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みなさんは「となりのネネコさん」という4コマ漫画を知っていますか?元々は「恋愛ラボ」や「僕らはみんな河合荘」でお馴染みの宮原るり先生が、趣味として自身のWEB上に公開していた漫画を、手直しして商業漫画化とした作品です。

まず目を惹くのが漫画表紙に描かれたネコ目・猫鼻の少女ではないでしょうか。彼女こそが本作で不思議な魅了を持つ「佐藤ネネコ」さんです。苗字はとっても普通ですが、見た目のインパクトは絶大で、色んな意味で驚愕してしまうでしょう。

黒髪ロングなネコ属性の中学生という珍しい人種?で、転校した初日から破天荒な言動で周囲を驚かせます。彼女の魅力は、最初は分からなくても、読み進めていくと彼女が持つ独特の魅力や雰囲気の虜になってしまうのでした。

あらすじ

転校生としてやってきたのは、顔がネコの猫属性持ち女子「佐藤ネネコ」でした。山田花はネネコさんの隣の席に座る優しい素直な女子。そんな山田花を下僕扱いしながらもネネコさんは次第に山田と仲良くなっていきます。

クラスメイトで大の猫耳好きである吉川ミナにネネコは懐かれますが、ネネコが好きすぎるミナのストーカー紛いの行動にウザったく思いつつ日常生活を送ります。人間離れしたネネコに対してみんなも徐々に慣れていくのでした。

学校生活の中では、様々な部活を見学するネネコさんは、持ち前の能力をいかんなく見せつけて、調子に乗っている上級生に対しては情け容赦がありません。個性豊かな生徒や先生と生活を送りながら、今日もネネコさんはいつも通りに過ごすのでした。

感想

顔がネコ!?その名は佐藤ネネコ

「となりのネネコさん」を語る上で外せないのが、やはりネネコさんではないでしょうか。この作品の顔はネネコさんで、例えるならエースで4番バッターとも言えますね。作品の象徴として存在感が大きすぎる所が素晴らしいです。ネネコさんとは一体何者なのかは分かりませんが、読んでいるうちにそんな小さなことはどうでも良くなるでしょう。むしろネネコさんの破天荒な行動や優しい相手には抵抗できない性格も愛おしく思えてきますよ。

最初は作中のキャラクターたちや読者もそうですが、顔がネコのネネコさんに驚いてしまいますよね。しかもネコのように爪は出し入れが可能で、ジャンプ力も凄いのです。まるっきりネコですが、気に入らない人間に呪いをかけるのでネコでも人間でもないような気がしてきました。ハチミツが好きで蜜壺を持参し、カバンから出てくる物といえばバナナやイカと常識に囚われないネネコさんがユニークでもありますが、初めのうちは読者が引いてしまうかもしれません。

ただ不思議なもので、読み進めていくとネネコさんが段々可愛らしく見えてきます。私だけかもしれませんが、茶道部で15杯もお茶を飲んだこと、どんなことがあっても顔の表情がまったく変化しない所も愛らしいです。彼女の魅力に気づいた時は、顔がネコなのですが絶世の美少女に見えてきました。いや~本当ですよ…。それほど隠れた魅力が存在するキャラクターなので、読めば読むほどに良さが分かるスルメキャラではないでしょうか。

ネネコさんが可愛くてしょうがない

ネネコさんのキャラクターが濃すぎて目立ちませんが、その他の登場キャラクターたちも個性豊かです。ネネコさんと一番親しい間柄の山田花は、優しい性格もあり下僕と言われながらも、ネネコさんが心を許す数少ない一人です。ネネコさんを愛するあまり奇行を繰り返す吉川ミナは才色兼備な見た目ですが、ネネコさんに対して変態的すぎてギャップが激しいのです。ですからいつも先生に鋭いツッコミを入れられてしまいますが、それでもめげない精神力には頭が下がります。

同じくネネコさんが大好きなイケメンの伊藤隆は、銀髪で日常系漫画によくいる女子に黄色い歓声を上げさせるタイプです。しかし、運動音痴でボケっとしているだけというキャラクターですね。どちらにしても吉川ミナと伊藤隆の美男美女コンビの思いはネネコさんには届かずじまいで、さらに2人の行動が暴走してしまうシーンが面白いです。ネネコさんに何度も返り討ちにされながらも嬉しそうに感じている姿がどこか微笑ましく感じてしまいました。

逆らう者はいない強者のように見えるネネコさんでも苦手としている人種が存在します。三年生で茶道部の木下望と茶道部顧問の佐倉涼子です。この2人は暴走する吉川ミナや伊藤隆とは違い、穏やかで天然の癒し系です。毒気のない天然な接し方に髪がグチャグチャになってもネネコさんは怒ることができず、逆に2人に手玉に取られる姿が大変可愛らしかったです。完全に借りてきたネコのように大人しくなってしまうネネコさんに萌えます。

強い意志を持つネネコさんが凛々しい

物語は山田花とネネコさんコンビを中心に、やはりネネコさんが多くの出来事と関わりを持つことでギャグ漫画として成立しています。得体の知れないネネコさんに対する接し方がキャラクターごとに違うので、そこを比べるのも面白いかもしれませんね。最初は下僕扱いしていましたが、表紙で描かれているようにネネコさんの良き理解者のようです。何だか良い関係ですよね。「重箱の隅をつつくように長所を探しだして褒めてあげます」と褒めているのか疑問ですが、良い言葉だなと思います。

ギャグが中心の4コマ漫画ですが、ネネコさんが時々見せる悲しそうな雰囲気から過去に何か辛いことがあったのかな?と感じます。借りてきたネコ状態にされた木下望と佐倉涼子に対しても「初対面の相手に好意を示されることは少ない」「そういう相手にはできるだけ優しくするように決めています」と発言しました。気が知れた仲となった山田花に対しても「あなたのように自然体で接する人ははじめて」「私もつい地が出てしまった」と言います。

「私は誰かの都合や思惑で動くことは絶対しない」という強い意志を持つネネコさんですが、一体ネネコさんは何者で、なぜ転校してきたのか、過去に何かあったのかは分かりません。1巻ではランドセルを背負ったネネコさんの幼少期が少しだけ描かれていますが、謎は深まるばかりで解明されません。ほんわかとしている作風からには合わないと思いましたが、シリアスな面もたまにあるので、その部分は読者の好き嫌いが分かれる所でしょう。

まとめ

「となりのネネコさん」という作品は、宮原るり先生が趣味で書かれたWEB漫画なので、描きたいことを伸び伸びと描いていることが伝わります。読んでいてそのような雰囲気が伝わってくるので気持ちがいいのです。アニメ化される程の人気作品を次々と発表している宮原るり先生ですが、先生の作品の中で、この作品ほど「自由」を感じた漫画は無いのではないでしょうか。私の気のせいの場合もありますが、それほどキャラクターも活き活きとしています。

私が凄いな!と感じたのが、となりのネネコさんは全てがカラーページだという所です。しかもWEBで連載していた同作品を手直しして漫画化したので、作品に対する愛情を感じましたし、WEB版を知る方でも満足する作品だと思います。また、読者に対して楽しんでもらえるように工夫をしていることにも好感が持てました。キャラクターは非常に多いですが、どこにでもいる覚えやすい苗字がほとんどなので、すぐに覚えることが出来たので有難かったですね。

「となりのネネコさん1」の感想を述べてきましたが、如何だったでしょうか。私は表紙のネネコさんのインパクトにやられて読んだ作品ですが、決してネネコさんがイロモノで描かれていないし、学友との交流が超人のネネコさんを中心に可笑しく描かれています。宮原るり先生のWEB漫画はネット環境があればいつでも観ることができるので、購入する際の試し読みが可能ですから、気になる方は是非先生のWEBに遊びに行ってみてくださいね。

オススメ度
★★★★★★★★☆☆ ★8

記事担当:キリンリキのしっぽ

レビューを通じて作品を知らない方にも興味を持っていただければ幸いです

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