Pocket
LINEで送る

2013年から連載が続く『スロウスタート』がアニメ化されるなど、今注目のマンガ家の一人になっているのが篤見唯子(とくみゆいこ)先生です。萌え系の雑誌などに親しんだ人からすればベテランになりますが、スロウスタートをきっかけに注目を始めたという人も珍しくないのではないでしょうか?

今回はそんな篤見唯子先生の作品などに迫り、人物像や作品性を解き明かしたいと思います。

※アイキャッチ画像
引用元:スロウスタート1、篤見唯子、芳文社、第3刷、P9

アニメ『スロウスタート』の魅力は?

ストーリーと主要なキャラは?

2018年1月6日から放映が開始された『スロウスタート』ですが、皆さんはご覧になられましたか?
中学浪人を経験し、1年遅れで高校生活をスタートした『一之瀬花名(いちのせはな)』の物語で、ちょっとした秘密を抱えながらにぎやかな学園生活を過ごしていくことになります。

花名以外のメインキャラクターは、

・天然女たらし女子の栄依子(えいこ)
・常にテンションが高く、オタク趣味ももっているたまて
・眠ることと食べることが大好きな冠(かむり)
・花名のいとこで花名の住むアパートの管理人志温(しおん)

個性的なキャラクターたちが広げるゆるゆるとした会話と独特の『間』が魅力的な作品でもあります。

『スロウスタート』アニメ公式サイト

[youtube https://www.youtube.com/watch?v=HRhJKMikR2s&w=560&h=315]

原作とアニメは違う?

原作とアニメの大きな違いは、原作にないエピソードを追加し、より深くキャラクターを掘り下げていることです。
具体的には原作1話では、栄依子やたまて、冠(かむり)と一緒に帰るシーンはなく、大家の志温との夕食のシーンも1話より後のエピソードになっています。
花名を心配して両親から頻繁にメールが来るなどのエピソードもなかったため、キャラクター間の関係性もわかりやすくなっています。

監督は『ご注文はうさぎですか?』を手がけたことでも有名な橋本裕之監督で、キャラクターの魅力をうまく引き出しているのが伝わってきます。
特にキャラクターの優しさや気遣いが随所ににじみ出ていて、1年遅れで高校生になったというコンプレックスを持った花名が友人たちと自然に馴染んでいく描写は見事です。

実際に『スロウスタート』1話を見て、「和んだ」「癒された」という感想をよせる人が多く、好調な滑り出しになっているようです。
たまての名前の由来など、先行するエピソードなどからピックアップされている要素も存在し、原作読者もニヤリとするポイントがちりばめられているのもポイントです。

吹き出し

癒された、可愛いといった声に混じって、構成の巧みさにも触れる人も出ています。また、ちびっ子キャラと監督のつながりから、冠を『ごちうさ』のチノに似ていると感じたり、監督違いですが『小林さんちのメイドラゴン』のカンナと重ねる人もいるようです。

ある意味見所になっている志温のインパクト

ビジュアル的なインパクトでは志温の胸の動きに目が言った人も多いかもしれません。原作でも4コマの枠に胸がのるなど旨が強調されるシーンが多く、作品中では貴重な巨乳キャラになっているからです。アニメ中の場合はさりげなくモブに巨乳キャラを紛れ込んでいるため、遊び心もの要素にもなっています。

作画も丁寧なだけでなく、原作のイメージを壊さないように配慮されているのが良くわかる構成で、良作として記録に残りそうなアニメになっています。
キャラクター性を生かしたキャラクターソング集なども発売される予定になっています。


引用元:スロウスタート1、篤見唯子、芳文社、初版、P27

吹き出し

枠線に胸が乗るのがデフォルトになっていますが、アニメだとかなり『揺れ』ます。

篤見唯子先生ってどんな人?

篤見唯子先生は2000年代初頭にはイラストレーター、マンガ家として活動を始めています。商業関連の仕事はアンソロジーコミックなどが中心で、同人作家としても活動していました。

篤見唯子先生の名が知れ渡るようになったのは、『マジキュー・プレミアム』で連載が開始された『瓶詰妖精』以降になります。それまでもトレーディングカードゲーム『アクエリアンエイジ』のイラストや、大ヒットゲーム『Kanon』アンソロジーコミックスの表紙などを書いていましたが、連載作を持ったことで注目が集まるようになったのです。

吹き出し

平成12年(2000年)に発売された大ヒットゲームKanonの公式アンソロジーコミックの表紙を担当しています。販売元は株式会社ブロッコリー。

マンガ以外にもキャラクターデザイン等で活躍

『瓶詰妖精』連載開始とほぼ同時期に発売されたゲームソフト『Iris 〜イリス〜』でもキャラクターデザインを手がけています。『Iris 〜イリス〜』は学園物の恋愛アドベンチャーゲームですが、主人公たちが中学生というのが大きな特徴になっています。恋愛アドベンチャーゲームの多くが高校生を主人公にしているため、今でも異彩を放つ作品の一つになっています。

吹き出し

2003年発売のビジュアルファンブックの表紙イラスト。ビジュアルファンブックには篤見先生のインタビューも掲載されていて、意図的に中学生よりも下の年齢層を意識してデザインされていることがわかります。また、キャラクター全員の足元にもこだわっていて、同じ制服でも黒タイツやニーハイ、白タイツなどをキャラクターを個性化させています。

過去の作品から現在連載中の『スロウスタート』までの流れを見ても一貫しているのが、キャラクターの幼さと可愛らしさです。原色の派手な色合いではなくパステルカラーなどを中心に淡い色調を好んでいるのも特色で、はまる人はどっぷりとはまってしまう魅力があるのです。

『マジキュー・プレミアム』はメディアミックスを前提にした雑誌であったため、その後『瓶詰妖精』もアニメ化され、PCゲームも発売されています。

『マジキュー』のマスコットキャラクター、たまちゃんも篤見先生のデザインで、スロウスタートのたまちゃんと外見的な共通点が多いのもポイントです。マジキューのたまちゃんと、スロウスタートのたまちゃんが同じ年齢になるころにアニメ化されたこともあり、篤見先生自身が感慨深さを感じているのもポイントになります。

吹き出し

いまや貴重になってしまった『たまちゃん』のグッズ。実は『マジキュー応援歌 がんばれ!たまちゃん』というCDも発売されています。

篤見先生デザインのフィギュアも販売された?

篤見先生は同人サークル『薄荷屋』の主催者で、同人界の人気サークルにもなっています。その人気に目をつけた企業が篤見唯子先生とコラボしてフィギュアを販売した事もあるのです。フィギュアは1個500円のボックスかガチャで購入するトレーディングフィギュアタイプで、セット購入も可能でした。


吹き出し

2005年の『ポケットシアター 篤見唯子の世界 薄荷屋 コレクション こすちゅーむくらす』より、コレクションの一部。同シリーズには水着のコレクションが存在し、紺スクール水着と白スクール水着でわかれるこだわりよう。


実はベテランのマンガ家でイラストレーターでもあるのです。

ちなみに、マジキューのたまちゃんもフィギュア化されています。

美少女麻雀漫画『咲-Saki-』の大ファン

篤見先生といえば、一部界隈では『咲-Saki-』の大ファンであることが知れ渡っています。
公式ページが一時期『咲-Saki-』の情報で埋まっていた時期もあり、過去記事にさかのぼると話題も増えていきます。

薄荷屋
http://cgi.www5b.biglobe.ne.jp/~hakka-ya

どの位影響を受けたかは、ツイッター上で不定期に行われる百合部座談会での子の発言に集約されます。

現在連載中の『スロウスタート』は2巻以降非常に百合要素が強いシーンも登場し、その筋の人にもたまらない内容になっています。

1月末には最新巻が発売!

アニメが好調に滑り出した『スロウスタート』ですが、最新5巻は1月27日発売になっています。

今後もキャラクターソングCDや各種グッズが展開される予定であり、人気アプリ『きららファンタジア』にもキャラクターが追加参戦するなど、ますます盛り上がっていくことが予測されます。

まとめ

DVDには篤見唯子先生書下ろしのマンガがつくなどの情報も出ているため、アニメ公式サイトや商品展開の情報も必見です。

まだアニメに登場していませんが、大学浪人で引きこもりになっている万年大会(はんねんひろえ)など、変わった名前&個性的なキャラも登場します。

原作はアニメとは違った独特の力が抜けるような空気感が魅力になっているため、アニメが気に入った方には原作マンガも手にとってはいかがでしょうか。

月10冊程度、年間100冊超の漫画を読むフリーライター。非定期で友人と百合漫画を語る会を開きますが、ジャンルは不問で何でも読みます。

Pocket
LINEで送る