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素人のウチが10日間で漫画原稿を完成させる話 (バンブーコミックス)

ここ最近イラストを描くことに凝ってるんですが、あらためて練習してみると絵を描くということの難しさを再認識させられます。いつかはマンガなんかも描いてみたいなぁ…と思っているので、今回は「マンガのコツ」を学ぶのに最適な萌え系マンガを読んでみることにしました。

大塚 志郎先生が描く「素人のウチが10日間で漫画原稿を完成させる話」という作品です。たしか以前、この作品はインターネットサイトで「マンガの基礎を学ぶのに役立つ漫画」として話題になっていたのを覚えています。

さっそく購入して読んでみると、思っていた以上に本格的なマンガ技法が学べる一冊となっていました。漫画家志望の若い方にも読んでもらいたい作品だと感じましたので、簡単にレビューしていきたいと思います!

あらすじ

高校生3年生の女の子・五百住 ミチコは、夏休みを使ってマンガを完成させようと試みていた。ところがミチコは一度もマンガを描いたことが無く、いくら描いても失敗ばかりで時間だけが過ぎていく…

しかしミチコには心強い味方がいた。ミチコの姉である五百住 シホはプロのマンガ家で、長いアシスタント経験を活かして的確なアドバイスをしてくれるのだ。

とはいえ夏休み中に原稿を完成させ、編集部に送るためには残り10日間で漫画を完成させなくてはならない。ミチコはシホのアドバイスを受けながら、わずか10日でデビュー作の完成を目指すのだった!

感想

マンガのハウツー本としての完成度が高すぎる!

引用元: 素人のウチが10日間で漫画原稿を完成させる話、大塚志郎、竹書房、電子版、p22

「素人のウチが10日間で漫画原稿を完成させる話」は一見シンプルな萌え系マンガに見えますが、中身はかなりしっかりとしたハウツー本になっています。最近は「ゆるキャン△」や「たくのみ。」のような、萌え系マンガなのにちょっと勉強になる作品が流行っていますよね。

「素人のウチが10日間で漫画原稿を完成させる話」は、そういった「勉強のなる萌えマンガ」の中でも特にハウツー要素を濃くした作品です。手描きで漫画を描くために必要な道具の名前や使い方といった基礎中の基礎から、パースの取り方や原稿を送る際のポイントまで事細かに解説されているのでかなり勉強になります。

1冊読み終える頃には、漫画家として必要な最低限の要素が身に着いてしまうのがこの作品のスゴイところですね。実際にマンガを完成させるためにはセンスや画力も必要になるのでしょうが、ある程度の技術がある人ならこの作品を読んで本当に1本完成させられるかもしれません。「マンガを描いてみたいけど何から始めたらいいかわからない」という初心者なら、ぜひ読んでおくべき一冊だと思います。

キャラクター&作画が可愛いので退屈せずに読める

引用元: 素人のウチが10日間で漫画原稿を完成させる話、大塚志郎、竹書房、電子版、p98

マンガ形式のハウツー本そのものは書店に行けばいくらでも手に入りますが、昔ながらのハウツーマンガって「絵が可愛くない」印象がありませんか?「○○のひみつ」シリーズでお馴染みの学研まんがなんかはイメージしやすいと思うんですが、イラストが古臭かったり、シンプルすぎて読み応えが無かったりするんですよね。

その点「素人のウチが10日間で漫画原稿を完成させる話」は、連載経験のあるプロ漫画家が描いた作品なのでイラストの綺麗さは折り紙つきです。作者の大塚 志郎先生は、週刊少年サンデーなどのメジャー誌で活躍していた作家さんで、可愛い女の子の作画には定評があります。個人的に大塚先生の過去作「マリンハンター」の単行本を揃えていたので、同じ作家さんだと知ったときは驚きました。

ハウツー要素強いので、一般的な萌え系マンガのようなエッチなシーンはほぼありません。しかしメインキャラクターのミチコとシホが可愛く描かれているので、不思議と「萌え系マンガ」として読めてしまう良作です。

10日間に合わせてステップが組まれているので分かりやすい!

引用元: 素人のウチが10日間で漫画原稿を完成させる話、大塚志郎、竹書房、電子版、p33

「素人のウチが10日間で漫画原稿を完成させる話」というタイトルの通り、作中ではミチコとシホの視点から10日分のエピソードが描かれています。実はこの「10日間」というのが本作のポイントで、この作品は漫画家に必要な基礎を10項目に分けて紹介する構成になっているんです。

「1日目:道具の使い方」「2日目:キャラの遠近法」「3日目:パース・一点透視図法」…といったように、簡単なところから解説してくれるのがこの作品の特徴。順を追って読むだけで、手描きマンガを完成させるためのステップが学べるというわけですね。

ちなみにこの作品、絵柄こそ萌え系マンガですが「萌え系マンガの基礎」を解説しているわけではありません。もちろん萌え系マンガにも適用可能なテクニックですが、萌え系マンガに限らず「どんなマンガにも必要不可欠な基礎」が解説されているのです。ポイントをしっかりモノにできれば、ジャンルにとらわれずどんなマンガでも描けるようになるはずですよ!

 

まとめ

「萌え系マンガを読みながらなんとなくマンガの描き方を学べればいいなぁ」なんて軽く読み始めたんですが、想像以上に詳しく学べたので驚きました。「なんとなく」どころじゃないです。そんじょそこらのマンガハウツー本より「本格的に」学べる良書だと思います。

しかも内容が綺麗にまとまっているので、勉強しているという感覚もなく、いつも通り「萌え系マンガを読んでいる」という気分のまま読み終えてしまいました。可愛いキャラクターたちのセリフを堪能しつつ、随所で語られるマンガのポイントや豆知識に「へぇ~」と感嘆しながら読めて楽しかったです。

実際にマンガを描いてみたいという人はもちろんですが、描く予定が無い人が読んでも充分に楽しめるような構成になっています。この作品で漫画家さんたちの努力やテクニックを知ると、今後読むマンガにも違った印象を受けるようになるんじゃないでしょうか。
描く描かないに関わらず、普段からマンガを読むことが多い人には一度読んでもらいたい作品です!

二次元の世界が好きすぎて脱サラし、マンガ・アニメ専門のライターになってしまったヤバい人です。
朝から晩までマンガを読んではレビュー、アニメを見てはレビューという二次元漬けの日々を送っています。

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