ぼくらのペットフレンズ (電撃コミックスEX)

私がこの漫画と出会ったきっかけは、ツイッター上でこの作品のキャラクターの変顔の画像を見かけたことにさかのぼります。

それに興味を持って公式が公開しているバックナンバーを読んでみたのですが、その時は正直なところあまり面白さを感じませんでした。

しかし、それからしばらくしてもう一度読み返してみた際にその面白さに気付きはまってしまい、今回の単行本の購入にまで至りました。

あらすじ

主人が居なくなると人間に変身する飼い猫、ブリュンヒルデ一世が、周囲の動物達や奇人変人と織りなす日常を描いた漫画です。

一話一話はとても短く、各話ごとに完結するのでそれらを繋げることで長いストーリーとなることはあまりありません。

そのため、良い意味で突拍子のない展開が頻繁に起こり、読んでいて全く飽きさせられないものとなっています。

感想

登場人物が全員どれも非常に個性的

この作品は猫のブリュンヒルデ一世と公園のおじさん、犬のイサロクが基本的なレギュラーメンバーとなっていて、サルのエテ子やクマ、飼い主といった時々出てくるサブキャラ、数話ごとに出てくる一話で使い捨てのしかし灰汁の非常に強いキャラクター達で構成されています。

主役の猫からして普段は可愛らしい顔をして突然変顔をしたり謎の奇行に走ったりと酷いものなのですが、それに存在自体が突っ込み所しかないおじさんが加わることで、まともな目で見ては決して理解のできない空間が広がることとなります。

犬は冷静な突っ込みキャラと見せかけてとんでもなく癖の強いキャラですし、サブキャラたちは出番の少なさに比例するように濃い存在となっていきます。一回限りの登場キャラに至ってはやりたい放題で、話を面白くするためだけに生み出されたと言っても過言ではありません。

上手いのか下手なのか分からない独特な絵

上手な、可愛い絵も描ける作者さんが敢えて崩して書いているのだとは思うのですが、兎に角デッサンやパースなどが崩れているものが多すぎて、一体全体漫画とは何か、絵とは何なのかといった真理の追究を始めそうになってしまうほどです。

しかも話によってはとても可愛い場面からいきなり崩れる場合、最初から崩れている場合、特に意味のない小道具がやたらと書き込まれている場合などバラエティーに富んでいて、次の話はどんな摩訶不思議な絵が出てくるのかと身構えてしまいます。

そしてそんな崩れた絵なのですが、どれも非常に味わい深い仕上がりとなっておりこちらの腹筋を崩壊させてきます。中には無駄に手間のかかった、力を入れて敢えて崩したようなものまでありそれが不意に飛び出してくると対処は不可能です。

作品内での緩急のつけ方が上手すぎる

一つの話は数コマで構成された数ページだけと非常に短いのがこの作品の特徴です。その中にすべてが詰め込まれているため、大抵展開はとても急激なものとなっています。起承転結の起と転、起と結しかないような話ばかりで読んでいるとかなり驚かされます。

その短さを表現で補うため、絵のタッチなどがいきなり変わり前のページと今のページで別の作品のようになってしまう点も度肝を抜かれる点です。また各話ごとにも絵のタッチは違うので、単行本だとアンソロジーコミックを読んでいるような気分になってしまいます。

そして、それらは奇をてらっただけのつまらないものかというとそうではなく、しっかりと面白いものとなっています。慣れるまでに時間はかかるかと思いますが、一度それを理解してしまうと読んでいてどの話も笑いが止まらなくなること間違いなしでしょう。

まとめ

決して真面目な内容ではないのですが、登場する様々なペット達を見るうちに、多くのペットが可愛くいじらしく見えてきます。そして、なんだか自分のペットもこんなことを考えているのだろうか、大切にしないとなと思ってしまいました。

また、この作品を読むことで様々な作品を読んだ際の、急展開に対する耐性も身に付けることができました。とにかく全く繋がりのない事態が突然発生するので、これに慣れてしまうとちょっとやそっとの展開では動じなくなります。

何よりもこの作品の面白さを理解できたことで、大笑いしながら本を読むというとても楽しい時間を過ごすことができました。はまってしまうとかなりの中毒性があり、時間の空いた際などはつい度々手にとって読んでしまっています。

オススメ度:★★★★★★★☆☆☆ ★7