この指とまれ!(1) (ヤンマガKCスペシャル)

この本を手に取った理由は、タイトルから内容が想像できなかったためです。あらすじを読んでみると子供の遊びを大人が全力でやるという内容で、一体どのような演出を使うのか気になりました。

ヒロインが可愛らしい&スタイルがよく書かれていたので、お色気要素が強いかという想定もありました。実際に読んでみても主人公つくしの妄想も含め、サービスカットがふんだんにちりばめられています。

ラブコメ要素もあるものの、つくしがフラグをへし折りまくるなどある意味お約束な展開もポイントで、安心して見られるコメディー漫画になっています。

あらすじ

フリーターのつくしは小学校の同窓会でエリカという美人起業家と出会います。記憶にエリカに該当する人物がいないため戸惑うつくしですが、エリカから「一緒に遊びませんか」という誘いにほいほいのってしまいます。

何か大人な展開があるのではと期待したつくしですが、待ち合わせ場所に到着したエリカは大勢の男性を引き連れていました。エリカの目的はだるまさんが転んだでつくしを敗北させることだったのです。

エリカはかつて泣き虫メガネの女の子でした。子供時代に遊びで無敗を誇ったつくしに散々負かされた過去があります。時を超えて、泣き虫少女のリベンジマッチが始まるのです。

感想

かつての力関係が逆転しているのがコメディー要素に

物語のフックになるのが、つくしが学校卒業後に正社員になれずにフリーターになっていることです。就活で苦労している学生は多く、社会人になっても苦労をしている人も多くいます。つくしはフリーターであることに劣等感を持っていますが、その感情に共感する人も珍しくないはずです。

一方でヒロインのエリカはベンチャー企業の創設メンバーの1人で、22歳の若さで勝ち組になっています。かつてはつくしが遊びの帝王であり、エリカは泣き虫眼鏡でつくしの方が圧倒的に上の立場でした。成長する過程で力関係が完全に逆転していて、つくしはエリカの存在自体に敗北感を味わうことになるのです。

これが完全に負け犬気分であればネガティブ主人公で終わるところですが、エリカが美人&ナイスバディに成長したことによって、外見面でノックアウトされるのがポイントです。ネガティブな部分を抱えつつも暗くはならないのがこの漫画の魅力の一つで、男の本能を笑いに変える明るさがあるのです。

動けば動くほどエリカのメリハリボディが際立つ?

『この指とまれ』は「だるまさんがころんだ」や、「やまくずし」など、子供の遊びを大人が大真面目にやるというのがコンセプトです。注意したいのはヒロインエリカのスタイルで、タイトなスーツ姿が魅力になっていることです。つまり、動けば動くほど体のどこかが強調されるようになっているのです。

胸やお尻、足など、男性が気になる部分が強調されたアングルが多く、動けば動くほどラッキースケベな展開を期待してしまうのが男の悲しさです。期待を煽るような展開も多いのがポイントで、随所にサービスカットが入っているためお色気目当てで呼んでも楽しめるようになっているのです。

エリカは過去のトラウマからつくしに執着するようになっていて、その気持ちが恋心にかわっている部分もあります。口説けば落ちるのではないかというチョロイン属性ももっているため、展開次第のまさかが期待でき、余計に先が気になってしまうのです。

つくしにはかつて彼女がいた?意外な過去がポイントに

エリカは明らかにつくしに執着している状態ですが、つくし自身はフリーターということもあり、自分自身の生活に手一杯なところがあります。また、常に遊びを通じた関係になってしまうため言葉の裏を呼んでしまい、次々フラグをへし折って行くことになるのです。もったいないポイントです。

つくしが鈍感なことにいらだつ読者が出そうな展開もありますが、つくしを責めきれない部分もあります。恋愛関係に疎いからフラグをへし折っているのかと思われがちですが、実はつくしには彼女がいた期間がありました。ただ、だまされ続けたため警戒してしまう部分があるのです。

女性に対する警戒心はありつつも、ラッキースケベは期待してしまうのもポイントです。エリカのスタイルが暴力的とはいえ、根本的に女性の誘惑に弱い部分があるのです。まともな恋愛が難しそうな部分を絡めつつ、二人の関係がどうなっていくかが気になる作品になっています。

まとめ

『この指とまれ』は子供の遊びを大人になってからやる楽しさや、馬鹿さ加減を楽しむ漫画でした。大人になったからこそ加わる下心や心理戦もポイントで、勝負とラブコメが絶妙に織り交ぜられているのも魅力です。特にヒロインエリカのスタイルの良さと体のラインを強調する服装は見所になっています。

つくしの遊ぶスキル以外の低さや、ヘタレ振りに共感する人も多いはずです。美人に弱いことも共感ポイントです。誘惑に弱いからこそついついエリカの誘いにのってしまい、涙を呑んで誘惑を断ち切るようなシーンも多いのです。わざと負けることができない不器用さも魅力です。

エリカのつくしに関する思いは一途で、その言葉に一喜一憂する表情も魅力です。物語自体の明るさやポジティブさが揺らがないのも特徴で、波が出てもしっかりオチがつきます。ストレスや人間のマイナス感情に疲れた人にはおすすめで、安心して読めるラブコメ漫画になっています。

オススメ度:★★★★★★★★★☆ ★9

月10冊程度、年間100冊超の漫画を読むフリーライター。非定期で友人と百合漫画を語る会を開きますが、ジャンルは不問で何でも読みます。