア充は去れ!!」といったように主人公に強くあたる発言が多いのですが、やはりそこは友人。普段の軽口の延長線上なのでしょう。(もしかしたら本気で言ってるのかもしれませんが…)

そんな彼らも主人公を邪険に扱いつつもたまには応援してくれたり、慰めてくれたりします。もちろん、それに関してはギャルと付き合った主人公を通じて自分もギャルの友達とお近づきになりたいという下心があるのですが、恋人との相談に乗ってくれたり、仲を応援してくれる友達がいるというのは大切なことと思います。ただ、この友達3人が出てくるとギャルとの恋愛漫画だと忘れて、男子高校生のギャグ漫画だったっけとなってしまうこともありますが…まぁ、それはいい意味での緩和剤、彼らも物語に欠かせない存在となっていることでしょう。

ギャグ担当と言われてもしかたのない友達3人。実は今巻では名前が出てきていません。このまま出てこないのか、はたまた続巻で出てくるか。無駄に気になってしまうところです(笑)主人公・ジュンイチとギャル・ゆかなに負けずに存在を主張できる友人キャラ達、彼らの存在がこの漫画のおもしろさをよりいっそうひきたてる。私としては毎話1ページは出てくることを期待しています。もしくは彼らに焦点をあてた話などもあったりするとおもしろいかななどとも思っています。

女の子に弄ばれる快感にきっと目覚める

主人公・ジュンイチの目的はDTを卒業すること。本人はそれに最短距離で登りたいがためにギャルに告白したが、世の中そんなに甘くない、と言わんばかりにDT卒業までの道のりは険しい。上記にゆかなはピュアでもあると書いたが、基本武装はやはりギャル。必要以上に密着してきたり、キスするふりをしてきたりとDTには荷が重い相手。基本的にゆかなの掌の上で転がされます。しかし、それがいい!題材はギャルなのだからこういうシチュェーションが最高にいい味を出す。ギャルにはひぱっていってもらいたいと思う人も少なくないだろう。

デートも基本的にはゆかながひっぱることが多い。カラオケに行ったり、ゲーセンではしゃいだり、プリクラを撮ったり、デートの別れ際のキスも…と言ったり主導権は全部ゆかなが握っている。やはりギャルはこうでなくては。DTは自分でひっぱっていくことができないからDTなのであって、こうやって弄ばれているからこそDTなのだ。色白、金髪、巨乳、そしてギャル、DTの夢が詰まった存在がこの八女ゆかな。彼女の理想像のうちのひとつとなっていることだろう。

こんなギャルに弄ばれたいと思ってしまう人が続出すること間違いなし、八女ゆかなは現代ギャルの完成系です。顔よし、身体よし、ファッションよし、そしてノリよし。そんなギャルに弄ばれたいと思っているあなたは本作を読む価値あり。ギャルに興味がないという方も本作を読むことでギャルに弄ばれる快感を覚えるかもしれない。そんなギャルの尻に敷かれっぱなしのジュンイチはもう少し頑張りましょう。そんなギャルがうろたえる姿を私たちにみせておくれ。

まとめ

『はじめてのギャル』はギャルとの恋愛を描いた作品であるが、気楽に学園ラブコメディと捉えてもらってよいと思います。登場人物の女性は大半がギャルですが、ギャルといえども彼女らは女子高生。普通に授業だって受けますし、いかがわしいバイトをしたりということもありません。彼氏と彼女の日常をおもしろく描いた、それがたまたま非リア充とギャルだったということなのでしょう。だからといってこの出てくるギャルが手抜きなのかというとそうではありません。

上にも記したように、ゆかなは現代風ギャル、もっと砕けていうとギャルっぽい普通の女の子です。最近の女子高生事情には詳しくありませんが、どの時代にもギャルっぽい女の子はいると思います。そんなどこにでもいるような女の子とどこにでもいるような冴えない男の子の恋愛、二人の不器用さもうまく描かれています。青春の甘酸っぱさを思い出したい人や、高校生活に夢を抱いている人、今の高校生活に何かを求めたい人などなど、万人受けする漫画となっています。

何度もいうように、ギャル好きはもちろんのこと、ギャルに抵抗がある方にも楽しめるようになっている本作。最初に書いたようにアニメ化もされます。漫画では…と思う方も気軽にアニメで楽しんでみてはいかがですか。この作品を見たあと、あなたはきっとギャルも悪くない、いやむしろいいと思うようになるはずです。これから巻き起こるかもしれないギャルブーム、乗り遅れたくないのならば、『はじめてのギャル』を手にとってみましょう。

オススメ度
★★★★★★★★★☆ ★9

記事担当:ゴー

Pocket
LINEで送る