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短命に終わる萌え漫画もある中で『みりたり!』は順調に連載を続けています。現在では『みりたり!乙型』という名前となりましたが、相変わらずルトガルニコフ中尉とハルカ少尉、それから宗平たちは賑やかな日常を送っているのです。

萌え漫画、それもストーリー系ではない日常系の漫画としてこれほどの長期連載を続けられる作品はそう多くありません。第3巻を出すことができたのも『みりたり!』という作品が面白く支持する声が大きかった証拠と言えるでしょう。

本巻では新しいキャラクターや舞台設定も変わり、前巻とは異なる展開を繰り広げるようになります。前巻とは状況自体が異なるため、自然とバリエーションのある構成となったのです。それでは早速『みりたり!』第3巻の内容について見ていきましょう。

あらすじ

第1巻のラストでルトガルニコフ中尉とシャチーロフ軍曹の戦いに巻き込まれた宗平の自宅。第2巻のラストで明かされるのですが、実はクラコウジア軍の手によって既に建てられていました。そのため宗平たちは水野邸から自宅へと戻ります。

ですが自宅には外敵の侵入を拒むようありとあらゆるトラップが仕掛けられていて、前巻ラストではクラコウジア軍のパツキン眼鏡なアリア・グラスマン大佐がトラップに引っかかっていました。何とか宗平はトラップを解除することに成功し、アリアも国に戻ろうとしたのですが飛行機のチケットが破れていたためそのまま宗平の家に住むようになります。

また、シャチーロフ軍曹の住む水野邸の押入れにも怪しい影が。シャチーロフを補佐するために呼ばれたグルー伍長という男が住んでいるのです。見事シャチーロフの犬として水野さんに同居を許されたグルーはシャチーロフを色々と支えることになります。

感想

マゾと天然!新キャラクターの参戦でますます面白くなってきた

『みりたり!』はこれまで巻ごとに舞台設定を変更してきました。第1巻では宗平の自宅、第2巻では水野さんの家、そして第3巻では再度宗平の自宅がそれぞれの舞台となっています。話が展開する舞台設定自体を変更することで新鮮な展開が繰り広げられ、いつでも新鮮な話を読むことができるのです。特に本巻では新キャラクターのアリアとグルーというキャラクターがそれぞれの陣営に追加されたため、構成の幅も広がりを見せています。

前巻では敵軍であるシャチーロフと一緒に同居することで全員参加な場面が多くあり賑やかでしたが、本巻ではアリアとグルーの存在があるため、それぞれの陣営の話だけでも賑やかなものになっています。とりわけシャチーロフ側には今まで水野さんしか居なかったのですが、グルーがシャチーロフのサポート役として参加することでスムーズに話が回るようになりました。なおグルーは稀代のマゾヒストなのでシャチーロフのためなら首輪を付け四足歩行することも厭いません。

それから宗平側に新しく参加するアリアは特徴的なキャラクターです。金髪、眼鏡、ボイン、さらには頭身が高めという本作における稀有なキャラクターと言えます。天然で直情、さらには羞恥心が無く、かつ部下思いという萌えポイントの集合体のような存在だったりするのです。宗平にほのかな恋心を抱いている点も最高で、本作では余り見られなかったラブロマンス的な要素を補完してくれています。また、アリアという大佐が存在することでルトとハルカの関係にも影響が見られる点も面白いところです。

話が拡散する可能性もある諸刃の刃かもしれない

実は、先述した舞台設定の変更や新キャラクターの追加というのは良い面があるだけではありません。作品世界を散漫としたものに変えてしまう恐れもあるのです。単純に考えれば、1人が登場する漫画と100人が登場する漫画では1人あたりに費やされる紙面の数は異なってしまい、1人1人のキャラクターの重要性が薄れてしまいます。また、舞台設定を異なるものにすることは作品世界の秩序を崩壊させてしまうかもしれません。例えば都会を舞台にしていた漫画が次の巻でオヒオヒ星を舞台にしたら内容も変わるはずです。オヒオヒ星がどのような星なのかから描かなくてはならないかもしれません。

ただそれらは極端な例でしかありません。1対100ではなく1対3だったり、都会対オヒオヒ星でなく都会対郊外といった近似的な設定であれば十分に作品世界の崩壊を防ぎつつ内容を豊かにすることは可能なのです。1人の場合は独白が多くなりますが、3人であれば掛け合いも可能になりますし、都会で生活していた習慣と郊外の生活におけるズレを描けばバリエーションのある作品となるでしょう。そして『みりたり!』におけるこの取り組みは成功しています。

『みりたり!』では新キャラクターを各陣営に1人づつ配置し、舞台設定も第1巻と同じ状況になりました。変更点を抑え作品世界への影響を少なくしつつ、新要素を取り入れることを無事達成することができたのです。そしてこの新キャラクターがそれぞれ今までの作品世界には無かった特徴をもっているという点も見逃せません。グルーは大人の男性でありながらマゾヒストであり、アリアは大人の女性でありながら純真で恋心も抱いています。諸刃の刃である舞台設定の変更と新キャラクターの追加を上手く使いこなしていると言えるでしょう。

恋心が止まらないアリアの魅力にやられてしまう

新キャラクターとして登場したクラコウジア軍の大佐であるアリアはルトとハルカの上官です。さぞや厳しい人物かと思いきや、とても部下思いの優しい上官で、かつ強く純粋という特徴をもっています。ボインなパツキン眼鏡という見た目をしていますが精神的には幼女という点もグッドです。まだ恋愛感情がどういったものか分からないぐらい純真なので、当然羞恥心も無く汗だくのボディを宗平に見せ付けてきたりします。アンバランスでありながらかわいらしい萌えの詰まったキャラクターなのです。

アリアは上官として立派な姿をリトやハルカに見せつけようとします。その一貫としてリトが夏の暑さに参っているとき、上官としては暑がっている様子を見せてはならないと奮闘するわけです。そんなアリアに対してリトは火炎放射器で部屋を暑くしたり目の前でアイスを食べたりといじわるをするのですがそれでもアリアは耐え忍びます。そんな状況で宗平がリトを少し叱り、アリアにアイスを渡すのですがそこでアリアに密かな恋心が芽生えるのです。このときからアリアの宗平に対する愛が止まらなくなります。

この恋をしているアリアがかわいらしく、いつ何時でも宗平との触れ合いが恋愛に絡むようになります。雪山で遭難し熊に追いかけられているとき、宗平と手を繋ぎながら逃げているのでデートだと勘違いしたり、さらには熊が目の前に迫っているのに両手繋ぎしたりと乙女回路がガンガン動作しているのです。また身辺警護と称して寝ている宗平の布団にもぐりこみ添い寝をしたりと恋心は止まりません。そんな猛攻を続けるアリアに対して宗平は萌え漫画伝統の朴念仁を貫き通すのです。恋心に疎い主人公がいる限り恋する少女の姿を拝めるので朴念仁万歳といったところと言えます。

まとめ

『みりたり!』第3巻では舞台設定を再び宗平の自宅に戻し、新キャラクターも追加されました。いずれの試みも成功し、これまでの『みりたり!』よりも作品世界は大きく広がったと言えるでしょう。特にグルーがシャチーロフ陣営に追加されたことは大きく、シャチーロフ側だけで話を豊かに展開できるようになりました。もちろん両陣営が集う話もたくさんあるので賑やかな状況となっています。順調に世界が広がっている印象を受ける第3巻です。

それとこれまでの巻同様、美麗なカラーイラストが掲載されているところも重要なポイントです。作中ではセクシー描写の皆無なルトですが、カラーイラストとなると途端にエロ度数が上昇するようで色っぽい姿を拝むことができます。着物を着てたり露出の激しいウェディングドレスに身を包んだ美少女リトガルニコフさんが見れるのは単行本のカラーイラストだけ!という感じなのでご覧下さい。もちろんハルカも描かれているのでそのかわいさにあてられて萌えエネルギーを充填しておきましょう。

本巻を読み終えると何か違和感を感じるかもしれません。そう、ハルカのセクシーシーンがやや少なめなのです。セクシー担当にアリアという強力なキャラクターが乗り出してきたためかもしれません。ですが次巻ではこれでもかというほどハルカのお色気を楽しむことができるので期待していてください。本巻ではアリアが参入することによってなぜかルトに強く出るようになったハルカの姿を存分に眺めることができます。キャラクターの新しい一面を垣間見ることができるのも第3巻の魅力なのです。

オススメ度
★★★★★★★★★☆ ★9

記事担当:くもすい

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