あさひなぐ 25 (ビッグコミックス)

「あさひなぐ」は、薙刀部の女子高生たちがハードな練習や試合を通して成長していくアツい青春ストーリーです!

アイドルグループの乃木坂46が映画と舞台に出演することを知って、2017年の2月頃から読み始め、いつも新刊を心待ちにしています。

25巻ではハードすぎることで有名なインターハイ前の合宿シーンで、それぞれ内面に深く向き合う彼女たちの様子が描かれています。

あらすじ

二ツ坂高校薙刀部のメンバーは、1年ぶりにインターハイ直前の夏合宿に参加して、指導者の寿慶から4日間ずっと口を利かない「無言の行」という課題を与えられました。

練習中はもちろん食事や睡眠などプライベートも全て無言という、風変わりな合宿の日々が始まります。ずっと言葉をかけあいながら成長してきたメンバー達は戸惑いながらも、果敢に無言を貫く努力を続けます。

ヒロインの東島旭は、静寂の中で孤独に考え続けて活路や、今後の課題を見出していきます。しかしケガをしている部長の真春は、寿慶から厳しい現実を突きつけられます。

感想

まっすぐな主人公・東島旭の洞察力と成長がスゴい!

1年前とは比べ物にならないほど成長した旭ですが、今回も変わることのないまっすぐさで難題に挑んでいく姿がとても印象的です。旭は誰よりも冷静に、静寂の中でひたすら自分と向き合って考え続け、五感や緊張感を研ぎ澄ませていました。

言葉を話せないために、部員たちが真春を気づかうつもりで逆に真春を追い込んでしまった時も、旭が誰よりも早く真春の思いをくみ取って真っ正面からぶつかっていきました。物理的・技術的な強さだけではなく、誠実に相手と向き合う・戦うことの意味を言葉なしで確認し合った2人の絆が感動的です。

さらに旭は個人的なスキルアップにも果敢に取り組み、かかとをつけずに前に踏み出すという新たな動きを思いついて、実際に練習中に成功させます。寿慶はそのやり方を気に入っていないような顔でしたが、何らか今後の成長へのステップになるであろうことは間違いなさそうです。

真春に突きつけられたシビアすぎる現実

薙刀部のメンバーたちは、どうしても真春のケガが気になってつい手加減してしまいます。その気づかいとみんなの困ったような視線を感じた真春は、激昂して外に飛び出し、メンバー達にも聞こえるような大声をあげて号泣します。

ひとしきり孤独に泣き続けた真春は「私は…弱くなってしまった」と現実を受け止めて、また気持ちを新たに自ら立ち上がります。「わたしたちは、戦うためにここにいるー」と進み出た意志の強さ、まっさきに向かってきた旭にニヤリと笑う表情が超クールでした。

そして旭と戦いながらこれからの戦法を懸命に探る真春でしたが、一部始終を見ていた寿慶からインターハイを諦めるよう宣告されてしまいます。さすがに今回はそうなってしまうかのような雰囲気が漂う中、ある救世主かもしれない人物が登場して26巻へと続くラストを迎えます。全く目が離せない展開です!

くじけない!ヘタレな1年生も頑張った!!

2・3年生が厳しい特訓に挑む中で、1年生組も頑張っていました。昨年の旭以上にヘタレで泣き虫な大工原と、良くも悪くもおっとりしすぎているトドさんこと等々力。大工原は初心者恒例のハードな水運びからスタートしてヘロヘロに。

トドさんはやる気がないと宣言したため、部屋や稽古場の外でボーッとしているだけ。大工原は雨が降ってきた時に、気持ちが切れて駄々っ子のように全てを投げ出しますが、「サボってしまえばいい」とコッソリトドさんに言われた時、目に光が宿って再び水運びをがむしゃらに頑張ります。

今は力がなくても誠実に自分を鍛えて頑張るという大工原の姿は、ヘタレなんかではなく、力強い意志にあふれていました。そんな大工原を見てついにやる気を出したのか、トドさんも薙刀をやるといって稽古場に入っていきます。正反対の2人が刺激し合って、進んでいくところがとても心に残るエピソードでした。

まとめ

今回は会話が少ない代わりに、心の中で葛藤するメンバーたちの姿と痛く突き刺さってくるような現実がとても印象的でした。個人戦や団体戦といった形式に関わらず、薙刀の場合、試合の時は結局誰もが一人で戦わなければなりません。

想い合ったり分かち合ったりする喜びとは別に、苦しみは自分だけのもの。戦うために薙刀をやっているという意志の強さを再確認していく、真春や旭の姿がとてもまぶしかったです。これほどまでに精神的な深い部分まで現実を突きつける「無言の行」、恐るべしです。

超ハードな練習と厳しい展開が続く中、今回はわずかながら合宿の食事シーンでギャグパートもあり、無言でにらめっこする姿は年相応の女子高生らしくてホッコリしました。今後は真春のインターハイ出場や、旭の新たなる技の研究がどう進化していくのかが楽しみです!

オススメ度:★★★★★★★★★★ ★10