骨が腐るまで(6) (講談社コミックス)

推理物やサイコホラーものが好きで電子書籍でレビューが多い漫画を探していたところ出会ったのが「骨が腐るまで」でした。

最初はレビュー内容が両極端だったので読むのを迷っていました。表紙が綺麗で上手だったことが読み始める決め手でした。

絵が繊細で可愛く、だけど内容はダークという漫画が大好きなので、私は6巻まで楽しく読んでいます。時にリアルさに夢でうなされるくらいです。

あらすじ

幼馴染5人の男女は、とある男を殺害してしまいました。殺害してから5年間誰にも知られず高校生活を過ごしてきましたが、とあることから状況は一変してしまいます。

平凡な信太郎、才色兼備の椿、魔性の少女・遥、生徒会長・明、元不良の竜、彼らは一年に一度、死体を埋めた場所を掘り起こしていました。

今巻は、死体のあるはずだった場所に埋まっていた携帯から指令を出した首謀者を発見するところから始まり、刑事・藤井からの疑いと、真相が明らかになっていきます。

感想

ホームレスのボス・スズランとの鬼気迫るやりとり

信太郎と竜は、首謀者であると思われる教師・北浜の家に行くと、この男がおそらく犯人だと確信する証拠がパソコンから出てきました。しかし、この事実をスズランにありのまま話すと、自分達の過去の罪がばれてしまうため、嘘をつくことを決意するシーンは手に汗を握りました。

スズランと実際に会い、仲間であるホームレスのシゲを殺した犯人を見つけたことを報告する場面はドキドキします。スズランは勘が鋭いため、完璧な嘘で作りあげた真実を話す時、信太郎と一緒に嫌な汗をかいてしまいました。

一応スズランは信じてくれるのですが、信じてくれるまでの絶妙なコマ数が、信太郎達の心理である、短いけど長く感じる時の経過描写を感じ、のめり込んで読むことができ面白かったです。その後の安堵感でどっと疲れてしまいましたが、そのリアルさが魅力です。

椿と遥、二人の少女の新たな関係性

前巻で、椿と遥はお互いが嫌いだったことを告白し合いました。女の子同士ですから、表面上仲良くしていても、実は違うことはよくあることですが、話し合ったことで二人は少し歩み寄り、今までとは違う関係を築きます。

今巻では、スズランからの奴隷解放後、皆でバーベキューを行います。椿は死体処理の解体をした時からお肉を切ることが出来なくなってしまいました。そんな椿を遥が心配し、代わりにお肉を切ってあげるシーンは、ほっこりしました。

いがみ合っていた女の子二人が仲直りをし、以前よりお互いを分かり合うというストーリーが元より好きなので、今巻では唯一の癒しシーンでした。他の場面はダーク要素が強いので束の間の安息の場面を楽しむことが出来ました。

刑事・藤井からの疑いと信太郎の焦り

県警捜査一課の藤井が突然現れ、バラバラ殺人事件について意味ありげに信太郎に尋ねてきます。信太郎の鼓動の効果音ドッドッが画面に大きく数個配置されているのを読んで、こちらにもその激しい鼓動が移りそうになります。

信太郎は努めて冷静に対応しようとしますが、藤井にはそのポーズをすっかり見破られてしまいます。用意周到なのに処理に迷いがあると死体処理の矛盾を的確についてきて、とうとう5人の最大の秘密が暴かれてしまうのだろうか、と手に汗握りました。

藤井のキャラクターは、最初は変な人という印象しかなかったのですが、罪を裁くことに貪欲でこの漫画の中である意味一番恐怖だと感じます。淡々と人を追い詰めていく様子に、これから5人はどうなってしまうのか今後が楽しみです。

まとめ

罪は必ず裁かなければならない、という刑事・藤井の言葉にはハッとしました。今巻に至るまでに徐々に5人は罪の意識に耐えられなくなっています。5人に肩入れして読んでいると、ついつい罪を暴かないで欲しいという気持ちが湧いてきます。

信太郎の父は、子供に暴力を振るう男だったため、5人が結託して殺してしまったことや、秘密をばらされたくないがために、命令された死体の処理と遺棄という新たな罪を重ねてしまう姿を見ると仕方ない、とも思ってしまいます。

しかし、5人も気づき出していますが、結局罪は罪でしかなく、裁かれることをしたことには変わりはないわけです。お互いを庇い合うがために、本当の真実が見えなくなっている。これは、ニュースや日常生活にもいえることで真実を知るためには何か犠牲が必要なのだと学びました。

オススメ度:★★★★★★★☆☆☆ ★7

記事担当:たなたな