秋葉原は滅亡しました (LEED Cafe comics)

「秋葉原は滅亡しました」は新感覚のオタク文化コメディです。世界最悪のウィルスによって人類が絶滅した地球に美少女型型宇宙人がやってきて、文化考察を始めます。

秋葉原を調査する理由は、他の地域と比べて特異な物があまりに多く、独自の言語なども利用されているからです。発想が明らかにおかしいのは、エロ同人誌を見て薄くて文字が大きい本だから児童書なのではと推察するなど発想が斜め上になっている点です。

オタク文化でもディープなほうを探訪し、時に実践を交えたりするため、お色気シーンもところどころは要ります。逆のキレ具合が恐ろしい具合になっているだけでなく、ひょっとし一般人が持っているオタク文化に関する偏見もこうなりえたのではと恐ろしくなる作品です。

あらすじ

世界最悪のウィルスの発生により、人類は骨も残さず絶滅しました。人類が滅びた後にやってきたのは美少女型宇宙人たちで、地球の文明を調べるために調査を開始します。

成人向け同人誌を児童書と勘違いし、文章を解析すればあえぎ声を神への祈りの言葉と勘違いするなど、分析は斜め上のオンパレードです。しかし、彼女たちは調査に手ごたえを感じつつ秋葉原の様々なスポットを調査していきます。

トレーディングカードを紙幣と勘違いし、美少女を責める拘束マシンをより高い次元にいたるための道具と認識するなど、ドコがどうなってそうなるのかわからないものばかり。内容が物騒なものになりがちなためスポンサーとトラブルが起きるなど、地球の調査は前途多難なまま進行していくのです。

感想

キャラのかわいさと会話のギャップが楽しい

地球に降り立った宇宙人はみな美少女型であり、それぞれ属性が違うのポイントです。スタイルや髪型による個性があるだけでなく、テンプレ的とはいえキャラの書き分けがしっかりしています。その上で交わされる会話は基本的に検討外れのものばかりなのです。はっきりいって腹がよじれます。そんな解釈がどこから出たのがわからないものばかりですが、キャラクターたちはみなまじめに話しています。そのギャップがまた楽しいのです。

成人向け同人誌やエロゲーを参考にして言語解析などを行うため、放送禁止用語が飛び交うシーンなどもあります。しかし、本人たちはエロい物だと全く思っていないのです。美少女型宇宙人たちはどうやって繁殖しているのか気になってしまいますね。様々な作品のパロディが出てきて、その作品が出るたびに地球の文明はこういうものだったという推察も出てきます。たとえば、巨人が人を食べる大ヒットマンガの一場面を見た際に、人間が食料だと誤解されるなど相当のぶっ飛びぶりです。

何がフィクションで、何が現実かの区別がついていないのです。明らかに狙ってやっているのはわかるものの、どうしてそれを実際に漫画化したのかと突っ込みたくなるのが本作の魅力です。注意したのは、狙ったものなのかなんなのか、本のサイズが特殊で、色やデザインがまるで成人向けマンガのように作られていることです。お色気シーンがあるものの、健全なマンガなのにです。ここまでくるとオタク文化への愛と造詣の深さに感銘を受けるするレベルです。

調査が続けられるかどうかというドラマも

秋葉原を舞台に調査は進んでいますが、当然内容は偏るばかりになってしまいます。迷推理に疑問を持ったスポンサーが秋葉原に押しかけ、調査資金の打ち切りを提案するなどドラマ性も存在します。ポイントになるのが、考古学などに詳しくなく、商業地盤で育ったスポンサーの方が推理が的確な点です。

そのため、最初に降り立った調査チームは、実際の秋葉原を知る人間からしたらどうしてそうなったという理論を越える、超理論をぶつけるようになってくるのです。ライバルキャラが登場する言葉取るが激しくなるのは良くありますが、この作品の場合ギャグ度が上がります。常識的な指摘によるメリハリがついている分、それぞれのオチが笑いのを的確に貫いてくるのです。また、ただ超理論によってバトルするだけでなく、現地民を理解するために作ったエロアイテムをスポンサーに利用させるなど、ちょっとそれはいいのかという展開もあります。

色気があるシーンはあるものの、多くはうまくぼかしたり、あえて隠したりしているのも本作のうまいところです。期待を外したところ別のネタを突っ込んで意地でも笑いに変えてしまうのです。スポンサーが激怒したり丸め込まれたりといった波もあるため、最終的な単行本の落ちがまるで予測がつかないのもポイントです。誤解されたまま調査結果を発表された日には地球人類の恥が公の場に間違った形で伝播してしまう形ですが、誰が地球を救ってくれるのかは全くわからないのです。

一気に読み終えてしまうのがオススメ

とにかく全編を通してハイテンションな作品なので、一気に読み終えてしまうのがオススメです。理由は深く考えたら負けだからです。とにかく勢いに任せて読んだ方が良く、あまり悩んでいると笑いどころがずれています。もともと無料公開で始まった作品で、シナリオと漫画家が分かれているのもポイントです。

そのため、テンポ重視の構成になっており、人気と評価の高さから連載作品になったという経緯があるのです。オススメなのが、一気に読み終えた後に、再度読み終えることです。漫画担当の湧井先生が、シナリオ担当の仁藤先生をモチーフにしたキャラクターをあちこちに書いているからです。ツイッター上でも仲が良いコンビとされているため、作品の中でも様々な遊びが隠されているのです。さらに細かな点としては、単行本化された際に付属するおまけ漫画に胸をえぐるような短編が追加されている点です。

明確に漫画を書いている湧井先生の叫びを反映した部分があり、思わず同情を禁じえなくなってしまうのです。書いている人たちまでが面白く、それが単行本の中に詰まっている貴重な漫画となっています。裏表紙などもまるで読者にけんかを売るようなつくりになっていて、読者サービスを忘れない姿勢も非常に評価できるポイントです。オタクのことをネタにしつつ、決してディスったりせずに笑いに姿勢を貫き、敬意を示せるのは本当にすばらしい部分です。頭を空っぽにして楽しみたい萌え漫画の1つです。

まとめ

「秋葉原は滅亡しました」全編を通してギャグがちりばめており、キャラクターの掛け合いが楽しめるギャグ漫画です。キャラクターデザインや衣装にも相当こだわっており、漫画担当者の萌えへの強い愛情が伝わってきます。秋葉原を良く知る人からすれば最初はあるあるでうなずけることを、ありえない発送に変える瞬間がかなり笑えます。オタク文化独特のコメディを扱っているため、オタク文化自体に興味がない人や、全くわからない人は面白さがどこにあるかわかりにくい部分もあります。

ただし、人間の文明自体をとことん誤解している部分があるため、オタク文化だけでなくゲーセンやメイド喫茶についても容赦なくぶった切っていきます。あくまで入り口であるだけで、頭がいい人が勘違いを繰り広げるとこうなるというシチュエーションコメディーの部分もあるのです。キャラクターが全員まじめに調査に励んでいるからこそ、その資料がエロ同人誌やエロゲーという点が腹筋に刺さります。頭を空っぽにして笑いたい人のギャグ漫画のため、何かを気にしたら負けです。

勢いとノリを楽しむ漫画で、頭を使いながら読みたい本ではないからです。エロ要素も出てきますが、あくまでギャグの範囲であるため露骨なものではなくなっています。むしろモザイクなどを使うことで積極的に笑いに変えている部分もあります。ただし、衣装の関係上健康的な手足などは良く見えるため、そういった部分に萌えられる人は絵柄によるプラス補正も得られるはずです。

オススメ度
★★★★★★★★★★ ★10

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