れんあいこわい (1) (REXコミックス)

恋愛こわいは、心の中に童貞がいる女子校生悠(はるか)をはじめ、巨乳美人でAVソムリエを自称する大学生のお姉さんなど、非常に個性的なキャラクターが登場するシチュエーションコメディーです。タイトル通り、童貞らしく恋愛への恐怖心を持ったキャラが多く、ラブコメになりきれないのが読者の共感を呼ぶポイントになって慰安す。

エロマンガ大好きで女子はエロ目線で追うのに、3次元の恋愛には免疫がゼロという悠の童貞ぶりが良く描けていて、お前は俺かといいたくなるような男性も多いはずです。そのくせ美少女のため、ギャップにやられる人も多いのです。

恋愛には発展しないものの、ちょっとした男性との接触で真っ赤になるなど悠のテレ顔や慌てぶりも見所です。三次元に興味はないと断言するような根暗男子が登場するなど、オタクらしい属性をちりばめた残念な人物が数多く登場するのも特徴になっています。

あらすじ

レンタルショップに勤める悠は童貞をこじらせたような女子校生です。客の胸のサイズをウォッチングしながら、同僚の桜井と漫才のようなやり取りを繰り返しています。巨乳女子大生の涼子や、根暗男子の蓮見など非常に個性的な店員が揃うショップには、いつもおかしな客が訪れるのです。

ふとしたきっかけで涼子がAVマニアでAVソムリエを自称していることがばれたり、クール系の外見と態度なのに腐女子な常連客が来るなど何かと話題に事欠かないのがポイントです。大きなストーリーの流れは無いものの、お互いの性癖がばれたり、傷のえぐりあいになることもしょっちゅうです。

悠が微妙に桜井を意識するシーンもありますが、長くは続かないのもポイントです。ストレスがたまったらエロ本を読んで気を紛らわせるというスタンスのため、話が進展しないのです。一方で、桜井はとあるきっかけ悠のことを気にかけるようになる…というところで次巻に続きます。

感想

悠の童貞力の高さと可愛らしさのギャップにやられる

「恋愛こわい」のメインキャラとなるのが心に童貞がすんでいる悠です。仕事中は客の胸をつぶさに観察してサイズを推測するくせに、ラッキースケベのチャンスがあると紳士ぶろうとして引いてしまうなど行動が童貞そのものです。タイトルの「恋愛こわい」には女子に対する悠の臆病さもこめられているのです。エロに対してのこだわりなど一般的な青少年との共通項も多く、非常に読者の共感を呼びやすいキャラになっています。バイト先も美人で巨乳な涼子がいたから決めるなど、行動原理が非常にわかりやすいのです。

悠は恋愛にも免疫がないだけでなく、自分を女子とも思っていない部分があるのもポイントです。腰を曲げた際に上着とスカートの隙間から背中が見えたり、おっぱいが見えそうになったシチュエーションを再現するために行動した結果ブラがちらついてしまうなど、非常に無防備です。結果として様々な天然を炸裂させ、同僚の桜井を大いに困惑させることになります。貴重なお色気シーンの供給キャラであり、指摘されると真っ赤になって照れるような純真さも持ち合わせているのです。

童貞力と無防備さのギャップが魅力の悠ですが、基本的に性格や趣味は残念な方向に向かっています。むしろ、性格や趣味が残念でなければ非常にモテそうな外見のため、ある種のリアリティがあるのが不思議です。その無防備さに同僚で貴重な男子でもある桜井がやられている部分があるのですが、本人に全く自覚は無いのもポイントです。何か意識することがあってもからかわれていると考えて予防線を張ってしまうのです。とにかく自分を守る方向に行きがちなのも童貞の童貞らしいポイントです。悠が恋愛に対する怖さと向き合えるかで作品が大きく変わる可能性もあります。

属性盛りすぎな女子大生涼子さんの破壊力がすさまじい

悠がバイトをするきっかけになったのが、悠や桜井の先輩である女子大生の涼子です。美人で巨乳な女子大生であり、頭が良くて天然と属性が盛りだくさんです。その上話が進むにつれ、実はAVマニアであることが発覚するなど属性のてんこ盛り状態なのです。レンタルショップではAVコーナーを担当しており、AV好きな男性におすすめ作品を聞かれてもすらすらと答えられるなど、ショップ内で3次元のエロに詳しい人材になっているのです。

懐が広いのも涼子の特徴で、他人の性癖も笑顔で受け止める部分があります。圧倒的な包容力を持つ癒し系でありながらAV好きというギャップがポイントになっているのです。一方で、特に異性に対して免疫があるわけではなく、天然ボケを炸裂させることになります。男性バイトである桜井におすすめのAVを教えあいっこしようと提案したり、自宅でAV鑑賞会を提案するなど逆セクハラの嵐を巻き起こすのです。悪気が無い分たちが悪いだけでなく、ツッコミが入るとさらに自体が悪化していくところも見所です。

あまりの天然ぶりに、残念な性格から男が寄り付かない店長に嫉妬の視線をぶつけられたりもしますが、当然自覚はありません。また、恐れ知らずな部分もあるため、涼子は随所随所で他の登場人物に強い影響を与えたり、助言を与えたりするキーパーソンになることもあります。美味しい役どころであるだけでなく、妄想のはかどる名言を様々残してくれるなど男子読者のハートをがっちり掴む要素に事欠かないのです。悠と涼子の二人が物語の萌え要素を大量供給する柱になっています。

脇役も個性的なキャラばかりなのも特徴に

物語の脇を固めるキャラクターも非常に個性的です。クールな外見、クールな態度とは真性の腐女子である女子大生が出てきたり、根暗なバイト男子が学校でリア充属性を持つ同性の女子とラブコメ展開をしたりと、ネタに事欠かないのです。腐女子の女子大生は本人はばれているつもりが無くても、借りる作品の方向性などで一部には属性がただもれになっているなどやはり残念な部分があります。逆に言えば全員残念な部分や欠点があるからこそ感情移入がしやすくなっているのもポイントです。

根暗男子の蓮見は貴重なラブコメ展開供給要員でもあります。3次元のエロには興味がないと断定するような高校生で、バイトは部活でリア充した人間を見たくないからという理由ではじめています。しかし、中学時代のクラスメイトで同じ苗字の蓮見と偶然再会し、同じ苗字だからと下の名前で呼ばれて意識してしまうなど、常にリードされる側になっているのです。本人は必死で否定し、リア中から離れようと対抗心を燃やすことになりますが、異性から好意をしっかり示されている貴重なキャラにもなっているのです。

周りが個性的な分、もっとも一般的名男性心理を代弁する桜井が個性が薄いキャラになっているのもポイントです。常識的な発想をもち、童貞のためすぐに異性を意識してしまう以外には非常に平凡です。登場回数が多く他のキャラクターとよくやり取りをするため目立ちますが、常識を持って突っ込みを入れるという役回りになっているのです。もっとも、あまりにも濃い面子に囲まれながらもそれぞれの人間とうまくやっていけているあたり、懐が深い部分があることも否定できないのです。

まとめ

恋愛こわいは童貞がもつ恋愛への恐れなどが良く表現されていて、恋愛漫画とは違ったベクトルでオチをつけてきます。雰囲気をぶち壊しにするような話の流れがかえってリアリティに繋がるケースも多く、読者の共感を引き出しやすくなっているのです。欠点を極端にディフォルメしているからこそ笑いにも繋げやすくなっていて、萌えの方向にまっしぐらのシーンも随所に挟まれています。キャラクターのギャップなどもたくみに利用しているため、非常に完成度が高いのです。

オタクにありがちなことやレンタルショップあるあるなどネタも豊富で、テンポよく読めるのもポイントです。1話1話を単独の作品と呼んでも良いほどで、難しい伏線などもほとんど登場しないのも特徴です。次巻以降への引きが少ない分密度が濃いのです。伏線と呼べるものは悠と桜井の過去のつながりや、涼子の家族事情程度です。高校男女な蓮見に関しては順調に話が進むのか、こじれる方向に話が進むのかを含めて見ものといえます。

女子勢が魅力的なので、キャラクター物の側面がありながら次の巻が読みたくなるのもポイントです。感情のふれ幅が大きいキャラクターが多いだけでなく、あの手この手で多面的にキャラを描くため飽きが来ないのです。女子だけが出てきてゆるふわな日常を繰り広げる4コマや、職業系などのノウハウを詰め込んだ萌え漫画とは方向性が異なるのも特色です。ラブコメ中心にならない程度に男女の恋愛要素を入れているため、たまに変化玉な萌え漫画を読みたい人におすすめです。

オススメ度
★★★★★★★★★★ ★10

記事担当:しらたま。