スロウスタート (5) (まんがタイムKRコミックス)

『スロウスタート』は作家買いをしているシリーズの一つです。キャラクターデザインが好きで追っている漫画家さんで、久々の商業誌連載ということで1巻から購入していました。

5巻は予約購入組ですが、単行本の帯が『TVアニメ放映中!』になっているなど、メジャーな存在になったなぁと驚いています。

作者の篤見先生のTwitterで事前の情報はある程度ありましたが、やはり満足度の高い作品になっていました。

あらすじ

花名はおたふく風邪が原因で高校浪人を経験し、1年遅れの高校生活をスタートさせています。友人に恵まれながら楽しい夏休みを過ごしていて、様々な思い出を作ることにも成功しています。

花名を含めた仲良し4人組の内、栄依子と冠は小学校時代に出会った中でしたが、どのように出会ったかは謎に包まれたままでした。しかし、とあるきっかけで栄依子が冠家を訪れ、思い出を振り返ることになります。

栄依子と冠が絆を深める一方で、花名とたまては相変わらずマイペースに過ごしています。どこかちょっとずれた人たちに囲まれながら、ゆっくりと花名は成長していくのです。

感想

サービスカットがサービスカットとして機能していないことに吹く

5巻の見所の一つになるのが、たまてのスレンダーボディーが披露されていることです。ギリギリの露出というよりもリボン一つだけというあられもないカラーイラストもありますが、サービスシーンなのにサービスされた気にならないのがポイントになっています。

いやらしいというよりも可愛らしいが先にたってしまうのがポイントで、コレに反応した人は真性のロリコンである疑いが出てきます。作者の篤見先生はアプリ『きららファンタジア』にたまてを登場させる際に『履かせてない』キャラデザをして怒られるなど、様々な前科がある人だけに特に違和感がないのも問題です。

注意したいのは、ただ1枚絵が登場するだけでなく、別バージョンのおまけイラストがあることです。サービスカットのはずなのにギャグ要素にアクセル前回で突っ込むような内容になっていて、腹筋にきます。カラーイラストのクオリティが高いだけに、おまけイラストのギャップだけで笑えるようになっているのです。

小学生時代の栄依子と冠のエピソードが可愛らしい

5巻は小学生時代の栄依子と冠の出会いエピソードが収録されています。エピソードの内容は非常に優しいタッチで描かれていて、女たらしの要素もありつつ、まだ洗練された行動までもっていけない栄依子の姿がある意味新鮮です。

冠の衣装の可愛らしさと今よりも引っ込み思案な様子もポイントで、栄依子の存在がいかに大きかったかもわかる内容になっています。過去のエピソードに触れてみると、冠が栄依子を慕う気持ちのまっすぐさに説得力が生まれます。

冠の猫のネーミングセンスや、家族についている些細な嘘など笑いの要素もしっかりはいっているのもポイントです。ただしんみり、可愛いだけでは終わらないのです。巻頭カラーで二人のその後の進展を思わせるコメントが入っているなど、ストーリーの奥行きを楽しめる要素も盛り込まれています。

百合要素は巻末ではなく本編に直球で入っている

2巻以降マシマシになっている百合要素は5巻でも健在です。3巻、4巻は巻末の百合要素が濃い目でしたが、5巻では本編に直球で入っています。雑誌連載で思い切り栄依子と榎並の百合シーンが入っていたことになります。

完全にいちゃついているだけだろうと思えるエピソードもありますが、それが徐々に標準になりつつあります。先生と生徒でそれはいいのかと突っ込みたくなりますが、突っ込むのが野暮になるほどすがすがしい開き直りっぷりです。そして、栄依子に関しては榎並と冠以外との絡みもあります。

栄依子周りではかなりヤバイストーカー気質なキャラも登場するため、方向性がどうなるかが読めないのもポイントになっています。一方で、ここまで百合要素が強いとなると、主人子の花名の今後も気になるところです。ただし花名は成長が非常にゆっくりなため、百合要素が加わるかといえばかなり怪しいところです。

まとめ

3巻と4巻が水着巻が続き、サービス巻は終了で5巻は多少露出も控えめになると予想していました。しかし、予想を斜め上に外すようなサービスカットを入れてくるなど、篤見先生の思考の読めなさに振り回された巻になりました。たまてのスクール水着カットもあるため、どれだけ水着が好きなんだと突っ込みたくなりました。

榎並と栄依子の百合展開に関しては、もはや色気の漂う域になっています。深く考えたら負けの域に突入してしまっているため、雰囲気をニヤニヤしながら楽しむのをおすすめします。特に榎並の大人のずるさが入るところ見所で、コミュ力の高さも感じます。

可愛らしいキャラと毒とギャグの織り交ぜ具合は非常に良く、中毒性が高い読者を生み出すのに十分な魅力があります。1巻2巻よりも内容が良くなっているような気もします。キャラクターの背景の深堀りもされているため、より作品世界を楽しみたい人におすすめです。

オススメ度:★★★★★★★★★★ ★10

月10冊程度、年間100冊超の漫画を読むフリーライター。非定期で友人と百合漫画を語る会を開きますが、ジャンルは不問で何でも読みます。