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ヘッポコ勇者に戦略を(1) (講談社コミックス)

何の変哲もない青年がRPG風の世界に転生して魔王討伐を目指す…みたいな作品がここ数年流行っている気がします。パッと思いつくところだと「この素晴らしい世界に祝福を!」「盾の勇者の成り上がり」なんかが有名どころでしょうか。ベタな設定ですが、このタイプのマンガ・アニメはハズレが少ないので必ずチェックするようにしてます。

マガジンポケットで連載されている「ヘッポコ勇者に戦略を」もまた、個人的にオススメしたいRPG風マンガのひとつ。
異世界転生・魔王討伐・戦略バトルという現代っ子にウケそうな要素をこれでもかと詰め込んだ設定と、ダメッ娘の可愛さが同時に楽しめるお得な一冊です。

最初はぶっちゃけ表紙の女の子の可愛さに釣られて購入したんですが、内容のほうも予想以上に面白い作品でした。萌え漫画としてもギャグ漫画としても優秀な「ヘッポコ勇者に戦略を」。今回はその記念すべき第1巻をレビューしていきたいと思います!

あらすじ

ゲーム好きの高校生・井上 拓馬(タクマ)は、異世界の神によってRPG風の世界に飛ばされてしまう。異世界の神に提示された「私の世界を救うまでそちらの世界には帰れません」という理不尽な要求を満たすため、タクマは魔王の討伐を目指すことになるのだった。

しかし異世界で出会った少女・アコによれば、魔王を倒せるのは伝説の勇者の血を引く人間だけとのこと。世界を平和にするためには勇者を探し出すことが必要不可欠だと知ったタクマは、装備を整えて勇者探しの旅に出ることに…!

ところがどっこい!旅に出る直前になって「その勇者…私です」と白状するアコ。泣き虫で弱虫ですぐ漏らす少女・アコを立派な勇者に育てあげるため、戦略を練り続けるタクマの苦悩の日々が始まったのだった!

感想

RPG風マンガ史上最弱級の勇者

引用元: ヘッポコ勇者に戦略を 1、中村力斗、悪介、講談社、電子版、p47

RPGの世界観を模したマンガは数え切れないほどありますが、未だかつてここまで弱い勇者がいたでしょうか。「何の特殊能力もない」とか「スライムよりも弱い」とかそんなチャチなもんじゃありません。この世界の勇者・アコちゃんは、おそらくマンガ史上最弱級の勇者です。

森に入ればバッタを見て泣き、家に帰ればビンのフタが開けきれなくて泣き、あとはまぁなんやかんやあって大体泣く…
モンスターと戦うどころか、モンスターを見かけただけでまず間違いなく小便を漏らすという筋金入りの弱者です。

「弱い勇者」が主人公の作品は他にもいくつかありますが、アコちゃんの弱さはハッキリ言って別次元。魔王どころか5歳児とタイマン張っても負けそうなヘッポコ勇者ですが、その弱さを「戦略」でカバーしていくというのがこの作品の面白さです。モンスターを倒すためにどんな作戦を使うのか!?そしてスライム1匹倒すのに何リットル漏らすつもりなのか!?…その辺にも注目しながら読んでいきましょう。

最弱勇者アコちゃんをひたすら応援したくなる

引用元: ヘッポコ勇者に戦略を 1、中村力斗、悪介、講談社、電子版、p14

アコちゃんは守ってあげたくなるヒロインでした。いや、勇者なんだからむしろ守ってくれよという感じではありますが、まぁバッタ見て泣く娘にそんな無茶ぶりしても仕方がありません。すごくいい娘なのに「勇者の血を継いでいる」というだけで魔王討伐に駆り出されているのも、よくよく考えてみれば不遇ですしね。

今のところ「スイーツ巡りの旅」と騙されて旅をしているだけのアコちゃんですが、それでもモンスターに出逢えば泣きながら戦ってくれます。弱いながらもひたむきに頑張るアコちゃんを見ていると、全力で応援したくなってしまうというものです。

「ヘッポコ勇者に戦略を」は萌え系マンガといって差し支えないと思いますが、「萌え」のベクトルは一般的な作品と違うかもしれませんね。ラブコメ系マンガの「萌え」が「異性に向ける気持ち」だとすると、この作品の「萌え」は「子供に向ける気持ち」に近いものがあります。なんというか、初めてのおつかいを見守る親みたいな気分で読める作品でした。

モンスター討伐の様子が毎回エロくて笑う

引用元: ヘッポコ勇者に戦略を 1、中村力斗、悪介、講談社、電子版、p140

この世界のモンスターは女性の姿をしているのが基本みたいです。
参考画像は「フォレストオーガ」という人食い鬼なのですが、見た目は普通にカワイイですよね。1巻には他にも「スライム」「いたずらラビット」など複数のモンスターが登場しましたが、どれも若い女の子の姿をしていました。

そして、モンスターを討伐するときはなぜか作画がエロくなるというのもこの作品のお約束。モンスター娘を倒すとエロ展開が待っているという往年のエロゲみたいな仕様には、興奮するというよりもちょっと笑ってしまいます。

メインヒロインであるアコちゃんにはあまりにも色気が無いので、モンスター娘たちのサービスシーンは一応いいアクセントになっていました。まぁこの娘たちモンスターなので、サービスシーンの数コマ後には殺されちゃうわけなんですが…

まとめ

「ヘッポコ勇者に戦略を」は、たぶん連載が続けば続くほど味が出てくる作品だと感じました。1話を読んだ段階では「まぁまぁ面白いじゃん?」くらいの感想でしたが、読み進めるうちに「アコちゃん頑張れー!泣くなー!できれば漏らすなー!」と応援したくなっていきました。

1巻を読み終えた今では、立派にアコちゃんファンの一員です。アコちゃんにはただただ幸せになってもらいたい…できれば10万円くらい貢いであげたい…見返りはいらないから…なんだろうこの気持ち…これがアイドルにどハマリするファンの心理ってやつなのか…

読むほどに愛着が湧いていくキャラクター設定は見事の一言でした。「ヘッポコ勇者に戦略を」はまだまだ世に知られていない作品ですが、きっと万人受けするタイプの作品なので皆さんもぜひ読んでみてください!

二次元の世界が好きすぎて脱サラし、マンガ・アニメ専門のライターになってしまったヤバい人です。
朝から晩までマンガを読んではレビュー、アニメを見てはレビューという二次元漬けの日々を送っています。

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