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我らあらぶるギャルゲヒロイン 我らひとしくギャルゲヒロイン (角川コミックス・エース)

この本と出合ったきっかけはTwitterです。可愛いイラストが不定期に上がっているのを見てフォローしたのがじゅうあみ先生のアカウントでした。その後、新刊が出たらチェックするようになっています。

『我らあらぶるギャルゲヒロイン』は『我らひとしくギャルゲヒロイン』の続編で、コンセプトさえ理解すれば単体でも楽しめるようになっています。

コンセプトが、『ギャルゲーの登場人物が自我を持ってしまったら?』というもので、日本人なのに髪の毛がピンクなど突っ込みの嵐になります。今回も前作もツッコミどころ満載のギャグ漫画に仕上がっています。

あらすじ

ゲーム内のバグによって自我に目覚めた花凛は、同じくバグによって自我に目覚めた小桃や楓と共に、主人公の攻略から逃げ回る日々を続けています。攻略されると時間が巻き戻り、高校生活をループしてしまうためです。

しかし、花凛たちがプレイヤーの攻略から逃げ回っている間も現実世界の時間は進行していき、ついにはダウンロードコンテンツ(DLC)が追加されるなど波乱が起きてしまうのです。

突然増える姉、書き換えられる記憶、家族の髪の色まで変更されるなか、花凛たちは自分たちの自我を守りつつ生活し続けることが出来るのでしょうか。

感想

突然ヒロインに姉が増えるという驚きの展開に

『我らあらぶるギャルゲヒロイン』はギャルゲーの人物が自我を持ち、『常識を持って自分たちを見つめたらどうなるか』というメタ的な設定をふんだんに取り入れています。今回も開始早々花凛に姉が追加されるという波乱が起きますが、設定が追加されているため花凛は突然姉が増えたことにも気づかないという状況に陥ります。

『設定が増える=記憶が追加あるいは改ざんされる』ため本人に違和感はないのです。そして、追加キャライコールでプレイヤーの攻略対象になることが多いのがギャルゲーと言うものです。花凛は姉をプレイヤーの魔の手から守るための努力を強いられるようになってしまうのです。

通常なら可愛い女の子が増えるだけで歓迎したいところです。しかし、姉は有料ダウンロードコンテンツで追加されたキャラクターであるという生々しさがあるためあまり萌えられません。しかもダウンロードコンテンツ追加の理由がさらに現実的なものであり、思わず花凛と共に開発会社に突っ込みを入れたくなる内容なのです。

バグっててもツンデレヒロインな花凛がかわいい

『我ら~』の世界はギャルゲーが舞台です。主要な登場人物はほぼ全てプレイヤーの攻略対象であり、ギャルゲーのヒロインとしての特徴や魅力を与えられています。花凛の場合はツンデレキャラクターとしてデザインされていて、バグって自我に目覚めても随所にツンデレ要素が見られます。

自我に目覚めてからのプレイヤーに対する好感度は最低水準に抑えられていますが、それでも元になった設定は残っています。そのため、何かを誤魔化そうとするたびにツンデレのテンプレートをたどってしまい、周囲から突っ込みを受けることになるのです。

図星を疲れて赤面したり、向きになって否定したりとした感情の変化が花凛の魅力の一つになっています。世界設定のむちゃくちゃさに振り回される常識人な部分もあるなど、非常に愛らしいヒロインになっているのです。そして、ちょっとポンコツ気味です。

ソシャゲ要素が入ることでよりカオスな展開になっていく

舞台がギャルゲート要っても、ギャルゲー自体のイメージが湧き辛い人が増えているのもポイントです。ソーシャルゲームが一般的になり、女性と仲良くなるゲームもスマホアプリなどが中心という人も増えているからです。そして、『我らあらぶる~』ではソシャゲ要素が解禁されていきます。

例えば、同じ世界の中なのに明らかに骨格が違う人間が出てきます。コラボなどの関係で様々なキャラデザインのゲームキャラが入り混じるようになり、学校ごとにデザイナーが異なるなどゲームあるあるな展開を迎えていくのです。

カードを引いてキャラクターの外見を変化させる、あるいはパズルゲームでバトルが行われるなど、花凛たちがゲームシステムの違いを肌身で感じる場面もあります。ゲーマーであればあるほどあるあるな描写にうなずけるだけでなく、笑いの幅を広げるポイントにもなっているのです。

まとめ

ギャルゲー世界のおかしなところに時に淡々と、時に全力で突っ込みを入れていく作風は健在で、今回も笑わせてもらいました。今回はソシャゲ要素をふんだんに取りこんでいるため、『なぜか部屋にドアが3種類ある』など、課金ガチャあるあるなネタまでちりばめられています。世界が違えば色違いの宝箱の色になりそうです。

カードを引くと外見が変化するといった設定が登場するシーンも存在し、サービスカットも存在します。メガネキャラはメガネを外すと美人など定番ねたも入っています。魅力的な女性キャラとはなんなのかを考えさせられる場面もあります。

ただし、ゆるいノリやあるあるを笑いに変えながら、可愛いヒロインたちのやりとりを楽しむのがこの漫画の本筋です。ゆるい感覚で読んでいくのが楽しむコツで、その分笑いにもつなげやすくなります。特にゲーマーのツボにはいる表現が多く、女子目線でギャルゲーを見たい人にもおすすめになっています。

オススメ度:★★★★★★★★☆☆ ★8

月10冊程度、年間100冊超の漫画を読むフリーライター。非定期で友人と百合漫画を語る会を開きますが、ジャンルは不問で何でも読みます。

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