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生贄投票(5) (ヤンマガKCスペシャル)

「生贄投票」はかつてネット上で小説として人気を広めていました。そのころからタイトルだけは知っていたのですが、小説ということでいまいち読む気にはならなかったのです。

そんなことを思っていると、コミックスで登場。漫画ならば手軽に読めると思い、実際に1巻だけ読んでみました。

想像以上のおもしろさで非常に続きが気になる作品だったので、5巻まで買い続けてさらに続きがきになっています。

あらすじ

かつてクラスの中から生贄を1人選び、社会的な死を与える「生贄投票」というアプリで1つのクラスが崩壊しました。実際に死人も出て、一時ニュースにも取り上げられたほどの事件です。

そんな生贄投票を実際に経験し、なんとか生き延びた今治美奈都は今や学校の先生となっていました。しかし、またしても生贄投票の魔の手が美奈都へと襲い掛かるのです。

今回おこなわれるのは教師による生贄投票。さらに、投票先が美奈都の担任しているクラスであり、美奈都は再び生贄投票の渦中へと巻き込まれるのでした。

感想

緊迫感のあふれる投票結果の発表

「生贄投票」の醍醐味の1つといえば、投票結果が発表される瞬間です。今回、教師たちはみな投票をおこなわないということで満場一致していたのですが、人の悪意というものは恐ろしく、いかに大人といえども自分の中に住まう悪魔に打ち勝つことは難しいのです。

それが聖職者と呼ばれる教師だとしても変わりません。結果として、1人の教師が1人の生徒に投票してしまい、生贄投票に無関係でいることができなくなってしまったのです。このような人間の嫌な部分を容赦なく描くというのが、本作のおもしろい点なのでしょう。

人間はいい噂より、悪い噂に敏感に反応する生き物です。したがって、悪感情というものに少なからず興味を抱き、時には架空の世界でその欲求を満たします。人間の本性を理解した作者だからこそ、悪の感情というものをここまで描けるのかもしれません。

登場する女性キャラがどことなくエロい!

コミックスの「生贄投票」を描いている江戸川エドガワの絵はやや独特で、青年誌と少女漫画が入り混じったような人物を描きます。また、よくいえば大人びている、悪くいえばやや老けている女性の描く作者です。しかし、その大人びた絵柄が色気を引き出しており、どの女性キャラもエロく感じてしまいます。

主人公である美奈都は過去の生贄投票時は高校生でしたが、教師となった今や完全に大人の女性となっており、女子高生には出せない色気を秘めています。また、美奈都とより少し上の年齢であろう瀬戸という女教師がこれまたエロく、まさに男子高校生の理想とする女教師の1つの姿といえます。

もちろん、教師だけでなく、多くの女生徒も登場します。ただし、こちらはエロいというよりも、可愛い部類でしょう。しかし、不思議なことに江戸川が描くキャラはどんな地味なキャラでもかわいく感じ、男のツボを的確に突いたキャラに仕上がっているのです。

容赦のない社会的死!でも少し違和感が?

生贄投票といえば社会的死とセットといえます。生贄にされた者は必ず社会的死を与えられ、よほどな精神力の持ち主にしかその制裁を耐え抜くことはできません。あまりに容赦ない社会的死に、目をつむりたくなりながらも見てしまうのです。

今回もある人物に社会的死が待ち受けています。その内容は男も女も容赦なく、どんな秘密でも白日の下にさらされてしまいます。もし自分がされたらと思うと身震いするほどむごいものです。しかし、今回はかつての生贄投票とは違った結果が待ち受けていたのです。

今回は投票された側でなく、たった1人投票をおこなった教師が社会的死を与えられます。従来の生贄投票であれば、問答無用で生徒の方に社会的死を与えていたはずです。今回の生贄投票による目的はいったい何なのか。このように、伏線らしきものを張ってくるのも本作の見どころといえるでしょう。

まとめ

さて、今回は2度目の生贄投票の序章といえる巻でした。成長した美奈都を再び主人公に据え、前回の生贄投票とのわずかな差異を感じさせてきます。自分でその差異をみつけることで、考察や先の展開の予想などさまざまな楽しみ方が増えることでしょう。

また、さまざまな人物によって、さまざまな思惑が張り巡らされています。そのため、多くの人物を1度はピックアップするのが「生贄投票」の特徴です。男性たちは美人な人物や可愛い人物の出番が待ち遠しくなります。

今巻は序章といいましたが、はたしてまだ序章が続くのか。それとも新たな章が幕を開けるのか。本作は次巻が非常に気になる構成をしているので、次なる展開が気になってしまいます。それまでは5巻にて、伏線や謎と思われる部分を探しながら次巻を待ちましょう。

オススメ度:★★★★★★★★★☆ ★9

記事担当:ゴン

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