ミリタリーと萌えが融合した萌え4コマ漫画『みりたり!』の2巻はますます盛り上がりを見せていきます。第1巻の中盤から段々と絵柄が安定し、本巻ではすっかりルトガルニコフ中尉を始めとしたキャラクターの頭身も小さくなりました。

連載も続きこなれてきた事で絵柄は安定するようになりましたが、漫画の面白さは前巻以上のものになったと言えるでしょう。キャラクターたちはよりドタバタと動きまわり戦車でレースをするなど様々な展開を見せることになります。

また新しい銃器やトラップ、戦車なども登場するのでよりミリタリー色も増したりしています。かといってマニアック一辺倒かというそうではなく、ミリタリーの知識の有る無しに関わらず存分に楽しむことができるでしょう。

あらすじ

日本から遠く離れたクラコウジアで英雄となったソウイチ・ヤノ。その息子である高校2年生の矢野宗平は日本で平和に暮らしていましたが、クラコウジア公国の敵国であるグラニア共和国からの刺客に狙われてしまいます。

そこでクラコウジア公国から派遣されたルトガルニコフ中尉とハルカ少尉が護衛任務と称して宗平の自宅でくつろいだり堕落した生活を送ったりするのですが、敵国の刺客シャチーロフとの戦いによって宗平の自宅は壊れてしまいました。

第2巻では近所のお姉さん的存在な水野さんの家で3人が暮らすようになるのですが、そこには既にシャチーロフも住んでいます。一触即発の空気の中、水野さんという調停者の下で宗平たち3人の生活が始まるのでした。

感想

敵国の刺客が住む家での生活!緊張感のある生活が今はじまる!

本巻で舞台となるのは水野さんの家で、ストーリーのほとんどは水野邸を舞台としています。前巻では宗平の家で暮らしていたため、宗平、ルトガルニコフ中尉、ハルカ少尉の3人で話が回りつつたまにシャチーロフや水野さんが絡むという形でした。ですが水野さんの家には水野さんとシャチーロフ軍曹が住んでいます。そのため話はこの5人で展開されるようになるのです。しかも関係性は敵国同士で、水野さんはあくまで中立的な立場。一体どうなるのか気になるところですが意外とバランスが取れていたりもします。

緊張した冷戦下にあるような水野邸ですが、その均衡を破るのが水野さんなのです。水野さんは敷地内での争いを絶対に許さず、争った者は誰であれ罰を与えるというマッシブな女性となっています。そのためルトとシャチーロフが争おうとしても即座に水野さんが納めてくれるわけです。その姿は年上の有無を言わさぬ圧力とでも言いますか、お姉さん力の発露と言いますか、そんなような力でもって強制的に争えない状況になっているわけです。

ただ水面下ではシャチーロフは常に宗平の命を狙っています。もちろんそうしたたくらみはバレて水野さんに罰を受けるわけですが。ともかく幼女そのままのシャチーロフとお姉さんタイプの水野さんという新しいレギュラーメンバーが加わったことでより『みりたり!』の世界を賑やかなものにする事に成功しています。また、よりルトが子供子供するようになっていてまるで姪っ子か娘を見ている気分になるかもしれません。そして2巻を飾るハルカはよりかわいくなっています。

ミリタリー色が強くなったことはメリットかデメリットか

元々タイトルの通り『みりたり!』はミリタリーをテーマとした漫画です。そしてミリタリーの世界はどうしてもマニアックなものとならざるを得ません。そして本巻はよりミリタリーの色が強くなりました。これをメリットとるかデメリットととるかは読者次第となるでしょう。ミリタリー好きにとってはたまりませんし、そうでない方にとっては抵抗が生まれてしまうかもしれません。ただ『みりたり!』とタイトルにもある以上、できればミリタリーに関心の無い方にもミリタリーを好きになってほしいところです。

マニアックなものというのは知れば知るほど面白いものなので、もし抵抗があるなら思い切ってミリタリーの世界に足を入れてみましょう。というかむしろ、本書がその入り口となるのかもしれません。例えば巻頭のカラーページではルトがリボルバーの仕組みについて教えてくれています。もちろん喜々としたその姿もかわいらしいのですが、確かに分かりやすくリボルバーについて解説してくれているのです。つい「なるほどなー」と思ったなら既にミリタリーの世界に足を踏み入れたことになるでしょう。

また、漫画のネタとしてミリタリー分野を扱うことは『みりたり!』の宿命とも言えるでしょう。漫画という作品、とりわけストーリー漫画よりもギャグな萌え4コマ漫画となると毎回ネタを考えるのに苦心しているはずです。そのとき目の前にミリタリーという広大な平野が広がっているならそれを活かさない手はありません。といっても本格的なミリタリーネタというよりは、部隊章をどうするかとか戦車のレースをするなど状況設定のために活かされているぐらいです。もしミリタリー成分に飢えているなら各話の表紙や時折登場する銃器に注目してみましょう。

キャラクター達の魅力が引き出されている第2巻

前巻ではルトの子供感やシャチーロフの幼女性、それから水野さんのお姉さん力に加え、セクシーでかわいいハルカというキャラクターの魅力的な姿を見ることができましたが、本巻ではそれがより強くなっています。ルトはより正に子供としか言う他無い言動をするようになりましたし、ハルカは相変わらずセクシーです。特に同棲する事になったため水野さんとシャチーロフの魅力が倍増している点は外せません。水野さんはいたずら好きですが直ぐに争いを止めることができ、シャチーロフはかなりかわいい幼女だったりします。

シャチーロフもルトと同じような魅力をたたえていますが、ルトと異なるのはクールという点でしょう。感情に乏しくとにかく任務第一です。ですがある話でシャチーロフが実は本当にかわいい幼女であることが分かります。それは宗平が入浴しているところへシャチーロフも入ってしまうという展開になる話で、もちろんシャチーロフは全裸です。自分を狙う刺客であり幼女であるシャチーロフが裸で入浴する、というのはドギマギしてしまいます。明らかな子供なのに全裸だから欲情してはいけないけど自分を狙っている刺客、なんとも複雑な感情が読者の中で芽生えるでしょう。

それからやっぱり外せないのがハルカです。表紙で寝そべりながら手榴弾を投げているハルカですが、宗平が戦車に乗り込み運転する際に股間をおっぴろげしてくれます。もちろんそれは事故であり宗平は即踏まれますがご褒美以外の何物でもありません。また、コンビニの店員となって高飛車かつ得意げに仕事をこなしたり部隊章のデザイン画が下手だったりと無数の萌えポイントを読者に提供してくれます。基本的にツンツンしているところもツンデレ愛好者の紳士諸君にとってありがたいものです。

まとめ

『みりたり!』の第2巻では順調に作品世界がより豊かになっています。これもひとえに舞台設定を水野邸へと移したことが良い影響を与えているのでしょう。水野さんとシャチーロフというキャラクターがより宗平と近くなったことでストーリーに絡むようになり、各キャラクターの魅力もより色濃いものとなりました。特にお風呂場でシャチーロフが独白したことは本当の事なのか嘘なのか、ミステリアスな謎を残しています。もし本当だとしたらシャチーロフを抱きしめたいと思うのは自然の摂理です。

萌え漫画はこなれてくると段々とマンネリ化するものですが本巻ではそんなことはありません。ネタの使い回しも無ければ盛り下がるわけでもないのです。うなぎのぼりに面白くなっているというのが正しいところでしょう。各キャラクターの関係性が強くなるだけで漫画はより深く面白いものになるのだと気付かせてくれた巻です。果たしてシャチーロフはこれだけ一緒の時間を宗平と過ごしても命を狙い続けるのでしょうか。今後が気になってきます。

どんどん盛り上がっていく『みりたり!』の第2巻ですが、もちろんこれで終わりではありません。ラストの話で登場する新キャラクターのクラコウジア軍大佐のアリア・グラスマンは今後の展開に深く関わる重要人物だったりします。また、ラストの話では宗平の家がどうなっているのかが語られるので必見です。第1巻では宗平の自宅、第2巻では水野さんの家、そして第3巻ではどこが舞台になるのでしょうか。新キャラクターも登場する第3巻を楽しみにしておきましょう。

オススメ度
★★★★★★★★★☆ ★9

記事担当:くもすい