『みりたり!』は漫画家の「まもウィリアムズ」による2008年から2013年まで「まんがぱれっとLite」及び「まんが4コマぱれっと」にて連載していた作品です。全5巻とコンパクトにまとまった漫画となっています。

また、2014年からは「まんが4コマぱれっと」にて続編となる『みりたり!乙型」の連載も始まったため、実質的にはなかなかの長期連載と言えるかもしれません。なお2015年にはアニメ化も果たし、同年1月から3月にかけて放映されました。

タイトルの通りミリタリーをテーマとした作品で、ジャンルはギャグな萌え系4コマ漫画となります。ミリタリーという一見硬派で物騒な素材を見事に萌え漫画として落とし込んだ形と言えるでしょう。非常にユニークな漫画です。

あらすじ

舞台は現代日本。ゲーム好きな何の変哲も無い高校2年生の矢野宗平(やの そうへい)はある日、部屋でくつろいでいたら幼女たちに急襲されてしまいます。その幼女たちこそクラコウジア公国軍のルトガルニコフ中尉とハルカ少尉だったのです。

幼女たちは宗平の名を聞くとおとなしくなり、宗平が誰かに狙撃されるところを間一髪で助けることになります。宗平の命はクラコウジア公国の敵国であるグラニア共和国のスナイパーに狙われていたのでした。実は幼女たちは宗平の命を救いにきたのです。

聞けば普通のサラリーマンをしている宗平の父がクラコウジア公国へ出張した際、流れ流れて英雄になってしまったとのこと。そのため英雄の息子である宗平は敵国のグラニア共和国に狙われる身となってしまったのです。そこで適当な護衛として派遣されてきたのがルトガルニコフ中尉とハルカ少尉だったのでした。

感想

ソードオフショットガンや携行型ミニガンを装備した萌え漫画!

かつては戦車のプラモデルや図鑑が少年の心を鷲掴みにし、現代ではなぜか萌え化した艦隊や女子学生が戦車に乗り込み戦う作品が流行しています。さらにFPSというゲームジャンルが青年層を中心に広まってもいる状況です。どこかミリタリーという分野には人を惹き付ける魅力があるのかもしれません。そんな中で登場した本作『みりたり!』はミリタリー系萌え漫画の系譜に位置する作品となります。また、ギャグテイストで描かれているためミリタリーにありがちな深刻な展開にはなりません。あくまで軽く読むことができる漫画です。

少しでもミリタリー文化に触れたことがある方なら作品内のミリタリー要素に惹き付けられるでしょう。宗平の護衛役でありヒロインの1人でもあるルトガルニコフ(通称ルト)は銃器を愛し、特にソードオフショットガンをいつも所持しています。M870をベースに改造した携行性の高い銃としてルトの口から紹介する様はミリタリーと萌えのマリアージュです。軽く短いため近接戦闘にも使えることをアピールしたりと、その姿はまるでミリタリーに嵌まっている少女そのものと言えるでしょう。

また、クラコウジア公国の敵国であるグラニア共和国からの刺客シャチーロフ軍曹は携行用のミニガンを2つ装備しています。ミニガンというとヘリコプターから地上へ掃射するのでお馴染みのあのミニガンで、撃たれた相手は粉微塵になるわけですが、そんな兵器で宗平は常に狙われ続けるのです。もちろん実際に宗平のミンチができあがることは無いので安心して下さい。あくまで萌え漫画のギミックとしてミリタリー要素が含まれていて、読者は「HAHAHA!」とアメリカンな笑顔で読み進めることができるでしょう。

宗平に感情移入しすぎるとマゾヒストになる恐れも

ルトガルニコフ中尉とハルカ少尉は基本的に宗平を守るために日本へとやってきたのですが、余り宗平に対して尊敬はしていません。むしろ結構な頻度で軽蔑することがあり、戦場ではなく日本の習慣を守るように言う宗平に不満を抱いたりするのです。ときにはシャチーロフが怯えるほどぼこぼこにされたりもします。そのため宗平に自分の姿を重ね合わせて読む場合、読者はマゾヒストになるかもしれません。「もっと…もっと!」という内なる声が聞こえてきたら危険信号です。

また、この作品はあくまでギャグ漫画なので色々と過剰な展開や演出が繰り広げられます。ときにはルトとシャチーロフの戦闘に巻き込まれ自宅が全壊することすらあるほどです。しばらくサバイバルな野外生活を強いられるのですが、このような理不尽な展開がどどっと押し寄せてきます。もしこうした展開に抵抗があるならマゾヒストになりきってしまいましょう。口に出して「もっとやって下さい」と唱えていれば良い感じになってくるはずです。

『みりたり!』の世界は幼女たちの戦闘に巻き込まれる世界なのです。萌え漫画というとハーレムものや百合もの、ちやほやしてくれる系と色々なものがありますが『みりたり!』は暴力溢れる戦争漫画となります。そのため幼女が大暴れする姿に萌えを感じる方にとってより相応しい漫画と言えるでしょう。むしろ読んでいる内にミニガンを装備した幼女に追いかけられたり、幼女に手榴弾を目の前でチラつかせられたりといった有難い場面で自然と読者は笑顔になっているはずです。

ルトガルニコフ中尉もかわいいがハルカ少尉のかわいさが大爆発

表紙を飾るルトはショートカットに軽装少女という感じでかわいらしく、カラーページでも軍服姿に身を包んでおりたまりません。特に水色の軍服姿は作中で見る事はできないので貴重なショットと言えるでしょう。またちまちま歩きながら何事にも一生懸命なルトは正に幼女といった風合いを醸し出しています。ただルトの場合、恋愛心を知らないようで萌えは萌えでも子供に対する萌えといった展開が多くなるのです。それに対してハルカ少尉はお姉さん的な幼女として振舞ってくれます。

ハルカ少尉は相対的にルト中尉より年上に見えますが、まだまだ幼女らしさを残しています。ふと見た魔法少女アニメにどはまりしたり、トイレを覗かれると恥ずかしがったりするのです。基本的にはクールでできるお姉さんといった風貌のハルカがそうしたシーンで見せるほころびは萌えの結晶、萌えの鉱脈とでも言うのでしょうか。萌え洞窟を探検中に発見した一塊の萌え、そんな貴重な萌えとなっています。作中にもありますが、いわゆる「ギャップ萌え」というやつかもしれません。

ルトと異なりハルカはセクシー描写担当でもあったりします。単行本冒頭に収録されたカラーページの漫画では早速くまさんパンツを披露してくれますし、魔法少女に変身する際には物理的に服を破られ全裸になってから衣装に着替えたりするのです。また、傘が無いときには全身ずぶぬれになってくれたりもします。自然と口から「ありがたい…」という言葉が漏れるかもしれません。『ミリタリ!』には様々な萌えキャラクターが登場しますが、ハルカは最も萌えを強く感じるキャラクターなのです。

まとめ

ミリタリーと萌えが合体した作品は今までにも様々なものがありましたが『みりたり!』は特にかわいらしさを優先した作品となります。幼女たちは基本的に3頭身ですし、表紙の通り絵柄もポップです。かわいいキャラクターが縦横無尽に紙面を動き回り重火器をぶっぱなしている姿は、萌え漫画好きにとってもミリタリー好きにとってもほほえましい光景に映るでしょう。なんとも賑やかなルトとハルカの護衛任務ですが、いつの間にか日常漫画にスライドしていく展開も面白かったりします。

それから敵国であるグラニア共和国側にも触れておかなければなりません。グラニア共和国からの刺客シャチーロフはなんやかんやあって宗平の近所に住む水野さんというお姉さんの家で暮らすことになります。シャチーロフは作品中で最も幼い幼女で口数が少ないにも関わらず最も強力な兵士です。ですが水野さんのお母さん力のようなものに圧倒され、お尻ぺんぺんされたりします。水野さんは宗平の敵ではなくお姉さん的なご近所さんなので家同士の単純な対立関係で終始せず、結構な頻度で交流するようになるのです。これも漫画の展開を豊かにする状況設定と言えるでしょう。

『みりたり!』はかわいさあり、セクシーあり、ミリタリーありと色々な要素を含んだギャグな萌え系4コマ漫画です。4コマ漫画なので読みやすく、かつギャグで萌えも入っているとなると漫画として面白くないわけがありません。作者の絵柄も明るく台詞も長くなく、毎回異なる展開で読者を楽しませてくれます。また、本巻のラストでは住居環境すら変わってしまうのでストーリーの舞台自体にも変化があるのです。エンターテイメント性の高い作品としてお勧めできる漫画です。

オススメ度
★★★★★★★★★☆ ★9

記事担当:くもすい