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悪舌のモルフォ(1) (シリウスコミックス)

表紙の美しい人が、まさか美少年だったとは~!電子書籍サイトで表紙だけ見てサムネイルの下の購入ボタンをポチッ。ジャケ買いの結果、毒舌美少年と元美少年小説家の異世界に誘われました(笑)。

気になってリアル書店で紙書籍を見たところ、ちゃんと帯がついてて「口の悪い美少年はお嫌いですか?」と書いてありました。おおぅ。連載誌の「月刊少年シリウス」と講談社さんのフロンティア精神にビックリです。

読んでみると、やはり想像をはるかに超えるセンセーショナルかつミステリアスな作品でした。表紙の美少年・帝のキャラが色々な意味でヤバいです。

あらすじ

長いスランプ生活に疲れた小説家・坂本久月は、自殺しようとした矢先にナゾの毒舌美少年・芦川帝と出会います。

会ったばかりなのに「今死ぬくらいなら、俺の玩具になれ!」「お前の生活を保証してやる、だから俺と契約しろ」と言い放つ帝。しかし、なぜか圧倒されてしまった坂本はその意味不明な契約を承諾してしまいます。

坂本は日々クズ呼ばわりされながらも、家で過ごしたり、買い物に行ったり、水族館に行ったりと、帝に尽くします。帝はいつも自信満々で楽しそうにドSっぷりを発揮。ナゾの主従関係の行方は…。

感想

ドSすぎる毒舌美少年・帝くんのアブナイ魅力

表紙からして美少女と見紛う美しさがヤバい帝。名字は普通ですが名前もド直球のキラキラネームです。サラッとした髪質のおかっぱヘア、スラッとした脚を露出する私服。自分が美少年であることを理解しつくしていて、「美少年は100%才能なんだよ、持ってるもんは利用しねぇとな」などの名言を放っています。

坂本とかわしたという契約の内容は、俺に干渉するな・俺のために生きろ・返事は「帝さまの戯れのままに」、の3点。少女漫画やBL漫画でも言わないような、ぶっとんだ内容です。ここまで徹底して突き抜けているともう笑うところなのか、恐れをなしてひれ伏すべきなのか分からなくなります。

帝のキャラに慣れてくると、「起きろクズ」「クソ愚民」「やれよクソ犬」「ご主人様に色ボケしてんじゃねぇよ」といった発言やその他の問題行動も全て含め、「帝サマですから…」でなんとなく納得してしまうのも無理からぬことです。

元美少年小説家・坂本久月はただいまスランプ中

主人公の坂本は、実は元美少年小説家としてマスコミの脚光を浴び、デビュー作もかなり売れた過去があります。実際なかなかの美少年でしたが、早くにデビューしたせいで才能があると思いあがってしまった坂本。結局そこから抜け出せず、全く書けなくなってしまったので自殺を試みました。

最初に自殺しようとしていただけあって、非常にウダウダした暗いキャラですが、帝とのコミュニケーションを通じて改めて自分の仕事や性格を見つめなおして前進しようとしています。帝への服従ぶりはなかなかのもので、もともとドMだからなのか、帝を子供扱いして合わせてやってるだけなのか、ビミョ~なところです。

そしてやたら美しい男ばかりの登場人物の中に、美女もちゃんと登場!昔から坂本を知っている、スーツ姿が麗しい担当編集の河口さんです。「せっかく才能あるんだからさ、書いてみない?」と気にかける優しさがステキなお姉様です。

ドSな日常の裏でドロッと漂うシリアス展開のナゾ

ストーリーは坂本が語るモノローグとともに進行。坂本は帝との関係について、「美少年との契約に基づく主従生活の日々の記録」「ひとつの約束の物語」と表現しています。出会った際、「契約」とは別にかわされた「約束」があり、帝は「これは約束で、いいんだ。もしそうなった時には俺を…」と意味深なことを言っています。

契約も約束も、具体的な内容については1巻の中でも徐々に明かされていきました。契約は見たまんまで、ドSな帝がオラオラと坂本を罵倒する展開。「約束」については指きりまでしていますが、真意はサッパリわかりません。

傍若無人なドSがなんだかんだドMと耽美に戯れる話かと思いきや、背後には重く怪しく漂うシリアス展開。坂本は現実では帝に翻弄されながらも、モノローグでは冷静な観察眼も持ち合わせています。今後どのような真実が語られるのか、注目していきたいところです。

まとめ

「これってもしかしてBLデビューなんでは…」とドキドキしながら読んでみたところ、毒舌美少年の帝くん(名前もスゴイ)のキャラがめっちゃドSで面白いじゃありませんか!一応設定は現代のようでうが、明治~昭和っぽい近代レトロな雰囲気もジワる感じです。

そして、毒舌キャラと名前以外ほとんどナゾに満ちた帝のプライベート。一体どんな深い事情を負っているのか。「契約」よりも気になる「約束」の真意とは何なのか。耽美でミステリアスな展開にグイグイ引きこまれます。

ちなみにタイトルの「モルフォ」とは、ギリシャ語で「美しい・形態」という意味。表紙に描かれた青い蝶は「モルフォ蝶」という実在の蝶。作中にも時々舞っている蝶ですが、こちらも単なる演出なのか、何かもっと深い意味があるのか気になるところです。

オススメ度:★★★★★★★★☆☆ ★8

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