りこっちはギャルのなか (ニチブンコミックス)

日課の新刊巡りをしていた所、何冊かの作品に目に止まりました。私は漫画を読む基準としてその作品の表紙とタイトルから入るようにしてます。

今回選ばせて頂いた作品は『りこっちはギャルのなか』という作品。一巻で完結される漫画のようで、察するにギャルの出てくる学園漫画だと思いました。

ピンク色した髪のギャルがいきなり、男子生徒に身体を密着させ色仕掛けしているシーンから突入。お色気漫画だとすぐに察し、ページをめくる事になります。

あらすじ

序盤は登場人物の相関図をざっくりと説明する形で展開。清楚系で真面目な性格の風紀委員長のりこ、りこの幼馴染のアヤ、そして男子生徒でりこと同じ風紀委員を務める小川君という構成です。

幼馴染のりことアヤは入れ替わった身体でそれぞれの立ち回りをこなしていきます。エロシーンもそれぞれどちらにも用意され、互いの身の上を知る上で話は進みます。

最終的に入れ替わった身体は元に戻るのですが、お互いの人間関係の補完を済ませ、話も綺麗にまとまり完結となります。

感想

絵が可愛いので萌え漫画かと思ったら…

ガッツリエロ漫画でした。表示や絵のテイストから少女漫画や萌え漫画だろう、たまにエロ要素が入っていたとしても少し見せる位だろう…という先入観は数ページで一気に覆されます。エロシーンは必ず1話ごとにどこかで用意されています。

エロの内容はといいますと、ノーマルなものから百合、ショタ、一人で…といったジャンルで描かれますが、そういう状況に陥る理由として清楚系のりことギャル系のアヤといった全くタイプの違う二人の身体が入れ替わることになり、それがきっかけでエッチな状況を作る事に拍車をかけました。

リコとアヤは幼馴染であり、昔はよく遊んでいたがある日を境に関わらなくなってしまいました。そんな中、二人の好きな異性が小川君であるという事が作品内で描かれており、それによる三人の付き合い方が広がりを増していきます。

エロ要素の中にも人間味のある描写あり!

全話を通して読んでいくと絡み自体はりこ×アヤ、アヤ×小川、りこ×小川、になるのですが真面目な性格で風紀委員長のりこもアヤという身体になったため本来であれば、絶対にしないであろう好きな異性を襲うという行為をします。このシーンで描かれる人間臭さは印象的でした。

また、毛嫌いしていたアヤが実は家の経済状況が厳しく進学が出来ない中、自分や弟のためにお弁当を作っていた。そんな家庭的な一面を持っていたことを知りアヤへの好感度を上げるりこの変化も、エロ漫画というのを抜きに良い部分だったと言えます。

終盤を迎えるにあたり、りこは自分の母親が娘と遊ばないで欲しいとアヤに釘を打っていた事を後から知ります。その事実にりこはショックを受けるのですが、それでも笑いながら学校生活を送り、心の奥でりこを思い続けた人間味あるアヤの一面には感動を覚えました。

友達としての大切さもきちんと描かれています

この作品を読んだ方なら、仲良くしたくても出来ない状況下で、[少しでも接点を持って関わっていたかった]というアヤの気持ちが理解できる人もいると思います。その[繋がっていたい]という気持ちを抱いているアヤを念頭に置いて二回目を読んでみるのも面白いかもしれません。

最終的には恋愛よりも友情を選んだアヤの考え方や立ち回りは、ただのエロ漫画ではない一面を持ち合わせています。りことアヤ、自分達の意思で寄りを戻せた二人の経緯は読み終えてみると凄くいい話であったと感じる事でしょう。

[人の身体を使って遊ぶ]というベクトルが色濃いため、少しユニークな展開になる作品ではあります。古い世代の読者ならベタに感じますが、若い世代の人達には逆に新鮮な受け止め方をされて、人を選ぶ作品になる要素は多いでしょう。

まとめ

あるあるネタとして、いわば[透明人間になってエロいことをする]といった前例がありますが、身体が入れ替わるという状況下で[友人と入れ替わり人の身体を利用する]というのは、ありそうで無かった作品。どこか懐かしい感じがして印象的でした。

疎遠になった二人が最終的にはお互いの状況を理解し、仲良しに戻る。そして恋愛も成就するというハッピーエンドな終わり方が一冊でコンパクトにまとめ上げられています。起承転結もなされているので非常に後味が良く、読みやすかったです。

友情とはなんなのか?というのも再確認させてもらえました。この作品が物語るように、友達は誰かに言われて付き合いを断ち切るものではないし、自身が好きな人と付き合って良いものです。その答えを話の最後に持ち込んでくれた所がまたいい締めくくり方であったと言えます。

オススメ度:★★★★★★★★☆☆ ★8