アスモデウスはあきらめない 1 (バンブーコミックス)

『アスモデウスはあきらめない』は、竹書房のWEBマンガサイト「まんがライフSTORIA´」で連載されているハーレムラブコメディ。公式サイトでは、1~3話と、最新話が試し読みできます。

作者の勇人さんは、過去に『はなまる幼稚園』などの作品を発表されてきました。そのため、ロリっ娘の絵を描く方という印象をお持ちの人もいるかもしれませんが、等身の高い絵も魅力的な実力派作家です。

同じく竹書房から発売された『うしろのご先祖さま』で作者のファンとなり、今作も購入にいたりました。決して、表紙のおっぱいに釣られたわけではありません。ええ、本当に……。

あらすじ

父親の代理として神父を務める神木律(かみき・りつ)は、教会の前で行き倒れていた女の子を介抱することになります。赤髪・金色の瞳・巨乳美少女との同居生活に、密かに心を躍らせる律。

彼女の正体は、七つの大罪「色欲」を司る悪魔・アスモデウスでした。律が持つ、悪魔を操る「ソロモンの指輪」を奪うために襲いかかりますが、指輪の力によって返り討ちにあいます。

その後も教会に居座り、色仕掛けで律を懐柔しようと企てるアスモデウス。しかし指輪の力が発動するまでもなく、おいしいご飯や、あたたかい布団の誘惑に負けてしまいます。彼女が自由になる日は来るのでしょうか。

感想

色欲の悪魔なのにウブなアスモたんかわいい

アスモデウスは、他のどの悪魔も敵わなかったソロモン王に歯向かった唯一の存在として、その名を知られています。今作でも、彼女の強大な力が垣間見えるシーンもあるものの、そこはラブコメ。実は処女だったというギャップが最大の萌えポイントです。

自分から素っ裸になって律の寝込みを襲ったりしているのに、いざ胸を触られると恥ずかしがってしまうところも可愛らしい。ソロモンの指輪の影響で、律のヘタレな性格がうつっているという設定も一応あるみたいですが、半分以上は彼女の本性のような気がします。

ちなみに、「トビト記」と呼ばれる聖書の続編とされる物語でも、アスモデウスは小心者だったため、とり憑いた少女に手を出せないまま捕まってしまったと記されているそうです。本作のアスモデウスのぽんこつぶりは、意外と元ネタに忠実なのかもしれません。

あなたの好きな悪魔は誰ですか?

アスモデウス以外にも、この作品には多くの美少女悪魔が登場します。ラブコメと謳われてはいるものの、悪魔たちの目的はあくまでソロモンの指輪やアスモデウスの方なので、常に律がモテているというわけではありません。しかし、可愛い悪魔っ娘が見たい読者にとっては小さな問題でしょう。

アスモデウスを慕って人間界にやって来た、メイド悪魔のセーレ。好戦的な性格だが、ソロモンの指輪のせいで血を見るのが苦手になってしまった俺っ娘のアモン。巻末の次巻予告ページには、さらに2柱の悪魔の姿が確認できます。

セーレによると、自分たちを含めた72柱の悪魔すべてが、ソロモンの指輪を奪う機会を探っているとのこと。おそらく、全員女性と考えてよいでしょう。これから先どんな悪魔っ娘たちが登場するのか、楽しみにしたいと思います。

等身大の主人公・律に好感が持てる

主人公の律は、教会の息子であるためクラスメイトたちに気を遣われてしまい、なかなか遊びに誘ってもらえません。けれど本人は、カラオケにだって行きたいし、女の子とデートしたい、女の子とチュッチュぺろぺろしたいと思っている。神への冒涜? いえ、高校生男子ならむしろそちらの方が健全なのです。

アスモデウスに裸で迫られたら当然興奮するし、アモンに本当に殺されそうになったら当然腰が抜ける。一方、アスモデウスがナンパ男に絡まれていたら、自分の方が弱くても助けに入ってしまう。変に達観していたりしない律は、どこにでもいる、けれど少しだけ勇気がある普通の男の子で、好感が持てます。

1巻の時点で、なぜ律がソロモンの指輪を持っているのかは明らかになっていません。ラブコメ特有のご都合主義でなければ、父親が家を空けていること、母親が登場しないことも伏線と考えてよいでしょう。エロ可愛い悪魔っ娘たちのビジュアルだけでなく、今後のストーリーにも注目したい作品です。

まとめ

勇人さんといえば、かつて氷川へきるさんのアシスタントを務めていた方としても有名ではないでしょうか。そこから『はなまる幼稚園』がアニメ化し、『うしろのご先祖さま』のような4コマを描いたり、今作のように本格的なラブコメを描いたり。日々着実に、作風の幅を広げられているのを感じます。

また、単行本ならではの特典として、連載時の原稿からいくつか加筆修正が行われています。当レビューに直接単語を書くのは控えますが……、胸の大事なところですね。作者いわく、「楽しんで修正しました」とのこと。もちろん全年齢対象作品で、極端にエッチな描写はないのでご安心ください。

1巻の最後に収録されている5話は気になる引きになっていて、2巻への期待が高まります。街の女性たちが、次々に服を脱ぎ始めてしまったのです。間違いなく新たな悪魔のしわざ。大変だぞ律、早くなんとかしないと! ……いや、このままでもいいかも。

オススメ度:★★★★★★★★★★ ★10

記事担当:ましろ

4コマ好きのフリーライター。萌えかどうかを問わず、4コマなら何でも読みます。個人ブログ「まっしろライター」では、新刊コミックスの発売日前レビューも更新中。