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からかい上手の高木さん 1 (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)

2018年1月からアニメの放送も開始される大人気ラブコメ漫画『からかい上手の高木さん』今回はその第1巻のレビューをお送りします!

『からかい上手の高木さん』といえばヒロインである高木さんのからかいっぷりが魅力の漫画ですが、実際に読んでみるとそれだけの漫画ではないことがわかります。

そこで今回のレビューでは高木さんのからかいっぷりを引き立てるために描かれた、高木さんの隠れた一面にスポットを当ててみたいと思います。

あらすじ

日本のとある田舎町に住む西方くんと高木さん。二人は同じ中学校に通う中学1年生で同じクラスメイトでもあります。

席も隣同士のため会話する機会も多くあり、どこか抜けている西方くんはことあるごとに高木さんにからかわれ、煮え湯を飲まされています。

でも、高木さんはなぜ西方くんをからかうのでしょう?からかうのが楽しいからでしょうか?それとも、単純に人をからかうのが好きなのでしょうか?どうにも鈍い西方くんはその答えを未だ知らずにいます……。

感想

原点にして頂点!50%の確率に賭けた決死のからかい!

第1話では高木さんが西方くんに消しゴムを貸します。その際、彼女は「消しゴムに好きな人の名前を書くおまじないってあったよね」という意味深な言葉を添え、トイレへと席を立ちます。西方くんは高木さんの誘導にまんまと乗ってしまい、高木さんの消しゴムに誰の名前が書いてあるかを確認します。

そこに書いてあったのは「ろうかみろ」の5文字。廊下を見るとそこにはドヤ顔の高木さん。西方くんはまんまと高木さんの策略にハマってしまったのです。席に戻った高木さんはひっかかった西方くんを笑いものにし、消しゴムを返してもらいます。そして、このコマ。消しゴムカバーに見切れた西の字が見えるでしょうか?

ここで判明するのが高木さんが西方くんを好きだという事実!ここでもし西方くんが逆の側を覗いていたらこの作品はここで完結していたでしょう。それほどの秘密を50%の確率に賭けてからかいに託した高木さんのいじらしさと豪胆さが同時にうかがえるこのシーンは彼女の本質を凝縮した一コマなのです。

からかうだけが全てじゃない!心配そうな高木さんの表情に注目

いくら高木さんでもTPOをわきまえず、常にからかいに徹するわけではありません。西方くんが風邪を引いた日には彼の体調を気遣い、からかいを自重するという優しい一面も見せてくれます。しかし、ただ優しくなるだけというわけではないのがミソ。

「うずっ」という言葉に挟まれた高木さんの表情は一見無表情に見えるものの、その心中は穏やかではありません。いつものように西方くんをからかいたいなーと思いつつ、彼が苦しそうに咳をする姿を見て首をフリフリ。なんとか自分を律しようと必死な様がうかがえます。

いつでも余裕な表情で西方くんをからかいまくる高木さんが初めて見せた狼狽シーンと言って良いでしょう。彼女の余裕ぶったからかいは、こうした年相応の純真な恋心の上に成り立っていることを示してくれるとても胸キュンなシーンです。

告白を回りくどい嘘に包み込んだ甘酸っぱいからかい

ひょんなことから西方くんの誰にも知られたくない秘密を知ってしまった高木さん。彼女はその秘密をからかいに利用すべく、一計を案じます。「誰にも言わないでくれ」と必死に頼み込む西方くんを前に高木さんはある提案を持ちかけるのです。

「誰にも言いふらさない証明として私の秘密を教えてあげる」互いに秘密を握りあえば西方くんも安心できるはずだという考えから持ちかけた提案でしたが、高木さんの口からはとんでもない秘密が!それが上のコマで発された告白です。このあとすぐに高木さんは嘘だと明かすのですが、その嘘は非常に回りくどい嘘。

「西方くんを好きだ」ということが嘘なのではなく、「西方くんを好きだという事実が秘密である」ことが嘘なのだと彼女は心の中で呟きます。心の中の独り言とはいえ、その時の高木さんの心中を思うだけでもキュンキュンしますよね!「秘密じゃないんだから気づいてよ!」と心の中では思っているのかもしれません。

まとめ

高木さんはからかい上手なだけの女の子ではありません。中学生らしい恋心を胸に秘め、それを必死にアピールする役割を得意技のからかいに負わせているいじらしい女の子なのです。それを証明するために、今回は高木さんの意外な一面をメインに紹介してみました。

この作品は基本的に西方くんを様々なやり口でからかい続ける高木さんのかわいさを眺めるものです。しかし、そのからかいがどのような感情の上に成り立っているのかを考えることで『からかい上手の高木さん』の魅力がもっと味わい深くなるはずです。

2018年1月から始まるアニメではこうした高木さんの繊細さがどのように描かれるのか、いまから楽しみでなりません。願わくば、高木さんのからかいのみにフォーカスせず、今回紹介したようないじらしさもきちんと表現されている作品に仕上がっていることを祈りたいですね。

オススメ度
★★★★★★★★★★ ★10

記事担当:しがまる

物語の行間に潜む感情の機微を炙り出せるような記事を書きたいです。ショートカットで元気な女の子が大好きなので、オススメの作品があったらご一報ください。

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