「ひだまりスケッチ」は、蒼樹うめ先生によりまんがタイムきららキャラットにて連載中の4コマ漫画です。アニメ化が何度もされ、アンソロジーや小説などメディアミックスも豊富な人気作品!2004年から連載が続く長寿の日常萌え系漫画となります。

美術学校に通う主人公「ゆの」を始めとする、ひだまり壮の住民たちとの生活が中心に描かれます。学校生活や住民たちとの交流がユニークで、先輩後輩の垣根や意識を超えた素晴らしい人間関係も「ひだまりスケッチ」で描かれます。

萌え系4コマ漫画作品の金字塔として、幅広い世代で人気のある作品でもあります。1巻では登場キャラクターの自己紹介も兼ねているので、まだ初々しさがあって微笑ましいです。今回はそんな「ひだまりスケッチ」の1巻をご紹介します。

あらすじ

主人公ゆのは美術科が設備され全国でも人気校である、やまぶき高校に入学します。地方出身のゆのは、通学するために学校の目の前に立地する「ひだまり壮」に入居しますが、ひだまり壮は変わり者が集まるという噂がある有名なアパートでした。

アパートには同級生でいつもお腹を空かせている宮子や、先輩で小説家の沙英、優しい性格で良妻賢母なヒロが住んでいます。個性豊かな住民たちと日常生活を送り、先輩後輩関係なく楽しく生活するゆのは、学校生活にも慣れていきます。

担任である吉野屋先生の破天荒な授業を受け、美術科として専門的な知識を学んでいくゆの。ひだまり壮の住民たちとも仲良くしてもらい一緒にお祭りに行くなど、新しい経験をする中で充実した生活を過ごしていくのでした。

感想

萌え系日常漫画の金字塔!美術科学校での日常生活

ひだまりスケッチの物語は、他の萌え系日常漫画と同様に可愛らしい女子高生が友達に囲まれて楽しく学校生活を過ごす展開です。驚愕するような事件や天変地異が起きることはありませんし、落ち着いて読むことができるのは日常漫画ならではですね。美術科高校という設定を活かした物語は、ありきたりな展開になりやすい日常系漫画にとって良い変化球だと思いました。美術に知識が無くても面白く読むことができる貴重な作品でもあるでしょう。

ゆったり・まったり・穏やかに進んでいく物語は、ひだまりスケッチの大きな特徴でもあり長所です。また、1巻でこれほどの完成度を誇る4コマ漫画も珍しいのではないでしょうか。その位に1ページ目から世界観に引き込まれて、「私もひだまりスケッチの世界で住みたい」と考えてしまいましたよ。読者もやまぶき高校に入学したい!ひだまり壮の住人となって、ゆのや宮子たちと楽しくお喋りをしたい!そう思った方は決して私一人ではないはずです。

作風としては、蒼樹うめ先生が持つ独特のタッチで描かれる世界観で、どこか優しい雰囲気が存在する作品ではないでしょうか。登場キャラクターもそうですが、ひだまり壮での生活と学校生活を上手に描いていますし、ギャグシーンやしっかりしめる所は丁寧に描ききることもメリハリがあって私は好きです。ですから良い意味で基本に忠実な4コマ漫画なのではないでしょうか。安心して読める萌え系漫画は少ないので、そういった幅広い世代に好かれる要素があることが、ひだまりスケッチの持つアイデンティティーだと1巻を読んで思えました。

ゆったり・まったりとした作風で落ち着く

登場キャラクターは、優しい心根を持つ主人公ゆのを中心に、天然でひだまり壮で起こるトラブルはほとんどこの人のせいでは?と思える宮子。小説家で自分の執筆した小説の絵も描くことを目標とする沙英、ひだまり壮の母的存在で、体重が少し気になるヒロの先輩コンビが登場します。非常にバランスの取れたキャラクターたちで、似ている人物は作中でいないのではないでしょうか。ゆのと宮子の担任教師である吉野屋先生も強烈なキャラクター性です。

学校の先輩・後輩の関係性ですが、先輩である沙英とヒロは後輩であるゆのと宮子を大切にしてくれます。宮子が調子に乗って先輩を怒らせてしまうことがありますが、仲が良いから出来ることだと思いましたね。先輩だから威張ったり、イジメのように後輩を都合の良いように使うことは全くありませんし、攻撃的な言葉を使用することも、ひだまりスケッチの世界観とは合いません。それほどキャラクターの人間性が素晴らしくて安心して読めます。

1巻では先輩・後輩関係なく一緒に遊ぶ光景が微笑ましいです。ビニールプールではしゃいだり、お祭りに出かけては4人で食べ歩きをするなど日常漫画の醍醐味もしっかり描かれています。ゆのたちに関わらず、読者も思わず笑顔がこぼれるシーンが多いでしょう。ゆのは友人関係が本当に恵まれていると感じますし、地方を離れて学校生活を送る環境としては適していると思います。何だかゆのを見ていると羨ましい気持ちになってしまいますね。

ゆのたちからは家族のような強い絆を感じます。

ゆのと宮子、沙英とヒロの4人には誰にも破られない強い絆や関係性が存在します。1巻ではまだ初々しさもありますが、ページをめくる度に一つの家族のような雰囲気さえ感じるのです。これは非常に珍しいことではないでしょうか。ましてや物語が始まったばかりの第1巻でそう感じたので凄いな~と思います。萌え系4コマ漫画作品で、言葉には表せないこれほど強い何かで繋がっているキャラクターは存在しないのでは?とも考えられます。

さらに感心したことがあります。それは、誰かが悩み事や困っていると別の誰かがすぐに悩みを聞いてあげて傍にいてくれる点です。作者である蒼樹うめ先生も自覚があるのかは分かりませんが、ひだまりスケッチの世界観は、皆が他人の気持ちを考えて行動ができるキャラクターが多いのです。綺麗ごとだと思えることでも、ひだまりスケッチの持つ世界観の前ではそうすることが当たり前で、読者も自然とそのことを受け入れることができる優しさを持つ作品ではないでしょうか。

ひだまり壮の4人を含めた登場キャラクターたちには、立ち振る舞いにどこか安心感があるので、読んでいて疲れないことも大きな特徴ですね。それぞれのキャラクターが活き活きとして動いていることもグッド!だから何気ない日常生活の描写でも大切で重要なことに見えるのです。日常漫画のテーマでもある普通の生活を掛け替えのないものにすることに優れ、読み返えすごとに懐かしさや切なさも感じます。最新刊が出るごとに私は強くそう思います。

まとめ

「ひだまりスケッチ」の記念すべき第1巻をレビューしてきましたが、如何だったでしょうか。連載から10年以上経っていますから良い所は語りつくされた作品でもありますね。現在では新キャラクターも続々と登場し、ゆのは先輩となっています。萌え系4コマ漫画として歴史が長く、多くのファンを持つ作品なので安定した面白さがある作品です。これから「ひだまりスケッチ」を読んでみたい!と考えている方には、読んで損はない作品なのでおすすめですよ。

これだけ多くのファンたちに愛される作品ですが、その理由としては感想で述べた通り、作品全体が持つ優しがあるからだと思います。ほのぼのとした絵柄はもちろん、一人ひとりが個性的ですがしっかり相手の気持ちを考えて行動できるキャラクターたちです。トラブルメーカーでもある宮子や吉野屋先生も、真剣に考えるべき時には誰よりもしっかり物事を考えています。だから憎めないキャラクターとして私は宮子と吉野屋先生が好きですね。

長期的な漫画ですが、最新刊を読んでも1巻の頃と作風は変わりません。多少の変更点はありますが、ひだまりスケッチの持つ世界観を崩さずに連載を続けている蒼樹うめ先生は素晴らしいですね。4度のアニメ化とOVA化もした作品で、出来れば最終回までアニメ化をしてほしいと心から思える作品です。萌え系4コマ漫画が好きな方、人間関係で優しさを感じたい方などに読んでもらいたい作品でも、幅広い世代の方たちにもおすすめできる名作です。

オススメ度
★★★★★★★★★☆ ★9

記事担当:キリンリキのしっぽ